狩るもの狩られるもの シマヘビ | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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弱肉強食とは言うが、狩るものと狩られるものの関係は非情だ。昆虫は常に鳥に食べられ、鳥もまた狙われる。海においても食物連鎖によって生態系が維持されている。子供の頃、飼っていた大きな黄金蜘蛛に毎日トンボやセミを与えていたが今では出来ないだろう。しかし蜘蛛は昆虫を食べずして生きては行けないし、蛇はカエルやネズミなどの小動物を食べなければ木の実では生きて行けない。蛇がカエルを丸飲みするシーンは何度も見て来た。可哀そうだが仕方ないだろう、助けてやることも出来ない。

蛇に睨まれた蛙と言うが、このシマヘビに見つかって狙われたらまず助からない。それくらいシマヘビは敏捷で気も荒い。毒はないがうかつに掴むとすぐに噛みついてくる。それに急に驚かすと人間と言えども追っかけて来るのがこいつなのだ。先日のことだが、山道から下に飛び降りたらすぐ横に大きなシマヘビが横たわっていた。もうちょいで踏みつけるところだった。驚いたシマヘビは口をあけて野人を追いかけて来たが、その動きがまた素早い。足を狙って「カプ!カプ!~」とやるからたまらん。野人は足を上げながらかわす。「こら、バカタレ!やめんか!こらあ~」とあせる。蛇は子供の頃から随分襲ったが、蛇に襲われたのは初めてだ。あまりしつこいので頭を思い切り踏みつけてやろうかとも思ったのだが無益な殺生もしたくない。悪かったのは野人でよほど防衛本能と闘争心に火がついたのだろう。これほど気が荒い蛇も珍しい。シマヘビに比べればマムシや青大将はコアラみたいなものだ。やがて正気を取り戻したシマヘビは渋々退散したが、すぐ近くで食事中だったのがこの写真のシマヘビだ。あのしつこいシマヘビはこいつに先を越されて苛立っていたのかも知れない。ひょっとして「何でもいいから食いたい~」と言う執念で野人を・・・

捕食されていたのは大きなトノサマガエルで、蛇の頭の数倍もあって飲み込めそうな大きさに見えないのだが、まあ時間の問題だろう。蛇はあごの関節を外してこの程度は飲み込める。こうなったらこいつはテコでも動かない。カメラを近づけようが周囲の草をかき分けようが少々首を振るだけだ。徹底して飲み込むことに集中している。雷が落ちようが洪水になろうが獲物を離さないだろう。

一昔前の野人がギンギラギンの時代なら二匹のシマヘビは野人に捕食されていたかも知れない。蛇の中ではこのシマヘビが一番・・・美味しい・・

今は食物連鎖の頂点にいるのは人間だ。人間に絶滅させられた種は数知れない。自然界の理で生きて行く為ならやむを得ないのだろうがそうでもない。人は道具を使う知恵と欲と言うやっかいなものを持っている。欲の犠牲となり今も迷惑している動物は数知れず。文明科学は完全なものではなく欠陥だらけだ。知恵の使い方を改めなければ、因果応報という言葉どおりいつかは自分達に返って来る。狩るもの狩られるもの、人間もまた例外ではなく、命あるものを食べなければ生きては行けない。命あるもののすべては必要だから存在しているのだ。人の知恵に欠けているのは森羅万象の道理であり、心に欠けているのはすべての生き物に対する慈悲だろう。謙虚な気持ちになれば進む道は見えてくる。