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 「ドリフターズ」と言えば今期のアニメ、、ではなくて「8時だョ!全員集合」。自分はそんな世代です。ババンバ、バンバンバン!ハー、ビバノノ。そんなゆるい感じでどうぞ。
 大好きなサイト竹箆の「雑記」(私から見たら作品なんだけど)に出てくる話が四人でお風呂に入りそうな感じで。そのまま余韻を楽しめば良いのにあれこれと妄想してしまって。
 外伝一行が下界の銭湯にやってくる話です。最湯記はあまりわからないし、普段銭湯に行かないので、イメージは今年の夏アニメ「地球防衛部」のお風呂屋さん。みんなで入浴してグダグダしてたら、一人がのぼせてぶったおれた。あんな感じです。
 天蓬元帥なら銭湯のペンキ絵の富士山にも言及してくれそうなのですが、その前に私が、のぼせてしまいました。とさ。
 
10/29 捲簾が悟空の髪を洗うシーンを追加しました。
10/30 築城ゆずるさまが、外伝一行で銭湯に行く絵を描いてくださいました。
感謝してリンクさせていただきます。良ければご覧ください。
 
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「すぐに着替えとタオルを持って僕の部屋に集合して下さい。取って置きのお風呂屋さんに連れてってあげますよ。」
と天界の樹の下で天蓬が言った。
「イェッサー!元帥!」
と大声で大将が返事をする。
「お前らも急げよ」
その声にハッとして金蝉たちも部屋に戻り、悟空に「はやくはやく」とせかされながらバタバタと支度して元帥室にやって来ると既に軍人コンビは待ちかまえていた。
「じゃあ、みんな、行きますよ!」
天蓬元帥は笑って、、、、それから、どこをどうしたのか、いつの間にか、見たこともない街並みに四人はやって来た。
 
「はい、ここが銭湯です。」
目の前には大きく「ゆ」と書かれている布が垂れてる。入り口が二つ。
「戦闘だと?」
と金蝉。
「俺たちは軍人じゃな、、」
「天ちゃん、バトル?」
と悟空。
軍人の口から「せんとう」と言えば、勘違いも仕方ない。
「いやいや。バトルじゃありませんよ。お風呂屋さんです。とにかく入りましょう。男湯はこっちですね。」
「あっちは?」
「あっちは女湯です。捲簾、ここでは暴れん坊将軍しないで。みんな、僕について来て下さい。」
番台には緑の目の綺麗な男が座っていた。
「大人三人子供一人です。」
と天蓬は料金を支払う。
 
「それでは、ボックスに靴を入れて、木札を取ってください。それで鍵が掛かりますから。」
「へー。この木の板が鍵?面白いなあ。」
「でしょう。松竹錠って言うんです。服は脱いだら、一人ずつその籠に入れてね。そしたら他の人と間違えないでしょう。」
植物の蔓で編まれたような籠が脱衣所にはあった。
悟空は、恥ずかしげもなく、サッサと服を脱いだ。

「悟空、脱ぎながら、このカゴに入れるといいですよ。」

と天蓬は籠を悟空のそばにおいてあげた。

捲簾は

「そうそう。んで、脱いだら裏返ってるのをひっくり返して畳むと次に着るときに楽だぞ。」

「んー」

と悟空はブンブンと脱いだ服を振り回して

「やっぱ畳めない。金蝉、やって。」

「なんで俺が」

と金蝉はブツブツ言いながらも悟空が脱ぐわきから衣類をたたんでやっている。

その間に、軍人コンビはさっさと服を脱いでしまった。

悟空が先に駆け出していき、捲簾がそれを追いかけ、天蓬が後に続く。

子供の世話に追われて自分の服を脱ぐのが後回しになった金蝉が見たのは、ちょうど、風呂場に入っていく天蓬の後ろ姿だった。

ドキリとした。 天蓬の裸体を見たのは初めてだった。 鍛えられて引き締まって、しかも筋肉が綺麗についている。

かえりみるに、筋肉などどこにもないおのれの体が貧弱なものに思えた。彼我の差に金蝉はたまらなくなった。

タオルを握りしめ、風呂場の入り口に立ち止まった。

「わー。広い!泳げそう。」
と走り出そうとする子供の声。
「ちょっと待った。悟空。まずは、かけ湯をするんだっ。」
と捲簾。
「かけ湯?」
「汚ねえ体のまま入っちゃいけないんだ。な、天蓬。」
「そこで、僕にふりますか。」
仕方ない。入ってきた保護者に大将は、
「今日は俺がこいつの世話をしてやるよ。
あんたは、自分の体を洗えよ。毎日、追っかけててくたびれてんだろ。」
と、言って、
「来いよ。悟空。」
と蛇口の前に連れて行って、体や頭を洗ってやっている。その手際の良さに金蝉は目を丸くした。
自分も、体を流して入ろうとすると、
「ああ、金蝉、髪の毛はまとめて上にあげないと。タオルもお湯に入れちゃだめですよ。銭湯は他の人も入るんですから。」
と元帥が注意する。
風呂の中から悟空を見ると、悟空は捲簾に髪を洗ってもらっていた。
 
 
「さて、良くあったまりましょう。悟空、ここでは泳がないで。」
「おまえ、あひるのおもちゃを持ってこなかったの?」
と捲簾。あれは落ち着かない子供を風呂場であやす道具じゃないのか?
「こんなところに、おもちゃは持ってきちゃいけないんです。でも、そうですねえ。悟空。じゃあ数を、えーと、一からえーと十?いや百まで数えてみませんか?」
「数える?いーち、じゅう、ひゃーく?」
「指数的な数え方ですねぇ。そう言えば数え方は、まだ知らなかったですか?」
「うん。」
目の前に、思いもよらず裸で天蓬が居る。悟空もアヒルのおもちゃも泳いではいないけれど金蝉の目は泳いでいた。
「指数、、、おれは、、、不快指数が、、、」
と小さくつぶやく金蝉。
「じゃあ今日は十までの数え方を教えてあげますね。」
「うん。」
「いーち、にー、さーん、しー、ごー、ろーく、しーち、はーち、きゅー、じゅー。」
「いーち?にー?ええっと、うん?」
もう少しスモールステップにしたほうがいいですかね。
「じゃあ、僕のあとをついて繰り返してね。いーち。」
「いーち。」
「にー。」
「にー。」
と天蓬の後をついて数え方を悟空は習う。
その時、捲簾が
「おい、おいあんた、大丈夫か?逆上せたんじゃねえのか?」
天蓬が振り向くと、金蝉はぐったりしてる。と見るや、そのまま天蓬は金蝉の体を、がっと抱き上げて立ち上がり出て行こうとする。床がビショビショにならないように素早く大将は手持ちのタオルでざっと二人を拭いた。
「出て、椅子に座らせて何か飲ませたら大丈夫だろ。」
「そうします。撤収を。」
「任せろ。」
出て行く二人に
「天ちゃん、金蝉。」
とオロオロする悟空。
「大丈夫だ、チビ。お前も上がるんなら、ちゃんとタオルを絞って体を拭いてからな。」
と捲簾は声をかけた。
「おれ、タオル絞れない。」
「はあ?ああいい。貸してみろ。」
と大将は悟空のタオルを絞ってやると体を拭いてやった。
「出たら、籠に入れてあるバスタオルでよく体を拭くんだ。出来るな。裸のまま走り回るんじゃねえぞ。」
「うん。」
 
「お客さん、どうしました?」
脱衣所から聞こえるのは番台に座っていた男の声だろうか。
「ちょっと逆上せたみたいで、飲み物を1本いただけますか?」
 
悟空が出てみると、金蝉は扇風機の前の椅子に座り何かを飲んでいた。
「金蝉?」
「ああ。」
「大丈夫?」
「ああ。」
「良かった。ホッとした。なに飲んでるの?うまそう。おれも飲みたい。」
「悟空にも買ってあげますね。一本だけですよ。」
「うん。」
「オススメは、フルーツ牛乳です。」
と元帥は買うと、『牛乳びんふた開け』でふたを開けた。
「それ、そのふたをあけるの面白いな。」
「でしょう?」
悟空に渡しながら
「飲み方を教えてあげましょう。」
「飲み方?」
「ええ、腰に手を当てて。そうそう、そうやって飲むもんです。」
悟空がゴクゴクと喉をならしていると、捲簾がみんなのタオルなどを持って上がって来た。
「洗面器を出しっ放しにもできんから端っこに片付けといたけど、あれなんで『ケロリン』て書いてるのかね。」
「そういうものなんですよ。」
「さいですか。」
飲み終わった悟空は
「なあ天ちゃん。みんなでお風呂に入るのって
楽しいな。」
と笑った。