川っぷちでバグパイプの

練習をしていた私に

「君、指導者いるの?

と尋ねてきた自転車乗りの男性。


昨日 までの記事の続きです)

「チャンター(旋律用の管、演奏者が

両手で持っている部分)を吹く練習よりも、

君はドローン(伴奏用の管、演奏者の

肩に3本並んでいる部分)を吹く練習を

先にしたほうがいいと思う


「ドローンはチャンターを

吹けるようになってから、

と思っていたのですが。

テキストにもそう書いてありますし」


「うん、そこは人それぞれなんだけど、

君は明らかに

チャンターに集中するあまり

腕の使い方がおかしくなっているから。

一度ドローンの練習をして

間違った癖を直したほうがいい


そうして彼は一度自宅に戻り、

ワインボトルのコルクを持ってきて

それを私のバグパイプの

チャンター口にはめ込みました。

そしてそれまで私がフタをしていた

ドローン管を1本開放。


「はい、じゃあ軽くバッグを抱えて。

息を吹き込んで、ドローンから

かすかな音が出てきたら、そう今、

バッグの腹を叩いて抱える!」


どろーんと蜂の羽音のような

唸りを上げ始めるドローン。


「腕の位置はそのまま!

君はバッグを押さえ込んじゃう

癖があるけど、押さえ込むんじゃなくて

レスリングの首固めをするイメージで!

そう!いい音が出ている!

じゃあ2本目のドローンも開けるよ!」


テナー・ドローン二本目開きましたー!


♪どどろーん♪


「上手だ上手だ、これなら3本いける!

腕の位置はそのまま、そう!はい!」


バス・ドローン、オープンです!


♪どどろろーん♪


「よし、僕がドローンを調律するから

そのまま音を出し続けてー!」


ひゃだー!


ドローンの音だけ聞くと

私ったらいっぱしのパイパーみたいー!


5分ほどドローンをぶんぶん唸らせていたら

「・・・君、思ったより飲み込みが速いよ。

このぶんならチャンターもいけるよ


「いや、お言葉ですがチャンターは・・・」

「大丈夫、ドローンを1本閉じて、

チャンターをつけよう。物は試しだから」


そしてドローン3本中2本を開放した状態で

チャンターをバッグに取り付け

「いいかい?腕の位置は

さっきと一緒だよ、強く押しすぎちゃ駄目だよ。

息を吹き込む量も変えなくていいからね」


いや、そうはおっしゃいましても

チャンターなんてなかなか鳴らないもので。


「はい、バッグに息を吹き込んでー、

吹き込んでー、そこでバッグの腹を叩く!

そしてチャンターはE(ミ)の音!」


そうしたらですね皆様!


私の左腕の間から

あの憧れのチャンター音

軽々と飛び出したではありませんか!


それもドローン2本の音と一緒に!


「出た!出ました!チャンター!

Eの音が!信じられない!」


「喜びたい気持ちはわかるけどそのまま吹く!

そう!じゃあスケール(音階)いってみよう、

下のA(ラ)から上のAまで!はい!」


♪ラーシドレミファーソーラー♪


嘘みたいー!


私の20分前までの苦闘は何だったのー!


「よし、今度は上のAから下のGまで!」


♪ラーソーファーミレドシラーソー♪


「ありがとうございました!

こんなに音が出るようになるなんて!

我ながら信じられません!」


「はっはっは、いいよいいよ、

バグパイプはね、

最初にちょっとコツがいるんだよ、

今の吹き方を忘れないようにね、

じゃあ練習、頑張ってね」


笑顔でその場を立ち去ろうとする自転車氏。


ありがとう!貴方はいい人だ!


・・・しかしそこで私の

心の中のバグパイプの神様

(わが偶像)

(巨漢、禿頭、無駄毛濃い目)

(キルトがお似合い、もちろんノーパン

(嵐の中でも轟々と

バグパイプを吹き続けるイメージ)が

「おいおいおい、

ここで彼を逃がしちゃいかんよ!

せっかくのワシの好意だろうが!」

とその太鼓腹を

揺すりながら笑ったのです。


そうよ!


確かにそう!


今後の私に必要なのは指導者!


そりゃ多少音を出すことには成功しましたが

乗り越えなくてはならない壁は

まだまだいくつもあるじゃない!


「すみません!突然のお願いで恐縮ですが、

私の先生になっていただけないでしょうか!」


私の叫びが

スコットランドの曇天に響いたのでした。


続く。



このときまではドローン管に

栓をした状態で

チャンター管の音を出そうと

努力していたのです


時々チャンター管を鳴らすのが

ひどく不得手な初心者がいるらしく

それが私だった模様です


つか、今日のネタは

いつにも増してマニアック過ぎました?

なんかすみません


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