名前(1) | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

ふだん何気なく呼んでいる名前。

今回はその名前にまつわる、愛のお話です。


・・・・・

高校1年生の担任になった五井先生は、

入学式が終わった後、

教室で名簿順に名字を読み上げます。


そのとき、一人ひとりの良いところを見つけ、

温かなメッセージを添えていきました。


しかし、山田太郎という生徒の順番が来たときは、

いきなり、「太郎!」と呼び捨てに。


教室にざわめきが起こります。

もちろん、一番驚いたのは彼自身です。


(何だ!? 

みんなは名字で呼ばれていたのに、

なんでオレだけ呼び捨てなんだ?)


そんな空気を気にかけることもなく、

五井先生はさらに声を張り上げます。


「名前を呼ばれたら返事をして! 

いないのかっ、太郎!」


皆の視線がいっせいに集まる中、

彼は手を挙げ、返事をしました。


「そうか、君が太郎か・・・。

太郎っ、ガンバレよ!」


結局、五井先生は4回も「太郎」と呼び捨てに。


(なんだよ、びっくりさせるなよ。ムカツクなあ。

内申書に「非行の傾向」ありとでも、書いてあったのかなぁ・・・)


彼は、理由も分からず、

何となく軽蔑されたような感じがして、

面白くないまま、入学式の日を終えました。


それにしても、なぜ太郎だけ呼び捨てなのでしょう?


つづく


出典:『本気で生きよう! なにかが変わる』(丸山浩路、大和書房、pp.12-14)


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