「くず餅」![]()
と聞いてどんなお菓子が頭に浮かぶでしょうか
私は関東圏で生まれ育ったので、
昔から大きな駅に行くとよく見かけた「久寿餅」
に馴染みがあります![]()
白く、噛みごたえがあるしっかりした食感です
関西圏の方なら「葛」を使った「葛餅」
を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか
透明で、つるんとしていて飲み込めてしまうような柔らかさですね![]()
この「葛餅」は発酵食品ではありません
いずれも黒蜜ときな粉をかけていただきますし
最近は関東でも「葛餅」を扱うお店は増えたので、
「両方好き
」という方も多いでしょう![]()
発酵食品は「久寿餅」
「久寿餅」は和菓子で唯一の発酵食品と言われています
「久寿餅」は小麦粉から精製したデンプンを乳酸菌で発酵させて作るそうです
小麦粉と聞くとグルテン![]()
と連想してしまいがちですが、船橋屋さんの「元祖 くず餅」
には計測限界値以下のグルテンしか含まれていません
なぜでしょうか
「久寿餅」が誕生した背景と製法を見てみましょう
「久寿餅」の誕生
(紀文アカデミーさんのページ
から一部抜粋させていただきました)
天保の頃(1830年頃)、久兵衛という男がいました
かれは風雨強き夜に納屋に蓄えた小麦粉が雨でぬれ損じたため、
むなしくこれをこねて樽に移し、水に溶いて放置しておきました
翌年、天保の大飢饉がおき、思い出して調べてみると
この小麦粉が歳月を経て発酵し、樽の底に純良なでんぷんが沈殿していました
しかしあまりにもひどい臭いだったので食べるにも食べられない
少しでも臭いを消そうと数日水洗いし、ちょっと臭うけど"腹に背は代えられぬ"ということで、「火を通せば腹は下らぬだろう」とダイナミックに蒸し上げました
すると、風変わりな餅ができあがり、それを食したのが江戸の「久寿餅」のはじまり、と言われています
久兵衛はこの餅を腹の減った村の人々に配り、飢饉を救う英雄となりました
そこで英雄・久兵衛の「久」、飢餓を救った「餅」、無病長寿の祈願を込めて「寿」
それぞれ1文字を取り、その名を「久寿餅」となったと言われています
「久寿餅」の製法を簡単に書くと
「久寿餅」ができるまでについて
(詳しい説明は上
の紀文アカデミーさんの記事をご覧ください)
簡単に説明すると
①小麦粉に水を加えて練って絞る
↓
グルテンと水溶性のデンプンに分かれる
ちなみにグルテンはお麩になります
久寿餅は
水溶性のデンプンから作られるので
グルテンがほぼ入っていないのですね
②水溶性のデンプンを1〜2年発酵させる
乳酸菌がデンプンを酵素分解して粉々になる
長い期間発酵させるためニオイがキツくなるので
水洗いをする
③発酵したデンプンを水の中に入れて撹拌する
上に上がってくるアクを取り、新しい水を入れてまた撹拌
を5日くらい繰り返す
④熱を加えてとろみを出して混ぜる
⑤とろみが出た液を型に入れて蒸す
ようやく完成です

賞味期限は意外に短い
1〜2年もの時間をかけて発酵させるのですが
なんと賞味期限は2日ほど
こんなにも短い理由は
・添加物を使っていないから
・小麦粉のデンプンが固くなってしまうから
とのことです
素敵な誕生秘話の「久寿餅」
和菓子で唯一の発酵食品をこれからも大切に食べ続けたいですね




