東大寺の修二会の「椿の造花」
岩清水八幡宮でお供えされる「花神饌(はなしんせん)」
の写真などをご覧になったことがあるでしょうか
それらは京都市東山にある「染司(そめのつかさ)よしおか」さんの手による物です
「染司よしおか」さんは
江戸時代から200年以上続く京都の染色工房です
日本に古くから伝わる植物染めの技法を用い、草木や花から美しい色を引き出し、麻、絹、木綿、和紙といった自然素材を染めることを生業としてきました
化学染料を使わず、紫草の根、紅花の花びら、茜の根、刈安の葉と茎、団栗の実など、すべて自然界に存在するもので染めています
そして地下100メートルから汲み上げられる伏見の水と素材に向き合う人の手により、
ゆっくりゆっくり自然とより添いながら、その美しい色は生み出されます![]()
「染司よしおか」さんの手によって復元された
薬師寺の伎楽装束など古社寺の伝統行事にかかわる作品や
『源氏物語』の衣裳の再現作品などが見られるとあって
三鷹市美術ギャラリーに行ってきました
チラシや出品リスト
一部だけ撮影📷okでした
帝王紫
まずはエンジ色に近い「帝王紫」の作品です
帝王紫は
アクキガイ科の貝の内臓で染められます🐚
アクキガイの内臓にはパープル腺と呼ばれる部分があり、
これは本来は黄色なのですが、
海水で薄めて布や糸に塗り付けて、太陽の光にあてると、
次第に赤みがかかった紫色に変化をするという不思議な色です
このように手間をかけた染色が
ヨーロッパやメキシコでも使用例が見つかっています
品のいい高貴な色で位の高い方に相応しそうですね
修二会の「椿」と岩清水八幡宮の「花神饌」
和紙や絹地を染めて花や鳥を型どって造られた造花です
パンフレットを撮影
紙が厚い分、造花はそれ程凝っていないのですね
日本の色
伝統的な染料の黄檗や紫根、ヤマモモ、紅花、蘇芳、丁子などがならんでいます
植物によってはなかなか発色しないので、染めた後に灰汁に付けるなどの手間が必要となります
染色技法の探究
正倉院に納められた宝物の「染め方」を紹介してくれています
ロウケツ染め、キョウケチ、コウケチ、絞り染めなどが当時の染め方で復元されていました
「延喜式」にも染色について書かれた箇所があり
江戸時代の写本が展示されていました
平安の色を求めて
平安時代の染色技術を使って
「源氏物語」に登場する衣装を忠実に再現しています
五段の襲
衣装は薄い絹を5枚重ねて着ることが多い
花弁や葉の色の変化などを表していて左側が上に着る色だそうです
桐壺
桐の襲 藤の襲
紫根や黄檗を使って染めています
本当に美しいですね
夕顔
夕顔の襲
刈安や楊梅で染められています
「常夏の女」とも呼ばれていた夕顔さまにお似合いになりそうです
源氏の衣装
赤の上の白を重ねています
光源氏「藤の花の宴」の衣装です
紅花や丁子などで染められています
白地の織り方も凝っていて美しいです
宴の後、この美しい衣装を着て兄と結婚することになっていた朧月夜と、、、
困ったお方です![]()
紫の上
最愛の人に贈った衣装
光源氏は愛した女性たちに衣装を贈りました
紫の上に贈られた衣装は
葡萄、紫根、蘇芳などで染色されています
織物もとても凝っていて、最も高価な衣装を紫の上に贈ったようですね
明石の女御
強烈な赤の上に白を重ねて桜のような淡い色に見えます
蘇芳などで染められていますが、華やかで気品がありますね
これを明石の女御に贈ったと知った紫の上は心がざわめいたことでしょう![]()
花散里
生地が海賦模様
海賦とは
海ないし海岸の景観を文様化したもので
波・魚・水禽・州浜・松・貝などの組合せ
穏やかな曲線が人柄のいい花散里さまと合ってますね🐟
玉鬘
美しい人にしか着こなせなさそう
紫根や蘇芳で染められています
末摘花
染色した後唐草模様を織り上げてます
品がありますね!
とても好きです![]()
末摘花さまはあまりお美しくないと言われていますが、
光源氏は大切に扱っていたのだと思います
蓼藍や刈安で染色されています
空蝉
出家後の空蝉さまに贈りました
くちなしの実で染めた後、茜を染めると聴し色(ゆるし色)という淡い紅になるそうです![]()
出家されているとはいえ、華やかで綺麗だったのでしょうね
玉鬘の童女
菖蒲の襲
蓼藍、蘇芳、紅花で染色されました
玉鬘の美しさを広めようとして光源氏が蛍を放った場面で童女が着ていた衣装です
花散里の童女
濃い単
紫根や黄檗などで染められています
童女と言っても落ち着いた女性だったのかもしれませんね
女三の宮
紅梅の袿と桜の細長
14歳の皇女に相応しく、可愛らしいけれど、いかにも高価な織物です
衣装を拝見すると40代の光源氏と結婚は無理がありすぎだったことを痛感します![]()
紫の上さままで不幸にしましたね
明石の女御
紅梅の御衣
蘇芳でグラデーションを作っています
染色の技が光ります!
紫の上
若菜下の衣装
紫の上が「出家したい」と切り出す場面ですね
光源氏によって出家は許されませんでしたが、紫の上さまのお気持ちが固いと感じます
吉岡更紗さんの「日本の色 グラデーション」
繊細で美しい!
「染司よしおか」の吉岡更紗さんによるグラデーション
天然の着色料ならではの優しい色です
素晴らしい展示会でした
お気に入りの襲はありましたか?
私は最初の藤や末摘花さまの襲に惹かれました![]()
日本文化がお好きな方や
着物や洋服がお好きな方
源氏物語がお好きな方
ならきっと楽しめる展示会だと思います![]()
2026年2月1日までです
休館日などはこちらからご覧ください
最後までご覧いただきありがとうございました![]()


















