それが彼の代表的なアルバムの一つである「461 Ocean Boulevard」。
このマイアミの青い空のもとに作られた作品の中の一曲。
それが、「Give Me Strength」である。
「マイアミの青い空のもと」といっても、
「成功者が優雅にマイアミでレコーディング」といった類のものではない。
この頃のクラブトンは言わば「地獄からの生還者」。
あの伝説のデレク・アンド・ザ・ドミノスを解散し、確か長い麻薬中毒になっていた頃だと思う。
クラプトンはデュアン・オールマンなどの死にショックを受け、
この曲の含まれる「461 Ocean~」までに何と4年もの歳月を無為に過ごしている。
(本当に無為であったかは、余計なお世話だが)
この頃のクラプトンはまだ20歳代後半、早くに名声を得た人物の最初の危機、
それを乗り越えたのがこの「461 Ocean Boulevard」ということになる。
そんなこのアルバムの中で、この「Give Me Strength」は、
Dear Lord、Give me strength to carry on.と歌う。
意訳すれば「神様、どうかいつまでも僕に力を下さい」といったところになるのか。
若くして名声を得、友達への裏切り、喧嘩、薬物依存と、
めくるめく人生の流転に翻弄された男の挙句の果ての吐露とでもいうところか。
こういう曲はクラプトンだから許される。
ロック界において、こうした多分に甘えを感じる赤裸々な心情の吐露が許されるのは、
おそらくジョン・レノンとクラプトンだけだろう。
クラプトンの魅力、それは彼の人生という、全人格的な魅力だ。
このアルバムでは、リラックスした環境の中、
あのデレク・アンド・ザ・ドミノスのカール・レイドル(ベース)が全面的に参加し、
(彼は後に旋盤に頭を突っ込み非業の死を迎えるのだが)
女性ヴォーカルのイヴォンヌ・エリマン(表題曲には不参加)ともども、
「復活のクラプトン」を祝うかのごとく、とても素晴らしいプレイを展開する。
「Give Me Strength」。
20代後半の男の曲とは思えない。しかし、実にクラプトンらしい曲でもある。
第16回「We Are The Champions」(1977)/Queen
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