カツオシ D の小説ブログ

カツオシ D の小説ブログ

 最新の映画の紹介と、猫写真の他、2分程度で読めるショートショート小説を載せています。
 Googleで「カツオシ」と検索してください。







 右イラストはMECHAさんに書いて頂いた「餓鬼ども!」のキャラクター、餓鬼ちゃんズです。    ⇒


  幻冬舎MCより「不条理な弱点」を発売!      

 「餓鬼ども!」共々よろしくお願いします。



 内容はこちらのブログでも掲載しておりましたショートショートの中から30本を選んで加筆修正したもの。

 今回表紙は、やはりブロ友の井川さん にお願いしました。


カツオシ D の小説ブログ  

写真はMECHAさんの描いてくださった 「餓鬼ども!」に登場する天女達。

「餓鬼ども!」 の表紙はMECHA さんにお願いしました。



*******************************************


  初音ミク&がくっぽいどに

           歌ってもらいました。


私が作った曲をユーチュ-ブで

初音ミクやがくっぽいどに歌ってもらっています。

ぜひ聞いて下さいね。

(なお伴奏はすべて音楽ソフトのシンガーソングライターです)


カツオシ D の小説ブログ

  

①「絵てがみ」ファミリーソング 詩 高野 優

②アントンモレノ兄弟      詩 藤吉 正孝

③すてられた子猫        詩 カツオシ D
④どぶ池ブルース        詩 岡本 保夫

⑤貴方が見えない        詩 岡本 保夫

⑥ニャンニャン・ソング     詩 ダンキチママ

⑦ディスタンス(伴奏つき)   詩 士月十三


***************************************

   ツイッターのフォロー募集中です。 

     http://twitter.com/katuosiD


  なう友(フォロー)も募集中です。

***************************************

   毎日同じ光景の繰り返し

 今日は解説なしで、番号だけで見てもらいましょう。

   1、

  2、

   3、

 

  4、

  5、

   6、

  7、

  8、

  9、

   10、

 とまあ、こんなことを毎日やっています。

 ちなみに、ハチワレ君を迎えに来たのはドロシーです。

 

*******************************************************

 ラノベ「抗いし者」第20話

  賛同できないマイラの策

      賛同できないマイラの策

 

「私の考えた方法はね。敵の裏をかく作戦よ」

 と、マイラが得意げに言った。

 

「それはチグサと私が男に化けて、ボルク兄さんたちと一緒に戦うということよ」

(はい? 聞き間違えかしら……)

 

「えっ、それってどういうこと?」

 

「だから、チグサと私が防備隊に入って戦うの」

(いやいや、それはダメでしょ! そんなキラキラした目で言われても。どうやって、か弱い女子が、ボルクたちみたいな筋肉ゴリラと一緒に戦えるっていうの?)

 

 マイラは勇敢な女性だということは分かった。

 

 同時に私はチキンハートの持ち主だということも、よく分かった。

 

 とにかくそんな怖い作戦には、「あ、それいいかも〜」なんて絶対に言えなかった。

 

 だから私は卑怯にも、あの手この手で逃れようとした。

 

「この世界では女が男に化けるってのは罪な事なんじゃない?」

 

「平時だったらね。ヤルケノでさえ男の恰好してたらお尻ペンペンものよ。はしたないって。ダルーガだったら考えただけでもゲロが出そう」

 

「だったらやっぱり避けた方が良いんじゃないかしら? だってマイラがもしダルーガの捕虜になったら大変でしょ」

 

「そうね。そうなったら死ぬことにするわ」

(ご、ご立派でござりまする……)

 

「チグサが私のことを心配してくれるのは嬉しいけど、チグサだけを防備隊で戦わせるわけにはいかないの」

(いや私は嫌だと言ってるんだけど。なんで既に防備隊に入ることになっとるねん!)

 

「それにね。この作戦はすごく成功率が高いのよ。だって敵が攻撃を仕掛けてくるのは防備隊でしょ」

 

「そうね。髭もじゃの男たちが一斉に切り付けてくるわ!」

 

「そしたら自動的に反射呪文がかかるんじゃないの?」

 

「あっ」

 

「でしょ」

 

(いやいや、もしかからなかった場合のことを考えて。失敗したら二度目はないのよ)

 

「でも100パー、発動するかどうかわかんない」

 

「その時はもう私も覚悟を決める。それにね、チグサが恐れていた『悪意のない攻撃』はどこを狙うと思う?」

 

「私のいそうなところね」

 

「そう。後方の支援部隊。つまりオークの衣を被って誰だか分らなくなっている所よ」

 

「要するにマイラは、後方にいる方が危ないと言いたいのね」

 

「そ、だからこれは逆転の発想なの」

 

 

 翌日、マイラはなぜかドヤ顔で大きな袋を抱えて現れた。

 

「チグサ、準備できたよ!」

 

「えっ、何が?」

 

「男装セット!」

 

 袋の中には、ボルクたち防備隊が着ている、あの分厚い衣装が入っていた。

 

 ただし――、

 どう見てもサイズが合わない。

 

 袖は手の先どころか膝まで届き、ズボンは二人分くらい入りそうなほどブカブカ。

 

「ムリムリムリムリ! 絶対ムリ! こんなの着てたら絶対標的になるって」

 

「大丈夫。任せて。オークの衣を内側から脱げるようにしたのも私だから、裾上げくらい朝飯前よ!」

 

 彼女の勢いに押されて、私は消極的に頷くしかなかった。

 

 マイラは針と糸を取り出すと、まるで仕立て屋のような手つきで衣装を詰め始めた。

 

「ここをこうして……はい、チグサ、ちょっと立って」

 

「え、あ、はい……」

 

 マイラは女子力も私より数段上だ。

 

 私はまるで七五三の着付けをされる子供のように、マイラにぐるぐる回され、引っ張られ、持ち上げられた。

 

「よし、できた!」

 

 鏡を見ると――、

 なんとか『着れている風』にはなっていた。

 

 ただし、肩幅は明らかにだぶって、ラグラン袖のような……。

 胸のあたりは不自然に膨らみ、腰回りは妙に細い。

 

(どう見ても昨日まで病院にいて、今日退院した華奢な男の子にしか見えない!)

 

 

「兄さん、見て! チグサの男装できたよ!」

 

 マイラに背中を押され、私は防備隊の詰所に入った。

 

 ボルクは振り返り、私を見るなり――、

 

「ぶはっ!!」

 腹を抱えて笑い始めた。

 

「お、お前、何その肩幅。それに思ったより小さいんだな。いや、でも似合ってる、似合ってる……ヒッツヒッツヒッツヒ!」

(似合ってないから笑ってるんでしょ!)

 

 私は真っ赤になって、涙目でマイラを見ると、マイラは腕を組んで堂々と言った。

 

「兄さん、理屈で考えてみて。さっきも言ったようにチグサが後方にいたら、『悪意のない攻撃』に狙われるはずよ。それはかえって危険なの。

 

 だったら呪文が効く前線にいた方が効果的だし、ずっと安全だと思うの」

 

 ボルクは笑いを止めて真剣に考えだした。

 

 マイラの理屈に反論できないらしい。

 

「まあ、言ってることは分かる。だが俺の判断じゃ決められん。村長に許可をもらって来い」

 

 

 村長宅の集会所に移動して、私たちが作戦を説明すると、村長は頭を抱えた。

 

「女が男装して前線に立つじゃと? そんなことは前代未聞じゃ。先代も先々代の時代にも聞いたことがないわい。ワシは他の市長や町長や村長から笑いものになるのでは? 確かに理屈は通っておる。だがもしも白兵戦になったらどうなる? マイラもチグサ様もボコられるのでは? ダルーガにさらわれたらどうなる?」

 

(ヒィ~、そんなこと考えたくもない)

 

 マイラは、その時は死を選ぶなんてカッコいいこと言ってたけど、私にそんな勇気はない。

 

 もちろん呪文は連発するけど、頭でもぶつけて気絶したら……。

 

 気が付くとコミケのエロ本のヒロインみたいになってました~~なんて、

 

(冗談じゃない! 村長、ここはあんただけが頼りです。お願い、ダメって言って! この作戦、絶対ヤバいってば!)

 

 それなのに――、

 

「……仕方あるまい。他に策は無い。マイラの作戦を許可する」

 

 村長の言葉に、私は膝から崩れ落ちそうになった。

 

 誰か一人くらい止めてくれると思ってたのに……!

 

(どうしよう、どうしよう。成り行きでUSJのフライングダイナソーの列に並んじゃって、あ、もう戻れないんだ……って悟った時の気分……!)

 私は遠い目をした。

 

      つづく