「砂糖と塩を間違えて

とんでもない料理を作っちゃった!」

はギャグ漫画の定番ですが

まさか実際にそんな間抜けなことをする

馬鹿は存在しないよねー

と私は数時間前まで信じていました・・・


夫(英国人)の実家に滞在中の私、

日頃の感謝を込めて

今夜の食事の調理を受け持ちました。


「せっかくだから

アジア風の料理が食べたい!」

との夫の家族からのリクエスト。

では鶏肉をお醤油と砂糖とお酢で似る

インドネシア風チキンを作ろうではないか、

と決定したところまでは間違っていなかった。


これはわが実の母に教わった調理法で

手順は単純である上

先月も一度作ったばかりであったし

・・・私は慢心していたのでしょうか。


テーブルセッティングをして

付け合せの野菜と

お米の準備が整ったのを確認し

ワインの栓を開け・・・

「年末年始、本当にお世話になりました!」

「こちらこそ貴方たちが遊びに来てくれて

とても楽しかったわ!また来てね!」

で、ここで笑顔で、

さて皆でいただきますとなるわけです。


・・・しょっぱい


あれ?

気のせいかな?

むしろ前回作ったときより

お醤油の量は少なめにしたよね?


・・・しょっぱい。

己の健康が不安になるほどに。


「・・・すんません、

これどうも味付けを間違えたみたいです」

「あら、そんなことないわ、美味しいわよ!」

「・・・いえ、これは何かが変です、

ちょっと食べるのを待ってください!」

「私達は普段減塩食生活をしているから

そう感じるだけじゃないかな?美味しいよ!」

「いや、お世辞はけっこうですから!

お義父様、フォークを置いて!

貴方が高血圧気味であることは聞いております!」

「何を言っているんだ義理の娘よ、

これは美味しい食事だよ、

どうしてそんなに神経質になっているんだい?」


最初はお醤油のブランドが

キッコーマンではなかったことが敗因か、

これだから外国人の舌にあわせた和食材はよ、

とか思っていたのですが、

鶏肉の味を確かめると

どうもお砂糖の味が弱い・・・というか、しない・・・


恐る恐る調味料の棚を確認する私。


「皆様に身の毛もよだつ事実を告白いたします。

今夜の食事の味がひどかったのは

お醤油メーカーのせいではありません。

私が砂糖と塩のつぼを間違えたのです」

「・・・義理の娘よ・・・

つかぬことを尋ねるが、

今日の食事にはそうすると、

塩はどれだけ入っていたのかね?」

「・・・180ccでございます」

「・・・義理の娘よ、

私がこれから水を大量に飲んで

バナナとみかんを食べまくっても

気にしないでくれたまえ。

私はただ単に

水とバナナとみかんが好きなだけだから。

ところで私の血圧降下剤

どこにしまってあったっけ?」


私は何をやっているのか・・・

1時間半かけてを作ってどうするよ。


普段は味見と調味料確認を欠かさないのに

(表現に少々誇張があります)、

どうしてよりによって夫の実家で

こんな笑えない間違いを・・・


いや、実際は私が

「砂糖と塩を間違えた」と白状した瞬間に

何故か食卓の全員が

涙を流すほど爆笑したのですが・・・


義父が真っ赤になって笑っていたのは

事の次第にウケていたからであって

高血圧の発作ではなかったことを祈るのみです。


結婚して以来はじめて夫に

「お願いだから離婚しないで」

とか懇願してしまった私です・・・


必死に愉快な文章を書いておりますが

正味の話、わたくし現在

自己嫌悪の深い溝に埋まっております。

浮かび上がる兆しはまだございません。