東京の未来 | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

6月11日に森ビルが中心となって建設した「虎ノ門ヒルズ」がオープンした。



私も初日に訪れて、人の多さはともかく、その規模やデザインに感心してしまった。



ただ、この規模の新築ビルには珍しく、最寄り駅から歩いて5分ほどかかる。



なぜ、こんな便利とは言えない地味な場所にこれほどのビルを建てたのか少し不思議になった。





私は幼い頃から地図が好きだった。




母によると、小さい時から私は大型地図を開いて、毎日1時間以上眺めていたそうだ。



小学4年になって中学生の地理の参考書をねだって買ってもらったから、今考えると「地理オタク」だったのかもしれない。



また、ただ見るだけでなく、スケッチブックに地図を写して、自分なりの開発計画を書きこむのも好きだった。



その作業には何時間も没頭しても飽きなかった。

  

虎ノ門ヒルズがオープンするという数ヶ月前、その下を通る「マッカーサー道路」(新虎道路)の付近を正式な開通前に歩いてみた。



「道路の上にビルがある」といった作りが斬新だった。東京が再開発に本気で乗り出していることを肌で感じた。



これは、神田から始まり、秋葉原、水道橋、飯田橋、市ヶ谷、四ツ谷、赤坂と皇居を中心点にぐるっと回って、虎ノ門、新橋を通る。今後はさらに地下を抜けて築地に出て、湾岸の勝どき、晴海、豊洲、有明に至る大環状道路の一部である。



ところで、最近、都心を歩き回ると、皇居の北側(海側)がマンションを中心にさかんに再開発されていることに気づく。それとは対照的に、オフィスビルも皇居の北側(内陸側)が以前より空室や空きビル目立つ。



まるで、住人やオフィスが内陸から東京湾岸へと徐々に大移動しているかのように感じる。





東京の再開発の経過をおおざっぱに追うと、1980年代は渋谷と渋谷を中心とする城南地区の開発がさかんだった。



それが、さいたま新都心、つくばエクスプレスや大江戸線など江戸川沿岸、そして浦安や千葉など、東京の東側の開発へと重心が移っていった。



だが、2000年に入ると、東京駅周辺から湾岸の開発のほうがさかんになって、80年代から開発が盛んだった港区開発とあいまって、海側の開発に移行していく。



このまま、さらに左に移動していく勢いである。



ちょうど、新宿から始まって左回りに開発の「目」が移っていくようなイメージだ。



なぜそのようなことになったかを考えるには、戦後の社会変化を頭に置く必要があるだろう。



その前提として、開発においては「導線」が重要だと考えている。



導線とは、ある点からある点に向かって開発が進むということである。



たとえば、Aという県庁所在地のターミナル駅の開発なら、西口の方向に県庁があれば、西口から開発される。Aという街を再開発するときに、ポイントの方向に開発が進むということだ。



開発では、点は1つだけしかないより、複数あったほうが点がつながって拡がりが出る。私はこのように開発が進む方向にある重要なポイントのことを開発の「導線」と呼んでいる。



たとえ周辺にポイントとなるものがない地区の再開発でも、遠くにでも重要な施設や都市があれば、それがある方向に開発が進む可能性が高い。




たとえば、1960年代の東京で、ポイントとなったのは大阪である。とくに、東京と大阪のあいだには横浜と名古屋あるので、西側に導線がつながりやすかった。その象徴が東海道新幹線と東名高速と羽田空港だろう。この頃は東京の西側から神奈川県の東京側の開発が進んだ。



1970年代後半になると、日本も「金融の時代」へと徐々に移行する。金融の中心である日本橋周辺が重要となった。ただし、80年代からバブル期に入り、土地が異常に高騰して、コストの関係で都心開発はかなり難しくなっていた。



この頃は土地に余裕があった新宿の西側のほうが開発しやすく、有楽町にあった都庁が新宿の西側に移動したこともあって、新宿駅と都庁が導線となって新宿自体が肥大化した。



この頃の新宿は、都心より大きな副都心である。



ところで、80年代、世界は徐々に飛行機の時代に移行し、国際空港のある成田の重要性が増す。そうなると、新宿や渋谷など西側一辺倒だった東京の開発も徐々に東側に移行する。その代表がディズニーランドのある浦安と幕張、そして「さいたま新都心」だろう。これには都心の土地が高騰して、大規模開発が難しくなったことも影響している。



90年代はバブルの崩壊とともに都市開発の勢いが衰えていき、それが2000年半ばまで続いた。新宿や渋谷や銀座や六本木など単体で勢いのある地区の開発は進んだが、ITバブルの崩壊やリーマンショック、そしてだめ押しになったのが民主党政権の「コンクリートから人へ」の方針と東日本震災である。



このため導線が生まれず、再開発は拡がらなくなった。



だが、民主党政権下で1つだけ大きなきっかけがあった。それは主に前原氏が進めた羽田空港の国際化だ。羽田の国際化が進むことで都心から羽田という新たな導線が生まれ、そこから再開発の機運が少しずつ盛り上がった。





これを爆発させたのが安倍政権のアベノミクスとオリンピック招致だろう。とくにオリンピック招致は、バブル期からの停滞を脱し始めていた湾岸開発を再度加速させる起爆剤になった。



これによって、都心から湾岸への導線が生まれたわけである。



最近、東京の再開発について、大きな2つのニュースがあった。



1つはJRの羽田空港延長だ。なぜこれが大きいかと言えば、これまでJR東日本は飛行機との競合から、JRの羽田空港への乗り入れを拒んできたからである。



もう1つが品川の再開発が正式に動くことになったことである。




私の考えでは、この2つのニュースは密接に関わっている。



品川新駅がリニア線の始発駅となる予定である(東京駅が始発になる可能性もある)。だから、JR東海からじかに山手線に乗り入れられることになる。




品川新駅からは羽田に行けるので、JR東日本を経由せずに名古屋から直接羽田空港に行けるようになる。



そこで、JR東海への対抗策として、JR東日本がこれまで禁じ手としてきた羽田への直接乗り入れを決めたのではないだろうか。



実際、このJRの羽田延長で、品川新駅を通らず、新宿駅と東京駅から10分台で羽田空港に行けるようになる。



ここで最初に戻る。なぜ森ビルが不便な場所に旗艦ビル「虎ノ門ヒルズ」を建てたかである。



森ビルは港区を中心にビルを展開している。



ここまで、代表的な基幹ビルを、渋谷(表参道ヒルズ)→赤坂(アークヒルズ)→六本木(六本木ヒルズ)→虎ノ門(虎ノ門ヒルズ)→愛宕(愛宕ヒルズ)というゆるやかな線を描くように作ってきた。



その線の先には品川がある。森ビルは東京の(ひいては日本の)中心が品川になることを見越して、港区を一大拠点にしようとしているのではないか。



もしこれがはまれば、次は森ビル=JR東海=羽田空港の時代が来るかもしれない。



その港区=森ビル=品川新駅に対抗しているのが、千代田区を中心とする東京駅の皇居側である三菱地所の大手町・丸の内・有楽町開発である。




現在、この3地区に、さらに三井不動産などの日本橋(+銀座・京橋)開発が加わって、東京駅も改築され八重洲地下街も大幅に整備された。



品川新駅に対抗すべく、「東京駅連合」も着々と手を打っている。品川に東京の「都心」の地位をとられないための対抗策と見ていいだろう。




実際、東京駅は東北への起点と羽田と成田の中間地点としての地位を固めようと画策している。大手町も巨大ビルの建て替えが進み、温泉まで掘って、国際ビジネスセンター化を進めている。





こうやってみていくと、東京の再開発は、成田→羽田への国際線の権力移譲から始まり、JRグループ対航空会社、JR東日本対JR東海、東京駅対品川新駅、三菱地所(+三井不動産)対森ビル、千代田区対港区といったいくつかの対立軸で動いているとわかる。



「名門」対「新興」の仁義なき戦いだとまとめてもいいかもしれない(どっちがどっちか言いませんが)。



ポイントとなるのは、築地・湾岸へのアクセスだろう。



現在、有楽町線が有楽町と湾岸をつないでおり、東京駅から大量のバスが出ており、銀座からのバス専用レーンが計画されている「東京駅連合」が有利だ。



だが、赤坂→虎ノ門→新橋の道路が完成すれば、品川からのアクセスも楽になるし、ゆくゆくは地下鉄も引かれることになるだろう。そうなると、港区と品川新駅が都心の地位をとって代わる可能性がある。



では、勝利するのはどちらだろうか?



・・・ずいぶん長くなったので、自分の考えはまた折を見て書くことにしたい。ほなさいなら。




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