
- 著者: 新井 素子
- タイトル: おしまいの日
この作家の文体はかなり独特です。
なので一見「こいつ・・・ばか?」と思いかねない。
でも、読み進めていくとそれが大きな勘違いだったと知るのです。
ダンナさんの帰りを待つ主婦の日記です。
とくに大きな事件も超常現象もおきません。
主人公は専業主婦で、ダンナさんは真面目なサラリーマンです。
ものすごい愛憎劇が繰り広げられもしません。
でもね・・・
すっごいですよ。
高密度の真綿でぎゅうううって押しつぶされるような密閉感。
のどが締め付けられる愛しさで死んでしまいそうな感覚が、この密閉感なんです。
やり場に困るような気持ちの重圧。
いたって普通の日常がサイコスリラーになっています。
サイコスリラーだけど、ものすごくせつない恋愛小説でもあります。
長時間労働のダンナさんをもつ妻なひとには・・・オススメ・・・しないかも。
身につまされすぎでツラすぎるかもしれない。
おもしろいんだけどね・・・