毎日同じ光景の繰り返し
今日は解説なしで、番号だけで見てもらいましょう。
1、
2、
3、
4、
5、
6、
7、
8、
9、
10、
とまあ、こんなことを毎日やっています。
ちなみに、ハチワレ君を迎えに来たのはドロシーです。
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ラノベ「抗いし者」第20話
賛同できないマイラの策
賛同できないマイラの策
「私の考えた方法はね。敵の裏をかく作戦よ」
と、マイラが得意げに言った。
「それはチグサと私が男に化けて、ボルク兄さんたちと一緒に戦うということよ」
(はい? 聞き間違えかしら……)
「えっ、それってどういうこと?」
「だから、チグサと私が防備隊に入って戦うの」
(いやいや、それはダメでしょ! そんなキラキラした目で言われても。どうやって、か弱い女子が、ボルクたちみたいな筋肉ゴリラと一緒に戦えるっていうの?)
マイラは勇敢な女性だということは分かった。
同時に私はチキンハートの持ち主だということも、よく分かった。
とにかくそんな怖い作戦には、「あ、それいいかも〜」なんて絶対に言えなかった。
だから私は卑怯にも、あの手この手で逃れようとした。
「この世界では女が男に化けるってのは罪な事なんじゃない?」
「平時だったらね。ヤルケノでさえ男の恰好してたらお尻ペンペンものよ。はしたないって。ダルーガだったら考えただけでもゲロが出そう」
「だったらやっぱり避けた方が良いんじゃないかしら? だってマイラがもしダルーガの捕虜になったら大変でしょ」
「そうね。そうなったら死ぬことにするわ」
(ご、ご立派でござりまする……)
「チグサが私のことを心配してくれるのは嬉しいけど、チグサだけを防備隊で戦わせるわけにはいかないの」
(いや私は嫌だと言ってるんだけど。なんで既に防備隊に入ることになっとるねん!)
「それにね。この作戦はすごく成功率が高いのよ。だって敵が攻撃を仕掛けてくるのは防備隊でしょ」
「そうね。髭もじゃの男たちが一斉に切り付けてくるわ!」
「そしたら自動的に反射呪文がかかるんじゃないの?」
「あっ」
「でしょ」
(いやいや、もしかからなかった場合のことを考えて。失敗したら二度目はないのよ)
「でも100パー、発動するかどうかわかんない」
「その時はもう私も覚悟を決める。それにね、チグサが恐れていた『悪意のない攻撃』はどこを狙うと思う?」
「私のいそうなところね」
「そう。後方の支援部隊。つまりオークの衣を被って誰だか分らなくなっている所よ」
「要するにマイラは、後方にいる方が危ないと言いたいのね」
「そ、だからこれは逆転の発想なの」
翌日、マイラはなぜかドヤ顔で大きな袋を抱えて現れた。
「チグサ、準備できたよ!」
「えっ、何が?」
「男装セット!」
袋の中には、ボルクたち防備隊が着ている、あの分厚い衣装が入っていた。
ただし――、
どう見てもサイズが合わない。
袖は手の先どころか膝まで届き、ズボンは二人分くらい入りそうなほどブカブカ。
「ムリムリムリムリ! 絶対ムリ! こんなの着てたら絶対標的になるって」
「大丈夫。任せて。オークの衣を内側から脱げるようにしたのも私だから、裾上げくらい朝飯前よ!」
彼女の勢いに押されて、私は消極的に頷くしかなかった。
マイラは針と糸を取り出すと、まるで仕立て屋のような手つきで衣装を詰め始めた。
「ここをこうして……はい、チグサ、ちょっと立って」
「え、あ、はい……」
マイラは女子力も私より数段上だ。
私はまるで七五三の着付けをされる子供のように、マイラにぐるぐる回され、引っ張られ、持ち上げられた。
「よし、できた!」
鏡を見ると――、
なんとか『着れている風』にはなっていた。
ただし、肩幅は明らかにだぶって、ラグラン袖のような……。
胸のあたりは不自然に膨らみ、腰回りは妙に細い。
(どう見ても昨日まで病院にいて、今日退院した華奢な男の子にしか見えない!)
「兄さん、見て! チグサの男装できたよ!」
マイラに背中を押され、私は防備隊の詰所に入った。
ボルクは振り返り、私を見るなり――、
「ぶはっ!!」
腹を抱えて笑い始めた。
「お、お前、何その肩幅。それに思ったより小さいんだな。いや、でも似合ってる、似合ってる……ヒッツヒッツヒッツヒ!」
(似合ってないから笑ってるんでしょ!)
私は真っ赤になって、涙目でマイラを見ると、マイラは腕を組んで堂々と言った。
「兄さん、理屈で考えてみて。さっきも言ったようにチグサが後方にいたら、『悪意のない攻撃』に狙われるはずよ。それはかえって危険なの。
だったら呪文が効く前線にいた方が効果的だし、ずっと安全だと思うの」
ボルクは笑いを止めて真剣に考えだした。
マイラの理屈に反論できないらしい。
「まあ、言ってることは分かる。だが俺の判断じゃ決められん。村長に許可をもらって来い」
村長宅の集会所に移動して、私たちが作戦を説明すると、村長は頭を抱えた。
「女が男装して前線に立つじゃと? そんなことは前代未聞じゃ。先代も先々代の時代にも聞いたことがないわい。ワシは他の市長や町長や村長から笑いものになるのでは? 確かに理屈は通っておる。だがもしも白兵戦になったらどうなる? マイラもチグサ様もボコられるのでは? ダルーガにさらわれたらどうなる?」
(ヒィ~、そんなこと考えたくもない)
マイラは、その時は死を選ぶなんてカッコいいこと言ってたけど、私にそんな勇気はない。
もちろん呪文は連発するけど、頭でもぶつけて気絶したら……。
気が付くとコミケのエロ本のヒロインみたいになってました~~なんて、
(冗談じゃない! 村長、ここはあんただけが頼りです。お願い、ダメって言って! この作戦、絶対ヤバいってば!)
それなのに――、
「……仕方あるまい。他に策は無い。マイラの作戦を許可する」
村長の言葉に、私は膝から崩れ落ちそうになった。
誰か一人くらい止めてくれると思ってたのに……!
(どうしよう、どうしよう。成り行きでUSJのフライングダイナソーの列に並んじゃって、あ、もう戻れないんだ……って悟った時の気分……!)
私は遠い目をした。
つづく














