こちらの動画は、3月31日に、小出裕章助教が京大の研究室で、フリージャーナリストの岩上安身氏からインタビューを受けている映像です。
カレイドスコープさんが、文字起こしをして下さってます。
それを更にまとめてお伝えしたいと思います。
小出氏は、元々、原子力発電をどうしてもやりたくて、東北大学で勉強をされた方です。
当時、原発は安全で素晴らしいものだと思っていた小出氏は、原発は何故電気を一番使う都会には絶対建てないのかを、疑問に思うようになりました。
それを調べて行くうちに、原発とはとんでもなく危険なものだと言うことが分かり、40年に渡って警告を発し続けているのです。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-423.html
福島第一原発で先日、検出されたプルトニウムは大変少ないものだった。
今現在、膨大な量のさまざまな核種が原子炉から噴き出してきて、外に流れている。
ヨウ素・セシウム・テルル・バリアム・ランタン・セリウムという核種も出てきてしまっている。
これらの量は、あまりにも膨大であるが、プルトニウムに関しては、出たといっても、まだ量的にはたいしたものではない。
しかし、プルトニウムが出たということは原子炉のペレットが溶けたという証拠で、その意味では、大変重要なことである。
私が、いちばん心配していることは原子炉が溶け落ちること。
炉心と言っている部分、要するに燃料ペレットのこと。
溶けたのは、まだ、ごく一部だろうが、溶けた部分が大量になると、塊になって落下していく。それをメルトダウンと言う。
その状況になると、最悪の場合は水蒸気爆発という爆発を起こす。
水蒸気爆発が起きると、原子炉圧力容器という圧力釜が破壊されてしまう。
圧力釜が破壊されると、その外側の原子炉格納容器は比較的、ペラペラの薄い容器なので、それも同時に壊れる。
すると、放射能を閉じ込めている全ての防壁が失われることになる。
そうなると、今でも大変な量の放射能が出ているのに、それに比べて桁違いの膨大な量の放射能が出てくることになる。
私は、それを破局的事態だと言っているが、それだけは何としてでも行かせたくない。
この事態を東電、原子力安全・保安院は、もちろん知っているはず。政府はどうか分からないが。
東電は炉心が溶けている、ということは発表はしているが、そのことが実は大変な事だとは彼らは決して言わない。
私も、最初は燃料の被覆管が損傷しているだけと思っていたが、それを超えて燃料そのもの、ペレットが溶けているようだ。
「炉心が損傷している」という表現を使うときは、ペレットの被覆が溶けていることを意味する場合もあるが、「溶けている」とはっきり言うときは、ペレット=燃料自体が溶けているので、大変なことになる。
地震と津波によって、全ての電源が断たれてしまったわけだが、冷やさなければ原子炉は壊れてしまうので、東京電力は、まず電源車をたくさん持ってきた。
ところが、発電所内系統部分に接続する部分が水没してしまって使えなかった。
仕方がなく、東京電力は消防ポンプ車を持ってきて、その消防ポンプで原子炉の中に水を入れることをやった。
でも、すぐに使える水がなく海水を入れることになったのだが、海水を一度入れたらその原子炉は二度と使えない。
でも、原子炉を冷やすためには仕方がない、ということでやった。
私は、そのやり方は、いつまでも持たないだろう、何よりも大切なことは電源を復帰することで、電源さえあれば、ポンプが動くだろう、と実は思っていた。
電源の復帰を何よりも急いでほしいと思っていたのだが、ある時、電源は復帰した。しかし、ポンプは動かなかった。
それで作業員の人たちが現場に入ってみたのだが、膨大な放射能汚染で近づくことさえできない、ということが分かった。
今はその汚染水を何とか外に出さない事には、ポンプの回復すらできないという状態になっている。
何とかそれをしようと努力してきたわけだが、私はもう、それはだめだと思う。
ポンプが壊れたならば新しいポンプを持ってこよう、という事になるが、どんなことをやってもダメだと思う。
なぜかと言うと、原子炉圧力容器の中に炉心という部分があるのだが、その原子炉圧力容器自体が、すでに破損しているからだ。
今、原子炉の中にポンプ車を使って水をどんどん入れているわけだが、水を大量に入れれば、圧力容器の中の水の水位が上がってくるはずだ。
しかし実際の所、全く上がって来ていない。いくら水を入れても増えない。
東電も、1号機・2号機・3号機とも、燃料棒が170cm、あるいは230cm、常に露出している状態になっている、と発表している。
どうして、そんなに常に露出しているかと言うと、圧力容器に穴が開いていて、それ以上水が溜まらない状態になっているのだ。
それを東京電力は、「圧力容器の下部に穴が開いたイメージだ」という表現を使っている。
そうすると、いくらポンプが動いても漏れるだけで、結局、正常な状態には戻らない。
今はポンプは動いていない。私は、動かしてほしいと思っているが。
原子炉本体の中に入れる冷却システムは一次系。その一次系がすでに回っていない。
なので、仮に二次系が回ったとしても、何の意味もない事になってしまう。
私も、これまで何とかしてポンプを動かして、正常な冷却回路に戻すべきだと言い続けてきたわけだが、それが出来ないという事に気がついたのは、28日か29日頃だ。
要するにダメなんだと。
水を入れても水位が上がらないのだから、圧力容器に穴が開いているとしか解釈出来ない。他の解釈はない。
正常な冷却が出来ないのだから、今までやってきたように、海水でも何でもいいから、外部から原子炉に水を入れ続けるという、この手段しかない。
ただ、それをやり続けていると、外部からどんどん水を入れているので、今度はそれをどこかに出さなければならない。
水をどんなに入れても、格納容器が破損している為に、どんどん出て行く。放射能まみれになって。
それが今、タービン建屋、あるいはトレンチに溜まっている状況。
でも、今後も、それをやり続けるしかない。
今の状態が続くのであれば、たぶん何ヶ月という単位で、この作業を続けなければならないので、その間じゅう、放射線・放射性物質は外に出て行く事になる。
原子炉の中に含まれていた全体からいうと、揮発性のヨウ素とかセシウムは、(これまで放出された量は全体の)たぶん数パーセントに過ぎない。
それが、これから事故が長引いていくと、すぐに数十パーセント、最悪の場合は、100パーセントということになるわけで、最も恐れている水蒸気爆発が起こってしまうと、数十パーセントといった規模で、それが一気に出てくる。
ただし、プルトニウムとかのいわゆる揮発性ではない核種がたくさんあるが、その漏れ方を見ると、今のところ、炉心の溶融が大規模には進んでいない、と私は思うので、これからも原子炉の中に水を入れて、原子炉を冷やし続けることができるなら、プルトニウムなどの核種は大量に外に出てくることはないと思っている。
今までのところ出ているのは、本当のわずかなものだ。
プルトニウムを使っているのは3号機だけで、その他の原子炉はウランだが、ウランが燃焼したときもプルトニウムが出る。
だから、どの原子炉から出てきたのかは不明だが、プルトニウムが出てきたという事、どこかのペレットが溶けたという事は確実。
それがもっと進むと、水蒸気爆発という破局的な事態に至ってしまうので、それを何とか防がなければいけないと思っている。
水で冷やし続けることができるなら、プルトニウムを含めた揮発性でない核種の大部分を原子炉の中に閉じ込めておくことが出来ると思う。
期間は数ヶ月、場合によっては、1年、2年といった、そういう期間になるかも知れない。
崩壊熱とは、放射性物質そのものが出している熱の事。
核分裂によって生じる放射性核種は、何百種類もあって、その寿命は非常に長いものもあれば短いものもある。
原子炉を止めても、7パーセント分の発熱は止められない。
しかし、ある程度、熱が減って行けば、ペレットが溶ける事は、多分起きなくなる。そこまで、とにかく冷やし続けなければならない。
ただ、それは原子炉の形状にもよる。
たとえば、固まってしまっていると、冷やすこともできないので、溶けるのを防ぐために、もっと長い時間をかけなければならないかもしれない。
だから、いつまでかかるかというのは、今の時点では私には分からない。
その間、外界に放射性物質が放出され続ける事になり、それを防ぐ手立ては、いまのところない。
原子炉格納容器のひび割れ、穴を防ぐ工事は、多分出来ないだろう。
今は格納容器の近くは、とにかく放射線量と言っている被曝の量が、ものすごい値になっている。
タービン建屋の地下に行っただけでも作業ができない、といった状態なので、格納容器に近づくということは、今後、少なくとも何ヶ月もできないと思う。
ロボットを使うということだが、ロボットは決められた作業を行なう場合はいいのだが、今回の事故のように、まったく想定していなかった形で進行している場合には、多分何の役にも立たない。
たとえば、1986年に起こったチェルノブイリ原発事故だが、その時は、原子炉が爆発してしまったので、プルトニウムを含めた揮発性でない核種もたくさん出てしまった。
でも、プルトニウムのような重いものは、原子力発電所の近傍に落ちてしまった為、遠くまでは飛ばなかったのだが、遠くまで飛んだのは、やはりヨウ素、セシウムなどだった。
そういう汚染が「地球被曝」と言う言葉を生んだように、地球全部を汚染していったわけだが、特にチェルノブイリ原発周辺には濃密な汚染が起きた。
そのため、旧ソ連の政府は、まず周辺30kmの住民13万人を強制的に避難させた。
ところが事故から数ヶ月経ってから、原発から200km、あるいは300km離れたところまで、ものすごい濃密な汚染があることが分かった。
それでそこの住民を23万人、また強制的に避難させる、ということやった。
その地域で雨が降ったからだ。
合計で40万人くらいの人たちを避難させたわけだが、ついにソ連という国がもたなくなり崩壊してしまった。
でも、汚染地帯は、それだけではなかった。
日本にも汚染が来たし、米国にも汚染が行った。
今でも、福島第一原発の汚染はヨーロッパにも、アメリカにも行っている。
しかし、原発に近いところから汚染の濃度が減っていく、という汚染の仕方をしている。
チェルノブイリでは、原発から700Km離れたところまで、「あるレベル」を超えて汚染が広がっていた。
その「あるレベル」というのは、日本の法律に照らすと、「放射線の管理区域」に指定しなければならない、というレベルもの。
放射線の管理区域というのは、特殊な人間が、どうしても仕事上、入らなければならない場合だけに入れる場所だ。
その区域に入ったら、水を飲んでもいけないし物を食べてもいけない。タバコを吸ってもいけないし、そこで眠っても子供を連れ込んでもいけない、というところが放射線の管理区域という所だ。
一般の方にとって、放射線管理区域と同じような場所に接する機会は、レントゲン写真などを撮影する場合しかないだろう。
そういう場所に行くと、「関係者以外無断立ち入りを禁止する」と書いてあるし、妊娠する可能性のある女性は、必ず医師に申し出るよう書いてある。
そういう場所が放射線の管理区域だが、それがチェルノブイリ原発から700km彼方まで広がっていたわけだ。
でも、ソ連という国は崩壊してしまい、既にそういう場所に住んでいる住民を避難させる力もない。
いまだに600万人近い人たちが、そこに住んでいる。
その面積は、14万5000平方km。日本の本州の6割の面積だ。
本州の6割を放射線の管理区域にしなければいけない、というほどの汚染なのだ。
風下では700kmまで届いたと言うので、その広がり全体が14万5000平方kmということだ。
その被害は、何兆円、何十兆円、何百兆円払っても、あがないきれないほどだ。
今この状態が続く事は、プルトニウムのような放射能の汚染は防ぐことはできるかもしれないが、ヨウ素、セシウムなどは次々出続ける事になる。
チェルノブイリの場合は、セシウムが約30パーセントぐらい出ていた。
今は、福島原発から出ているのは、数パーセントかも知れないが、これが長引くと、チェルノブイリと同じくらいになる事が予想される。
すると、チェルノブイリと同じくらいの汚染地帯が広がると言う事だ。
世界各国は、これから汚染地域が、どのように広がっていくかのシュミレーションをやっているが、日本も同じく、SPEEDIという計算コードを持っていて、福島の事故が起きた時から出していたのだが、それをすぐに公表しなかった。
本来なら、それを公表して時々刻々と、どちらの方向に汚染が行くかを報告しなければいけないのだが、日本の場合は、パニックを煽るからという理由で出さない。
SPEEDIは、日本原子力研究開発機構がつくったものだ。
そういう情報を出すために研究しているのに、今出さないでいつ出すのか。
日本の政府が恐れていることは、要するにパニックだ。住民の被曝を恐れているのではなく、パニックを恐れている。
私はパニックを抑えるための唯一の方策は、情報をきっちりと公表することだと思っている。
国民に何も知らせないまま政府の言うことをきけ、というのは日本では昔から伝統的に行われて来た。
だから今でも、情報はなるべく出さない、ということをやっている。
「安心だ、安心だ」ということを政府が納得させる、ということで来ている。
「放射能が危険だ」という特集を組んだ「アエラ」という週刊誌が、異常に叩かれている。
ただ「アエラ」は、「放射能がやってくる」という特集を組んだだけ。
きちんとした根拠に基づいて警鐘を鳴らさないと、本当に危ない空気が流れている。
特に統一地方選の後、大連立が組まれる可能性が高い。
これからは、原発大政翼賛会、災害体勢翼賛会、災害保守が台頭するかもしれない。
原子力と政治とは密接な関係がある。
「原子力」と「核」とは、あたかも違うことのように、日本人は思い込まされているが実は同じものだ。
日本の国が、どうしても原子力を進めたいと思い続けてきた動機の一番の根本には「核開発をしたい」という思いがある。「核兵器」
去年の10月、NHKでさえ「核を求めた日本」という番組を放送し、原子力の平和利用と言いながらも、実は核兵器を作りたかったんだ、ということを暴露した。
こういうことが、あまりにも日本人の耳に入っていないし、鈍感な状態に置かれて見過ごされている。
原子力の問題は、事故が起きた時の恐怖を超えて、政治的・社会的な問題が根底に横たわっている事を知らなければいけない。
それが、大連立になった時に、ますます「強化」の方向に向かうと思われ、危険な時代に滑り落ちていくことになると思う。
日本は周囲を海に囲まれている。特に日本は偏西風に支配されていて、たいていのものは太平洋に向かって流れていく。空気中の放射性物質も。
また、膨大な汚染水が、すでに発電所の中に存在しているわけで、トレンチと言っているようなものは、もともと水を漏らさないような構造にはなっていないので、地下にどんどん汚染水が流れ込んでいるし、もう、それは海に行くしかない。
いくら汚染水を海に流しても、薄まってしまって安全です、というようなことを言うのだが、放射能に「安全」ということはない。
薄まる、ということは汚染が広がる、という事。
そして、海というのは、世界中、全部、つながっているわけだから、原子力から何の恩恵も受けていなかった国々に対しても汚染を広げていくということになる。
<引用ここまで>
これを聞くと、本当に恐ろしい事になってしまったと感じます。
世界でも、今回の原発事故を受けて、次世代エネルギーへの転換を考える気運が増しています。
他の国でも見直そうとしている原子力に、まだ日本はしがみついて行くつもりでしょうか?
今が分かれ道です。