こんばんは。雑貨の仕事塾マツドアケミです。

先日の日曜日、私の生徒さんからメールが届きました。

『天沼寿子さんがお亡くなりになられたそうです」。

えっ? ちょうどNHKの番組で寿子さんが出演されていたばかり。
今年の2月に寿子さんのアトリエを訪れたときも、『薬との相性が良くて、今はこうして動けるの」と笑顔でお話したばかり。

なのに、なのに、寿子さん、本当に亡くなられたの?

フェイスブックの共通の友人たちのページに行ってみてもそのような言葉は書かれていないので、寿子さんのサイトに行ってみると、私がサイトを見た2日前の10月12日に永眠の報告が記載されていました。

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寿子さんと私が最初にお会いしたのは今から20年近く前のことです。

その頃私は外資系の企業で秘書をしていましたが、生涯続けられる”私の仕事”を見つけたいと思うようになり、自分探しをしている中で、芽生えたのが雑貨屋さんになるという夢です。

当時は雑貨屋さんになるための学校や本もなかったので、雑貨屋さんになる=雑貨屋さんで修行するということしか思い浮かびませんでした。

雑貨屋さんのメッカ自由が丘に足を運び、見つけたのがスタッフ募集と書かれたデポー39でした。

デポー39は私が20代に暮らしていたアメリカの雑貨がたくさんあり、店内でワクワクしながら
ここで修行して、ゆくゆくは雑貨屋さんに! それが私の夢の第一歩でした。

そしてデポー39に電話し、面接の場に現れたのが天沼寿子さんです。

寿子さんは落ち着いた低い声で、雑貨屋さんの仕事の裏側について教えてくれました。その上で、通勤片道2時間半かかる私をあきらめさせようとしたのかもしれません。
『頑張る』と言う言葉しかでてこなかった私に、寿子さんは雑貨屋さんでのキャリアの築き方について教えてくれました。

そのことが妙に納得できた私はその後、某メーカーの運営する雑貨屋さんに就職し、いちスタッフから店長になり、本部のバイヤーになりショップコーディネータとなり、1冊目の著書を出版したのをきっかけに独立しました。

その後、パリの展示会で、国内の展示会で、寿子さんとはすれ違う場面が何度かありましたが、寿子さんは業界の第一人者であり、私を覚えてくださっているとも思えず遠くからドキドキしながらその姿を目で追いかけていたのを覚えています。

寿子さんと再会したのは、昨年のことでした。

寿子さんはデポー39を閉店し、少人数の勉強会を主宰されていて、私は雑貨の仕事塾を立ち上げており、二人とも同じ出版社さんから近いタイミングで本を出版しておりました。その時の担当が同じ編集長だったこともあり、編集長さんを通して寿子さんに連絡をとらせていただきました。

ドキドキしながらお伺いした寿子さんのアトリエは、まるで雑誌にでてくるような素敵なインテリアで、丁寧に生きていらっしゃるのがそこここに感じられました。

面接でのこと、その後のことも寿子さんはしっかりと覚えていてくださいました。

私を採用しなかった本音を聞かせてくれました。

「あなたは私のところでない方がのびる子だと思ったの」

すごく丁寧ないい方ですが、きっと小生意気な私に手を焼くと思ったのかもしれませんね。
寿子さんも正直に『あえばすごくのびるし、合わないとダメにしてしまうから」とおっしゃっていました。きっと私は後者だったのかもしれませんが、見極めて手放してくださったおかげで、笑顔で再会できるようになれたのはうれしいことでした。

そうして昨年天沼寿子さんのセミナーを雑貨の仕事塾で開催させていただきました。

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セミナーの打ち合わせのために何度かアトリエにお邪魔させていただきましたが、手料理をごちそうしてくださったり、40代と言う年齢について自立している1人の女性として、そして起業家としてもアドバイスをしてくださいました。

今年に入ってから、アンティークをお勉強したい人のための教材を雑貨の仕事塾としてDVDで作りたいと言うことを相談し、その時のやりとりの中で、寿子さんが、教材と言うよりはアンティークのキレイな映像を残したいと言うことで、NHKの番組の方とお会いすると言う話を伺い、アンティーク学習のDVDについては話が一度ストップすることになりました。

その後に寿子さんが、NHKの『美の壷』に出演することをつい最近知ったばかりでした。

教材制作の話が中断してから、ずっとその後について気になっていて、何かのきっかけがあったらお会いしなくっちゃと心の中で寿子さんを思い出していました。

そんな日に届いた訃報。

お会いしなくっちゃと思いながらお会いするタイミングを逃してしまったことが心残りで、永眠の報告のあるページを開いたまま泣きながら眠り込んでしまいました。

寿子さんとのやりとりのひとつひとつが今となっては私自身の宝ものです。

天国の寿子さん、私が雑貨業界でこうしてお仕事ができるのは寿子さんとの出会いがきっかけです。
旅立った寿子さんが残してくれた宿題を私はこの先、ひとつひとつ悔いのないようにやり遂げていきます。

短い期間でしかお会いしていませんでしたが、私の生涯の恩人として決して忘れません。

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遅くなりましたが、、、
ご冥福を心よりお祈り致します。

マツドアケミ