イタリア初の女性医師
当時は女性差別の残る時代だったため、入学後、男子学生と同室の解剖が許されず、別室で一人死体に向かいメスを取らざるを得ないなどの差別的処遇を受けたが、それらの逆境をのりこえ、1896年 、イタリア初の女性の医学博士号を取得する。
卒業後も女性が医師になることに封建的な医学界で、なかなか職が見つからず、医学とかけ離れた状況にあったローマ大学付属の精神病院 にようやく職を得た。
当時の精神病院の患者たちは鉄格子 に囲まれた暗い部屋に監禁され、治療らしい治療が行われない劣悪な環境下にあった。医師として絶望的と言えるこの職場で、マリアは知的障害 があるとされる幼児 が床に落ちたパン屑でしきりに遊ぶ姿に目を留めた。
幼児の様子を注意深く観察するうちに、何ら知的な進歩はないと見放されていた彼らが感覚的な刺激を求めることを認め、指先を動かすような玩具を次々と与え、彼らの治療を試みた。
この試みは感覚 を刺激することによって、知的障害児であっても知能 の向上が見られるという確信を彼女にもたらし、他の障害児 たちにも同様の教育を施した。マリアが彼らに知能テスト を受けさせると、彼らの知能が当時の健常児 たちの知能を上回るという結果が得られ、イタリア教育界、医学界に衝撃を与えることとなった。