デプロメールとレスキューレメディ&PMS | kyupinの日記 気が向けば更新

デプロメールとレスキューレメディ&PMS

僕より少し年下くらいの婦人。よくわからない理由でパニックが出るようになった。その後、よくわからない理由でうつ状態にもなったという。

パニックの原因って何なのでしょうねぇ?

僕の脳内では、「パニック障害」は限りなく精神疾患の中に入っていない。ちょっと日本語が変。パニック障害は、平凡に薬物療法をしていれば良くなることが圧倒的に多くて、これで長いこと悩んでいる人って全然いないでしょ。

時々思うのだけど、今日的な意味でのパニックって500年前にはあったのだろうか?

あったとしてもすごく頻度的には低かったはずで、パニックはおそらく現代的な疾患なのだと思う。こういうのも見ても、本来、病気ではないかもしれないのがわかる。それに対し、統合失調症、躁うつ病、てんかんは、おそらく5000年前にも存在していたはずだ。

彼女の場合、「出来る限り副作用が少ない方法」を特に希望されたため、最初はすんなりとはいかなかった。「出来る限り副作用が少ない」治療は、ソラナックスなどのベンゾジアゼピンくらいしか西洋医学的にはない。最初はソラナックスでけっこう良かったのだが、次第に容量オーバーと言う感じでSSRIを処方せざるを得なくなった。つまり、ベンゾジアゼピンでは片付かない程度のパニック障害だったのである。

ところが、パキシルを処方したら、これが大失敗で気分は悪くなるは、うつにもなるはで続けられない。その後、ジェイゾロフトも試みたが、どれも合わずSSRIでパニックを治療することは難しいように思われた。うつ状態も、より顕在化してきたので当初はオーソドックスな3環系を処方したが、最初に「副作用が少ない方法」をオーダーしていた通り、彼女はすごく薬に弱いことがわかってきたのである。

そこで、思い切ってアンプリットに変更した。アンプリットは当初は50mgくらいでまあまあの効果が見られた。副作用も少し倦怠感が出る程度だったし、これ以上の副作用がないので、しばらく様子を見ていた。ところが長く続けているうちに、どうしてもたまにパニックが出て生活に支障を来たすという。ベンゾジアゼピンが手放せない。

僕は、少しだけセロトニンを増やさないと話にならないと思い始めた。アンプリットは、彼女には少し足りない薬物なのは間違いなかった。そうしてデプロメールを25mgから50mgまで漸増してみた。アンプリットは半分(25mg)に減量し、レスキューレメディを併用することにしたのである。

レスキューレメディの併用の理由だが、漠然と彼女には良いように思われたこと。また副作用が少ないという条件を満たしているのもある。レスキューレメディの目的は2つあった。1つがパニックを防ぐこと。もう1つが、デプロメールの副作用や不快感を緩和することである。そうして、しばらく休養をとるように伝え経過をみたのであった。

レスキューレメディはこのブログでは時々出てくる。「アナフラニール、トリプタノール、ノリトレン」から再掲。

たまにトリプタノールを減量していると不安感が以前より出てきて、情緒的に不安定になる人がいる。病院に電話をかけて来て泣かれることがある。最近、トリプタノール125mgから75mgに減量したところ、そんな状態になって電話をしてきた女性がいた。薬を戻すか迷ったが、レスキューレメディを不安時に使うように指示して、そのまま様子をみていたら落ち着いてきた。今は75mgでも大丈夫だ。

<レスキューレメディ>
レスキューレメディは5種類のバッチフラワーレメディ(花療法)がブレンドされている。「スターオブベツレヘム」「チェリープラム」「ロックローズ」「インパチェンス」「クレマチス」。これら個々のバッチフラワーにはそれぞれ花言葉?のようなものがある。

29スターオブベツレヘム
「逃避」のバッチフラワーの1つ。現実があまりにも辛く思え人生の重荷に耐えられない。花言葉?は「感傷的、傷つきやすい」

6チェリープラム
「激情」のバッチフラワーの1つ。自分に向かう激しい感情、衝動的に自分や他人を傷つけたくなってしまう。花言葉は「ヒステリック、虐待、暴力的狂暴」

26ロックローズ 
「恐れ・悩み」のバッチフラワーの1つ。突然訳も分らずパニック状態におちいる。花言葉は「パニック、臆病、動揺」

18インパチェンス
「わがまま」のバッチフラワー1つ。他人に干渉されずに自分のペースで行動したい。花言葉は「マイペース、干渉されたくない」

9クレマチス
「逃避」のバッチフラワーの1つ。夢みるように楽しい空想の世界をさまよっていたい。花言葉は「夢心地・物思い」


そうこうしているうちに、思いもよらぬレベルで精神状態が回復してきた。彼女によれば、なぜかPMSもほとんど苦痛を感じぬほど良くなったという。

PMSとは、「月経前緊張症」とか「月経前症候群」などと呼ばれている。英語では、Premenstrual Syndromeと書かれるので、直訳では「月経前症候群」であろうが、前者の「月経前緊張症」の方がイメージをより正確に表している。この疾患?はさまざまな身体症状(腰痛、浮腫、頭痛など)や精神症状(抑うつ気分、緊張、怒りっぽい、倦怠感など)が月経前に出現し、月経の始まりとともに自然に軽快するものをいう。

PMSはホルモンバランスの変化など身体的なものを背景にしているので、広い意味の症状性精神疾患のカテゴリー入る。精神症状が出てくるのは月経前に脳内のセロトニンが不足気味になるからと言われている。だから、SSRI(パキシル、ジェイゾロフト、デプロメール)で症状が緩和することがある。SSRI以外にピルなどのホルモン製剤も症状を緩和するが、太るのであまり患者さんには歓迎されない。自然の生体リズムを崩しているのも良くないように見える。

その他の治療法として漢方薬などの生薬系のものもあるが、定番はデパスやソラナックスのように何がしか気分を改善する抗不安薬とSSRI、ホルモン製剤である。

僕は彼女に限っては、レスキューレメディがPMSに効いていたと思っている。その根拠だが、パキシルやジェイゾロフト単独で処方していた時はPMSは全然良くなっていなかったから。

もともと、バッチフラワー的にはPMSのターゲットは「緊張の持続」と「痛みの長年のトラウマ」なのであろう。だから、PMSに可能性のあるバッチフラワーは、「ミムラス」「ロックローズ」「マスタード」くらいが挙げられる。これらのうちどれか1つをレスキューレメディと一緒に服用していると、緊張がほぐれて症状が緩和する。

「ミラムス」は対象がはっきりしているものに対する不安や恐れを癒すレメディである。また「ロックローズ」は、パニックのバッチフラワーで、強いショックを受けたときなどに効果がある。「マスタード」は憂鬱の気持ちを癒す。

また、「スターオブベツレヘム」は長年の痛みのトラウマに有効なので、これらのどれかの組み合わせが良い。「スターオブベツレヘム」は過去の心の傷を癒すバッチフラワーなのである。この4つをよく見ると、「ロックローズ」と「スターオブベツレヘム」の2つはレスキューレメディに含まれているのがわかる。

彼女は素晴らしい治り栄えで、病院に来る前というより、本来の自分以上に良くなったのである。今は職場にも復帰している。

参考
デプロメール
パキシル
バッチフラワーレメディ
子供の頃から希死念慮が続いている人