
第二十五章 遥かなる未来
古い宗教はすべてなくなる
魂のない肉体はもはや生け費にされない
死の日に再生へと導かれる。
神の霊は魂を喜ばせながら、
言葉の永遠を見る。
(第二巻十三番)
ノストラダムス-
これは遥かな未来における1組の状況について述べた詩だ。
二十世紀はそこへ向かって進みつつあり'見えてはきたがまだ道のりは遠い。
その一つは医医療における大進歩だ。
あなたの時代におこなわれる臨床的に死亡している人間を手術室で外科医が蘇生させる方法は、その小さな第一歩だ。
現在医者はそのような人々をあと数年生きられるところまで回復させてきた。
医学は発達しつづけ、人間は永遠にでも生きられるようになる。
というのは,肉体の構造があまりすばらしすぎてそうすぐには死ななくなるためだ。
だがわたしが予見している時代には,すでに死んだ人間を、その肉体が腐敗しはじめる前に魂をもう一度吹き込む、あるいは古い体に似せた新しい体を作って魂を戻す、という驚くべき手段のどちらかを用いて蘇生させることが可能なのだ。
この科学技術に関しては驚くべきことをたくさん見た。
この技術の開発以前に,あらゆる科学の学理的面をくつがえす大革新が生じ、人間はついに神に触れるのだ。
生命の力を通して万物勧関連づけている宇宙の霊的核心がついに発見される。
この中心的な源がすなわち「神の霊」なのだ。
「神の霊」が発見されれば、万物に浸透しているこの生命の霊を用いて肉体の中へ声明を再び吹き込むことが可能になるのだ。
わたし-それはずいぶん遠い未来のことでしょうね。
ノストラダムス-そうだ。
あなたの時代ならば、わたしの時代とくらべて,平均的人間にもはるかに容易に想像がつくだろう。
この生命の力の発見によってあらゆるものが革新的変化を遂げるため、世界が復活すると言ってもいいくらいだ。
不可能だとみなされていたことが可能になり、驚異的事態が数多く起こるだろう。
平和と戦争と飢産と洪水ののちに、
周囲七スタディオソの大いなる山。
それは遠方まで広がり、
大いなる諸国の古代遺物や巨大な礎をも水没させる。
(第一巻六十九番)
ノストラダムス-この詩には比喩と象徴的表現が多用されている。
ここで言う「山」とは,新哲学の発達のことだ。
この山とこの哲学には、一見単純そうながらじつはごく深遠な基礎的概念が七つある。
「周囲七スタディオン」は、この哲学の基本七原則を象徴しており、他の進歩的思考はすべてこの原則から育まれるのだ。
人々がこの新しい哲学を受容するには準備が必要だ。
平和な期間が続いたあとは、人々は何でも簡単に事が運ぶために欄情におちいり、物事のもっと高度な面を気にもかけなくなる。
だが、戦争や飢健などの辛苦の時代を経たあとであれば 目の前の現実よりももっとよいことがあるにちがいないとより高次元のことに心を向けるようになるからこの哲学を受け入れる用意ができるのだ。
現在の哲学は処理する必要のある矛盾を内包しているが、新しい哲学には矛盾がない。
この新思考方法は地球全体に広まり、人々はそれが受容可能なものであると知る。
その結果として、既存の古い宗教は瓦解してしまう。
やがては社会学的な影響も現われるため、宗教的・社会的原則に基づいている国家の法律にも影響が及んでいくだろう.
この哲学の根源は水瓶座の時代の思考形態に発しているのだ。
わたし-この詩は 「水没させる」とあるので、大洪水を述べたものだと考えられてきました。宗教や哲学などの分野をうたった四行詩は何度もでてきましたね。
ノストラダムス-宗教と哲学の発達状況は人類全般に影響を及ぼすから、未来の予見のなかに必ずはっきりと現われてくるのだ。
それは、人生と世界においてごく重要な部分だからね。
アトランティス伝説の謎
ヨーロッパから無目的の軍隊が出発し、
水没した島の付近で合流するo NATOの艦隊は軍旗をたたみ
より大いなる声のかわりに'世界の海軍。
(第二巻二十二番)
わたし-このNATOは、フランス語の原文の「ARTON」をアナグラムと考えて、注釈者たちが割り出したものです。
ノストラダムス-この詩は例のとおり数件の事件を組み合わせたものだ。
20世紀末の悲惨な事件を過ぎた未来において、諸国間に現在存在している組織や同盟が、とくに西洋諸国において廃棄され、新たな同盟が結ばれる。
旧同盟が廃棄されて新同盟が締結途上にあるあいだ、旧同盟の支配下で平和維持活動をしていた人々が、いわば仕事がなくてぶらぶらしているのだ。
現在、秘密海軍基地というか情報基地が、すでに海底のアメリカの大陸棚に建設されている。
参謀長たちがそこに集まり、新同盟発足に関してとるべき行動を決定する。
海底に情報基地を設けようという発想はアトランティスの伝説に由来している。
ついでだが、水没した島についてのくだりを入れたのは、いつか未来においてアトランティス伝説のもとになったこの大文明の水没遺跡が発見されることを暗示するためでもあるのだ。
わたし-やっぱり、思ったとおりです。
ノストラダムス-ARTONをNATOと解釈したのは本質的には当たっている。
この事件が起きるころには、これらの諸国が険悪な戦争状態を経験した反応または結果としてNATOは発展的解消を経て類似の組織になっており、別の名称で呼ばれているのだ。
「より大いなる声のかわりに、世界の海軍」 は、この事態が起きるき、軍の科学者 - といっても、戦争技術を研究するのではなく軍のために研究をおこなう科学者が新しい力を発見するという意味だ。
磁力、重力などに類するこの新しい力は、宇宙の性質に関する東洋哲学のいくつかに裏づけとなる証拠を与えることになる。
実際は発見ではなく、認識なのだ。
この力が実存する形跡はつねにわれわれの眼前にあったのだが、その事実は誤解され、誤って関連づけられてきてしまったのだ。
わたし-アトランティスの遺跡の発見についてもっと教えてもらえませんか?
ノストラダムス-アトランティスが存在していたのはたしかだが、一般に推測されるような柱のある寺院をもつ一種のギリシャ文明とはまったく異なる文明だったのだ。
アトランティスに関して科学者が気づかねばならないのは、彼らが二十世紀が金属を用いるように石を用いていたことだ。
石を粘土のように可嘘一性にしてから再び固める加工法をもっていたのだ。
金属のなかを流れる電気のように石のなか葡判れる力とエネルギーをつかっていたのだ。
つまり、まったく異なる世界観に基づいた文明だった。
だから考古学者が発見しても、それが何なのかを理解するのは困難だ。
わたし-その遺跡はどこにあるのでしょうか?
ノストラダムス-アトランティス文明は世界じゅうに伝播していたから、遺跡も世界各地にある。
これまでにも多少の証拠物は発見されているが、科学者にはその事実から明確な結論が出せないでいる。
アトランティス文明の主要都市遺跡はアメリカ東海岸の大陸棚に1つ、さらに現在の日本海に一つ、南極大陸の氷山の下にも一つある。
遺跡物は中央および南アメリカほか、さまざまな場所に残っている。
すでに発見されたものもまだ発見されていないものもある。
世界の巨石建造物のいくつか'ことに数学的巌密さが見られるイギリスの巨石遺構などはこの文明にも関連しているのだ。
この驚異的な文明の遺跡が科学者によって突きとめられ、発見されはじめれば、先史時代の概念は大きく書き直されるだろう。
わたし-どこか大西洋の真ん中の沈んだ島にあったのではないかと、わたしたちは考えているのですが。
ノストラダムス...一時期もたんに海水の水位の関係で遺跡の一部がある島の上にあったが、現在は水位が相当上昇して島をおおったためにも大陸棚の一部となっている。
だが、それはアトランティス文明の中心でも、文明が存在した唯一の場所でもない。
ほかにもさまざまな場所があり、一つの文明として相互に通信し合っていたのだ。
わたし-アトラソティスは突然の大災害で減びたと開いていますが?
ノストラダムス-原因はわたしにもよくわからない。
推測だが、わたしの考えではこうだ。
当時の人叛はひじょうに進歩していたのだ。
彼らは自分たちが育んできた方向で進歩していた。
だが、現代文明のようなすばらしい磯械があったわけではない。
別の方向で進歩していたからだ。人間たちは物事を達成するのに、手先の器用さでなく心理的な超能力吋依存していた。
したがって、文明の様相は全面的に異なり、このように使ううちに彼らの超能力はきわめてありふれたものになった。
やがてこの文明が開花しその最高潮に達したとき - それが起きた。
それがたんなる自然現象だったとすれば、おそらく-小惑星の星団のようなものが地球と太陽系を通過していったのだろう。
もしそれが事故でなく意図的なものだったとすれば、何らかの宇宙文明がその小惑星を地球めがけて凝集させたのだろう。
無数の巨大な岩石塊群が大気圏に突入し、地表に激突したため'気候がめちゃくちゃに変化する。
いくつかの都市にも相当数が落下し、都市は痕跡も留埼ぬまでに破壊されてしまった。
そのため人類は、かつての文明をすベて喪失し、再びその日暮らしからやり直さわはならなかったのだ。
地球に激突したこれらの巨大な岩石片の一部は今も見ることができる。
また、その円形の落下の跡も残っているから、腕のたしかな制作者が作った精密な地図を見れば、簡単にわかる。
おおむね円形をしたある程度の大きさの湾があることに気づくはずだ。
日本海も カリブ海、メキシコ湾をはじめ世界各地の円形状の湾は、巨大な岩石が落下した跡に、生存者を1人残らず呑み込みながら海水が浸入した場所を示しているのだ。
わたし-おもしろい説ですね。
わたしたちの時代には、ア-ランティス文明の滅亡の原因は、彼らが所有していた神秘的な力を悪用したからだとも言われています。
ノストラダムス-悪用したのではない。
神秘的な力をもっていたのはたしかだが、彼らがあまりにその力で進歩したためにはかの誰かにとって脅威になったのだ。
戦争が起きるというのでなく、たんに進歩しているというだけの理由で。
いずれその秘密は解明されるが、もう少し先のことだろう。
不可解なものこそ人類の注意をもっとも長く引きつける。
その二つの実例がアトランティスとわたしだ。
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