夕食の準備をしていたら

なにやらものすごく気弱な感じ

ノックの音が玄関からいたしまして。


ドアスコープを覗いてみると

アパートの共有廊下に

金髪の女の子が立っていました。


ちょうど夫(英国人)も

家におりましたので

チェーンを外してドアを開けましたら

「あの、こんにちは。

私、下の階に住んでいる者です。

ちょうど貴方達の部屋の真下に」


あ・・・


(われらが階下の

隣人についての話はこちら などに)


はいはいはい、

そういわれてみると

貴方の服装もそれなりに

メタルな感じがいたしますね!


え、でもあのメタル部屋、

女性が住んでいたのか?

私はてっきりメタル男が

ふたりで住んでいるものとばかり!


それはともかく。


「何の御用でしょう?」

「その・・・自転車がパンクしちゃって・・・

友達のなんですけど。

それでもしよろしければ、空気入れを

貸してもらえないかと思って・・・

本当、いきなりでごめんなさい、

でも困っているんです

・・・助けてもらえませんか」


ああ、そういうことですか、と

背後で話を聞いていた夫を

そのまま救援に向かわせまして。


数分後、夫は笑顔で帰ってきました。


「結局タイヤの口金の形が

僕達の自転車のとは違ったので、

僕が持っていった空気入れは

役に立たなかったんです

「おやおや可哀想に」

「かわりに近所の

ガソリンスタンドの位置を

教えてあげました。

自動車用の空気入れが

あの口金には合うはずなので」

「おお、それはいいことをしましたね」


「君も一緒にくればよかったのに。

階下の人たちは君に興味津々でしたよ」

「・・・はい?」

「『あの女の人はどなたですか』って。

『パートナーですか』

とあっちが訊いてきたから、

『はい、妻です』って答えたら

おおっ!』とか言っていました」

「は、はあ・・・」

「『どこの国の人ですか?』

とも尋ねられたんで

『日本人です』と答えたら、やっぱり

おおーっ!』とか盛り上がっていました」


そうですか・・・

としか言いようがないんですが・・・


「でも僕の思っていた通り、

下の子達は

悪い人たちじゃありませんでしたよ!

自転車もとても大事に扱われていましたし!」

「だから自転車だけで

他人を判断するのは止めろ」


「あの部屋に住んでいるのは

さっきここに来た女の子ともう一人男の子で、

その男の子は音楽家なのだそうです」

「ほう、それでいくつかの謎は解けたな」

「僕が以前窓から声をかけたモヒカン君は

彼らの友達なんだそうです」

「ふむ」

「で、今日はそのモヒカン君のほかに

もうひとりモヒカン君がいました。

本当に君も一緒に来ればよかったのに!」


いや、でも台所で火を使っていたからね。


「というわけで、今度時間が出来たとき

下の子達をわが家にお招きしましょうよ」

「・・・何故に?」

隣人同士、仲良くなるのは

とてもいいことだと思うんです」


え、えーと・・・


まあ確かに良好な近所づきあい

社会生活を営む上で

重要なことだとは思いますけど・・・


「しかし相手はデスメタルだぜ?」

「君らしくもない、

他人を外見で判断しちゃいけないですよ」

「いやいやいや、これはそれとは違うだろう、

彼らは外見で判断して欲しくて

わざとああいう

奇特な格好をしているわけだろう!」

「僕達の友人には

これまで存在しないタイプですよね」

「友人になること前提で話を進めるな!」


そんなわけで我々は階下の人々を

今度軽食にお招きするつもりらしいです。

お出しするのはビールとワインと

スコーンとポップコーンの予定です。


ちなみにこの日私が作っていたのは

タイ風のグリーンカレーでした


スコットランドひきこもり日記-いえ、カレー以外のものも食べているんですけどね


前回 カレーの写真を載せたら

『あんな体育会系大盛りカレー、

久々に見ました』との声をいただきました


・・・え?大盛り・・・ですか?

の1クリックを

人気ブログランキングへ