広汎性発達障害の強迫性とSSRIについて | kyupinの日記 気が向けば更新

広汎性発達障害の強迫性とSSRIについて

アスペルガーなどの広汎性発達障害の人たちの強迫性だが、いったい他の医師はどのように治療しているんだろうか?と思う。

強迫といえば、SSRIと思いがちだが、SSRIは合わないことも多いですしねぇ・・特に薬に弱い広汎性発達障害の人は。

広汎性発達障害の人たちへSSRIだが、今はほとんど処方していない。特に初診の人たちにはそうだ。ただ、転院してくる人たちはSSRIはよく処方されている。まあ定番ですし。

過去に彼らにSSRIを使ってみた時期もあった。しかし最初にいきなり脱落するか、時間が経ち、やはりこれは・・と思うようになり中止していることが多い。よく調べれば、まだ服用している人もいるかもしれない。

SSRIが既に処方されているような人で、この人には合わないと思ったら、少し無理をするがなんとか中止してみる。長く服薬している場合、凄い離脱が出ることもしばしばなので、事故が起こらないように入院させ治療することもある。そうして離脱を乗り越える。

SSRIを中止して良くなる症状
①焦燥感や衝動が減少する。
②慢性的な厭世観が減少する。
③希死念慮が緩和する。(重要)
④リストカットがなくなる(重要)


他に、ずっとテンションが奇妙に高かったのが下がることがある(テンションは高いけど情緒不安定な状態)。こういうケースでは、SSRIが気分を人工的に、まだらにアップしていたことがわかる。

広汎性発達障害の人たちは、SSRIを中止すると少しテンションが下がり不活発になることが多い。しかし焦燥感や衝動が減少するか、問題にならないほどになるのでメリットの方が大きい。リストカットが消失するのは偉大だ。

SSRIを中止するのは大波乱になりかねないので、大変な仕事である。中止の際に平行して他の薬を上手く扱えないと本人が相当に苦しむ。最初の時点で早めに中止しておけばここまで苦労はしないのに・・と思う。

たまに、この人はデプロメールでも使わないと難しいと思われることもある。そういう人で、やはりSSRIが100%良くないかと言うと、たまには良い人もいる。(つまり良い人は少ない)

一見、良くなりテンションが高くなったとしても、会社に復帰してみたら全然ダメという場合もある。結局、情緒が不安定になっただけで、本質的に改善していない。つまり実用になっていないといったところだ。

広汎性発達障害の人の強迫性は何もしなくても良いというほどではないけど、カタプレスやルーランの少量で良くなれば良しと言った感じ。ちょっと無理な人はアナフラニールなどを併用することもある。

ひょっとしたら、お年寄りの広汎性発達障害の人へのSSRIは、まだ良い可能性があるのかもしれないと思う。これは老人にはまだSSRIが使いやすいという一般的な感覚から来る。

だいたい広汎性発達障害の強迫性というけど、強迫神経症ではないし。

こだわりは強いけど、あれって古典的な強迫神経症のそれとは少し違うと思うんだけど、どうなんだろう?

参考
狩猟民族と農耕民族