ジブリの監督くらいになると、さすがに裏社会も簡単には手を出せない。姑息な手口で妨害をしたりはするだろうが、大衆の支持のある人物は発言を封じるのは容易ではない。
高畑さん、今後も意気軒昂で。言うべきことをガンガン言ってください。
ただし、あまり安倍を買いかぶらないで頂けるとよいかと。安倍なんぞは、中にマイケル・グリーンが入っているのですから。安倍はただの着ぐるみです。
(部分引用)
以上の一文は、2006年ごろ、ねりま九条の会で話したものです。以来7年近く経ちました。
その間に、最右翼の安倍晋三が教育基本法の改悪(と私は思います)をやり、国民投票法で改憲のための外堀を埋めたところで政権を投げ出したかと思えば、民主党鳩山政権が普天間基地移転問題に失敗して、自民党長期政権のあいだにいかに対米従属が抜き差しならぬものになっているのかを明らかにしてしまいました。海外派兵や武器輸出も進みました。
未曾有の東日本大震災での福島第一原発過酷事故への対応とその報道の非道さは、あの六十六年前の敗戦への泥沼で、一切の責任を取ることのなかった参謀本部と大本営発表をそのまま思い出さずにはいられないほどでした。
〝ずるずる〞がまた起きたのです。そして衆院選挙での自民党の圧勝があり、なんと、安倍晋三が首相に返り咲いたのには驚きました。
この人は大日本帝国の近隣諸国への侵略を〝侵略〞と認めないことひとつをとっても、中国や韓国との友好平和をうまく前進させることのできない危険な人物だと思います。
今回、その安倍晋三が持ち出した憲法第96条改定は、さすがに自民党の古参議員たちや改憲派の学者などからも反対の声が上がり、いまはなんとなく静かですが、まったく国民をなめるにもほどがあると思わずにはいられません。
ご存知のとおり、憲法は政権が変わった程度でころころ変えてはならないものだからこそ、第96条で、両院の三分の二の賛成がなければ発議できない、と決めてあるのです。
しかし改憲はこの人にとっての〝悲願〞です。
一言で言えば、戦前のように〝国民を国家に従わせやすくする〞ために、憲法を変えたくてたまらないのです。
九条だけじゃない。
それは昨年自民党が提出した改憲案を読めばわかります。
憲法は国民が権力に勝手なことをさせないための基準を決めるもの、というのが近代立憲主義ですが、この人や自民党は、国の方が国民にこうあれ、と憲法で言いたいらしい。
けれども、衆参両院の三分の二以上がとれることなどざらにあるわけじゃありません。改憲はしたくても、三分の二の壁に阻まれる。
ところが、です。民主党の失政と小選挙区制のおかげで、衆院自民党に大量議席が転がり込んできた。経済問題でのばくちのおかげで安倍政権に対する期待値がやたら高い。
ボロが出ず期待されているうちに参院選挙をおこなえば圧勝出来る可能性がある。この機会に改憲ができればいいが、個々の条文の審議などやっているうちに、あっという間に時間が経ち、いつ安倍人気がしぼむかわからない。
そこで思いついたのが一網打尽方式。
いま、この、三分の二の勢力を使って、改憲条件の三分の二を半分にしてしまえば、あら不思議、あとはいつでも過半数で自在に条文をいじれるではないか。こいつは名案だ。いつやるか、今でしょ!
この人はどうやら悪知恵のまわり方が半端じゃないようです。日本の改憲は他国に比べてハードルが高すぎるのだ、と平気で大嘘をつく。たとえばアメリカ合衆国はもっとずっと大変なのに。
もし、自民党得意の土建ばらまき成長戦略などに期待して、参院選で自民党を圧勝させてしまったら、この人は勢いに乗ります。自民党やその周辺政党が勢いのある人にくっつくのは小泉人気のときに見たとおりです。
すると、この人は必ず96条改定を持ち出します。なにしろすごい〝名案〞なのですから。
いったい、こんな人に、わたしたちはなめられていいのでしょうか。
(アニメーション映画監督 たかはた・いさお)
宮崎駿監督の作品は、日本だけでなく米国など海外でも高い高い評価を受けている。今話題のアニメ映画「風たちぬ」は大ヒット中であり、ディズニーも制作にからんでいるゆえ世界中で放映される筈。
ゼロ戦生みの親、三菱の堀越二郎技師の幼少期から開戦直前の新鋭試作戦闘機(9式単座戦闘機)設計までのストーリー。
子供のころから飛行機にあこがれ、視力が弱いことから航空機設計者をめざし、東京帝国大学航空学科を首席で卒業し名古屋の三菱に入社する。
この映画、私RKも先ほど見に行ってきた。技術提携先のドイツのユンカース社に派遣されて、ユンカース博士と邂逅する場面。そっと帽子を取り会釈する堀越たち。つねに夢に出てくるイタリアの航空機設計家、カプローニ伯爵。堀越は人殺しの道具である飛行機を作りたかったのではない。ただただ、美しいものを作りたかったのだ。
外国でも「ゼロ戦」はだれでも知っている名機である。そのゼロを作った中心人物の堀越は、ひたむきで真摯で誠実な「戦前の日本人」の代表格である。古き良き時代の日本人である。この男に宮崎駿は惚れた。私RKも静かなる中に熱意を滾らせる戦前戦中の日本人が好きである。
宮崎駿と周辺の人物が正論を吐いている。国民の人気と関心が集中する宮崎氏が、今後も、国民に真実を発しし続けることを期待する。
「改憲 もってのほか」 宮崎駿監督 いま声を大に
2013年7月19日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013071902000113.html
反響に喜ぶ編集長の額田久徳さん。
「ジブリ」はイタリア語で「熱風」を意味する=東京都小金井市で「憲法を変えるなどもってのほか」。
スタジオジブリ(東京都小金井市)が、毎月発行している無料の小冊子「熱風」の最新号で「憲法改正」を特集し、宮崎駿監督(72)が寄せた記事が話題を呼んでいる。
全国の書店では品切れが続出。ジブリ出版部は反響の大きさから、「参院選の投票日(二十一日)前に読んでほしい」と十八日、急きょジブリ公式ページで公開を始めた。 (樋口薫) 熱風は「スタジオジブリの好奇心」が副題で、毎月趣向を凝らした特集を組む。
過去には「デモ」「グローバル企業とタックスヘイブン(租税回避地)」など、社会的なテーマも扱ってきた。
編集長の額田久徳さん(50)によると、今回の特集を発案したのはプロデューサーの鈴木敏夫さん(64)。意見の分かれるテーマだけにためらいもあったが、参院選を前に「ジブリとしての旗色を鮮明にしよう」と腹を決めた。
執筆もジブリの重鎮に依頼。宮崎監督に加え、高畑勲監督(77)が「60年の平和の大きさ」と題して寄稿。本紙に五月、掲載された鈴木さんのインタビューも、「9条世界に伝えよう」として収録された。
いずれも憲法九条や改憲手続きを定めた九六条の改憲に反対する内容だ。
宮崎監督は談話形式の記事で「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです」と明言。また、日本の戦争責任や産業構造の問題点などについても率直に語っている。
十日から全国の書店で配布した約五千部はあっという間になくなった。出版部にも「読みたい」と電話が殺到するなど、過去最高の反響という。「憲法を守るための最大の敵は国民の無関心。興味を持ってもらえたのがうれしい」と額田さん。
二十日に公開される宮崎監督の最新作「風立ちぬ」は、ゼロ戦の設計士が主人公で、戦前が舞台。戦争の直接的な描写はないが、平和について考えさせられる内容も含んでいる。「たくさん考えて投票に臨んでほしい」。それがジブリの願いだ。
<スタジオジブリ> 宮崎駿、高畑勲両監督のアニメスタジオとして1985年設立。「天空の城ラピュタ」以降、「となりのトトロ」「もののけ姫」など、宮崎監督の全アニメ作品を製作。2001年公開の「千と千尋の神隠し」が米国でアカデミー長編アニメ賞を受賞するなど、作品は国内外で高い評価を受けている。

