うちの高齢者は、葬式は「簡素に、簡素に」といってた。

葬儀場で、済ますつもりが怪我の功名か、押さえた日が、高額永代供養の御坊さまが、忙しいとのことで、自宅でやることになった。

葬儀社の方には、申し訳ないが、すべて最低ランク。花も通夜ぶるまいも、身内だけとのことで、こちらで用意し、御香典はなし。来てくれた方には、カードと50gのお茶のお返しだけ。

ただ、お花だけは、親友の元花屋さんが、予算10万で、お花のコーディネートをひきうけてくれた。

名札はなし。菊はなし。白いさまざまな種類のお花を中心に、ところどころ淡いピンクのものをあしらい、狭い4畳半は、お花で埋まった。

シンプルだけど、ほんとうに綺麗な祭壇。最近の写真がなかったので着物を着た50前ごろのもの。80なのでちょっと若過ぎだけど、なかなか粋だった。


御通夜も思いがけなく、ほとんどの親族がのこってくれて、すし桶を囲んで、せまいところでみんな話がはずんだ。

最後は、御棺に御花がいっぱい。見送りに来てくれた近所の方も御棺のなかに献花して、最後の別れを惜しんでくれた。

燃やすには、ちょっともったいないぐらいのうすいグレーの着物(お気に入り?の喪服)を着て、どっさりの御花に埋まって、骨折の際の顔面のあざは特殊メイクでわからなくなり、気になっていたこぶも消え、御通夜の際には、ぱんぱんでしわのなかった顔に少ししわが戻り、いつもの見慣れたうちの高齢者の面影を取り戻し、ほんとうに素敵だった。

みなさん、とくに高齢者の方々に、こんな風に送ってもらいたいと、いっていただいたのがなによりだっだ。

御坊様は、通夜は1時間を越える大サービスの御経で、告別式は、自分の御寺の新築した門(あうんの瓦の「あ」だか「うん」だかの近くにうちの高齢者の名前があるそうだ。しらない間に、寄付してた)の式があるとかで、ものすごいスピードで御経をあげてくれた。

御骨は、なんだか小さく感じたが、なかなかしっかりしているとのこと。
のどぼとけの形も綺麗だった。

内臓は満身創痍だったけど、やっぱり長生きする方は、骨格がしっかりしている。

御骨は私が、抱いて帰った。悲しいというより、気が抜けてしまった。

御花代ともちろん御経代をのぞいて、50万はかからなかった。

いいお葬式、だったと思う。

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