高校生になっても父親と一緒に風呂に入ることになっていた。
親はオムツを替えたのだから、
娘は裸を恥ずかしがってはならない
とのモットーで、親は恥ずかしがる私をしかり続けた。
それは赤ん坊で恥の感覚がなかったからであって、
いつまでも心が赤ん坊のままであるはずもないのに。
親としては、私をいつまでもこどものままにしたかったのだと
思う。
でも、家では赤ちゃんのようであれ、というのに同時に
外ではバリバリのキャリアウーマンとして働けというのは、
すごく無理があると思うのだが…。
親が要求していたことは、
今流行りのツンデレってやつだろうか…?
20歳越えてからは、さすがに親との風呂は拒否していたが、
父の背中を流す
&
父に背中を流させる
ことは、半ば義務と化していた。
これも小学生であれば微笑ましい家内行事だと思うけれど、
もう25も過ぎた娘なのに、である。
真っ向から父親がイヤだ!というと家が荒れるので、
私はおずおずと
「父の方が背中が広いし、流すのたいへんだから
この習慣を無しにしたい」
と申し出たことがあった。
恥ずかしいからイヤ!では
「オムツを替えてやったのに、なんだ!」
と怒鳴られて終わりなので、なんでも損得勘定で動く親に
わかりやすい理由を示してみたのである。
すると父は、むっつりと黙り込んでしまった。
これが父の抵抗。
気に入らないことがあると、しかめっつらで何時間も黙り込み、
家の雰囲気を悪化させる。
私は別にいくらでもふてくされていろ、と思うのだが母が弱い。
「Jちゃん!パパが傷付いちゃったじゃないの!
謝りなさい!!」
私を叱る母…。
なんとも奇妙奇天烈な家族である…。
親に従順であろうにも、母親は毎日気分で180°違うことを言うので
従うことすら不可能。
精神科の講義で、
schizophrenogenic mother…
しょっちゅう一貫しないことを言っては子供を混乱させる母
(ほんとうにこういう母がschizophrenogenicであるかどうかは、
異論があるようだ)という概念が出て来た時、
これってうちの親のことじゃん。
と思った私であった。
私の両親は、外ではニコニコしていて家の中では
イライラして目がつりあがるという人間であった。
叔母に我が家の異常性をかいつまんで話したが、
たとえ本当のことであっても、
家という密室で起きたことである。
その上、ハダカ礼賛の奇妙な家だ。
果たしてどれだけ叔母に信じてもらえたか、どうか。
両親の外面がいいだけに、話せば話すほど、
私がおかしいと思われていく罠。
叔母は、私をつきはなしはしなかった。
でも、味方もしなかったのである。
(つづく)
親はオムツを替えたのだから、
娘は裸を恥ずかしがってはならない
とのモットーで、親は恥ずかしがる私をしかり続けた。
それは赤ん坊で恥の感覚がなかったからであって、
いつまでも心が赤ん坊のままであるはずもないのに。
親としては、私をいつまでもこどものままにしたかったのだと
思う。
でも、家では赤ちゃんのようであれ、というのに同時に
外ではバリバリのキャリアウーマンとして働けというのは、
すごく無理があると思うのだが…。
親が要求していたことは、
今流行りのツンデレってやつだろうか…?
20歳越えてからは、さすがに親との風呂は拒否していたが、
父の背中を流す
&
父に背中を流させる
ことは、半ば義務と化していた。
これも小学生であれば微笑ましい家内行事だと思うけれど、
もう25も過ぎた娘なのに、である。
真っ向から父親がイヤだ!というと家が荒れるので、
私はおずおずと
「父の方が背中が広いし、流すのたいへんだから
この習慣を無しにしたい」
と申し出たことがあった。
恥ずかしいからイヤ!では
「オムツを替えてやったのに、なんだ!」
と怒鳴られて終わりなので、なんでも損得勘定で動く親に
わかりやすい理由を示してみたのである。
すると父は、むっつりと黙り込んでしまった。
これが父の抵抗。
気に入らないことがあると、しかめっつらで何時間も黙り込み、
家の雰囲気を悪化させる。
私は別にいくらでもふてくされていろ、と思うのだが母が弱い。
「Jちゃん!パパが傷付いちゃったじゃないの!
謝りなさい!!」
私を叱る母…。
なんとも奇妙奇天烈な家族である…。
親に従順であろうにも、母親は毎日気分で180°違うことを言うので
従うことすら不可能。
精神科の講義で、
schizophrenogenic mother…
しょっちゅう一貫しないことを言っては子供を混乱させる母
(ほんとうにこういう母がschizophrenogenicであるかどうかは、
異論があるようだ)という概念が出て来た時、
これってうちの親のことじゃん。
と思った私であった。
私の両親は、外ではニコニコしていて家の中では
イライラして目がつりあがるという人間であった。
叔母に我が家の異常性をかいつまんで話したが、
たとえ本当のことであっても、
家という密室で起きたことである。
その上、ハダカ礼賛の奇妙な家だ。
果たしてどれだけ叔母に信じてもらえたか、どうか。
両親の外面がいいだけに、話せば話すほど、
私がおかしいと思われていく罠。
叔母は、私をつきはなしはしなかった。
でも、味方もしなかったのである。
(つづく)