と、いうわけで、先週
夫(英国人)の実家に
帰省していた際の話です。
当然のように
ヨークシャーに到着した
その翌日から楽しい植林活動 を開始。
・・・到着直後から開始じゃなくて
まだよかったと思おうじゃありませんか。
到着当日は
猟期の終了日前日だったので
夫がハンティングに出たがったのです。
ちなみに
今回の夫の狩猟成果:ゼロ
それに対する夫のコメント:
「運のいいキジばかりに出会ったよ!」
夫の腕が悪いのか
夫の祖父が遺品として残した
チェコスロバキア製の弾が悪いのか
評価は分かれるところです。
さて植林に使う
斧だの大鋏だの
金槌だのシャベルだのを用意し
苗木だの添え木だのも準備して
いつも通り
夫の実家の裏手に広がる
荒涼たる断崖絶壁の上に向かいます。
・・・ちょっと待って、
明らかにこれ強風警報発令中でしょう。
特殊効果なしで
大型台風接近直撃
現地レポートができそうな状況です。
あまりの風の強さに
眼鏡が振動し視界がぶれる。
前後左右から風が来るので逃げ場がない。
鼓膜が・・・
鼓膜が風の直撃を受けて痛いんですけど!
「夫!これは明らかに
『今日は外出はお控えください』って
お天気予報のお姉さんがいうレベル!
家に帰ったほうがよくないかい?」
「大丈夫!
ヨークシャーじゃよくある天気!」
「・・・ひとつだけ訊かせて、
いま私、縦になってる?横になってる?」
この日の植林予定地は
崖がひとつ風をさえぎる形になっていたので
作業自体は何とかなったのですが、
それにしても
あの風の強さはただごとではなかった・・・
焚き火を起こそうとしても
風が強すぎてマッチが点かないって一体。
冬場の風の強い日に焚き火って
お前は放火魔として国外に汚名を残す気か
と一部の聡明な皆様には叱られそうですが
ヨークシャーは
夏よりも冬のほうが空気が湿っているので
焚き火をするには安全なのだそうです。
それにちゃんと
火の手が広がらないような場所に
焚き火を設置しましたし。
・・・途中から霙(ミゾレ)が
横殴りに降ってきましたし。
ねえ、霙の降る中植林作業って
それってどうなの?
色々な意味で!
育つ苗木も凍え死ぬとか思いませんか?
というか夫よ、
お前は本当に妻である私を
愛しているんかい?
君を問い詰めたい事柄で
私の頑強な胸は張り裂けそうよ!
でも・・・でもね、
夫を問いただしに行くために
作業の手を休めると
その瞬間に途端に体が冷えて
凍死の恐怖が冗談じゃなくなるので
仕事の効率それ自体は
この日すごく高かったと思うの。
『死の家の記憶』って
たしかこんな話じゃありませんでしたっけ?
(答え:ちょっと違います)
とにかく意地と根性を総動員して
日没まで働きまくり
再び強風警報発令中な断崖を登り荒野を渡り
家に帰り着いた瞬間は
「ああ、生きているって素晴らしい」
という気持ちで一杯になりました。
純粋なる魂の崇高さ。
ひとりロシア文学ごっこと呼んでください。
なおその後
寒風に一日中なぶられ
そして家に戻るなり
急激に暖められたわが顔面は
赤紫色に膨張してしまったのですが
あれは何だったのでしょうか。
今回のヨークシャー滞在で
われわれは約二日半を
植林活動に費やし
植えた苗木の数は78本。
なかなかの好成績であると思っております。