「エディ…」
昨夜はジョン
今夜はエディの
サマンサです
こんばんは
昨日今日と随分と
寒くなりましたね
クリスマスツリーも
徐々に街の風景に
溶けこんできた感じ…
そんな街を歩いていたら
ふと彼のことを
思い出しましたわ
ええ、彼と出会ったのは
クリスマス間近の
ニューヨーク
私がまだ大学生の頃よ
友達と二人で
ニューヨークに
旅行に行ったの
飛行機とホテル
それに空港間の送迎が
ついた安いツアー
成田空港で
搭乗手続きを済ました
わたしたちは
搭乗時間まで
うどんを食べながら
時間を潰していたわ
「もうそろそろ搭乗時刻ね」
と、ゲートに向かった
わたしたちの目に
映ったのは…
「なんじゃこりゃあぁぁ!!」
by 松田優作 again
一緒にいた友達を振り返ると
彼女の顏からは一切の表情が
消えていて…
そう、やってしまったのよ
飛行機はもう
とんでとんでとんで
とんでとんでとんで
とんでとんでとんで
まわってまわって
まわってまわる~
by 円広志
よくよくチケットを見ると
飛行機に乗るまでに
バス移動があって
そのためにゲートには
実際の搭乗時刻より
早く行ってないと
いけなかったみたい
閉じられたゲートの前で
呆然と立ち尽くす
わたしたち
そんな可愛い女子大生を
放っておけなかったんでしょうね
空港職員の男の人が
近づいてきて
45分後に飛び立つ
ニューヨーク便に
振り替えてくれたの!
よかった! これで
ニューヨークに行ける!!
なんてわたしたちって
ラッキーなの!!
わたしたちの荷物は手荷物だけ
これなら空港に着いて
すぐに集合場所にいけば
きっと送迎の人に
落ち合えるはず!
わたしたちは
ほっと胸をなでおろして
飛行機の中で
微笑みあったわ
しばらくして
機長からの挨拶が
あったとき
またしても
友人の顏から表情が
消えたのよ
えっ? 今なんて言った?
ニューアーク?
なにそれ?
ニューアーク空港に
到着するとか言ってるよ
わたしたちが乗るはずだった
飛行機は
ジョン・F・ケネディ空港行き
そして今乗っている飛行機は
ニューアーク空港行き
ニューアークって一体どこ?
慌てて「地球の歩き方」を
見てみると
どうやら距離的には
ジョン・F・ケネディ空港より
マンハッタンに近いらしい
これはもう送迎は
あきらめて
自力でホテルに
行くしかないわ!
ねえ、わたしたちって
ラッキーじゃない?
スーツケース預けてたら
荷物だけジョン・F・ケネディ空港に
行っちゃうところだったものね
と、お互い不安を隠しつつも
無理やりプラス思考な
考えにもっていく二人
無事ニューアーク空港に着いて
さあ、ホテルまでと乗った
タクシーの中
また友達の顏から表情が
消えていく
どうしたの ?
この運転手、メーター倒してないよ
これってもしかして
ホテルについたら高いお金を
請求されるのかしら?
ここで騒いで途中で
降ろされても困るから
とにかくホテルに着くまでは
おとなしくしておこう
友人とわたしが
そんな相談をしていると
運転手が突然
早い道がいいか?
ゆっくりの道がいいか?
と聞いてきたの
なんなの?それは?
早い道って
高速道路ってことよね
これでまた法外な値段を
請求されるのかしら?
でもとにかく早く
ホテルに着いた方がいいわ
運賃の交渉は
ホテルに着いてからよ
早い道でお願い
運転手にそう答えると
タクシーは
高速に乗って走っていく
高速から降りると
今度はどんどんと
人気のないさびれた地区に…
ほらっ、映画でもよく見るでしょ?
麻薬の売人がうようよしていて
歩いていると
身ぐるみはがされそうな
そんな怖い地区に
タクシーはどんどん
入っていくのよ
ほんとに怖かったわ
こんなところで
降ろされたら
どうしようと
びくびくしていたら…
信号待ちで止まっていた
タクシーの窓を
コンコンと叩く黒人の男
運転手に窓を開けろと
言ってるみたい
きゃーーーーっ
こわいーーーーー
さて、女子大生サマンサの
運命はいかに…
つづきはまた明日ね