友達HIROと,Kさんの出逢いは、奇妙なものだった。


HIROはその頃喫茶店で働いていた。


Kさんはその店にお客として来ていた。


「全然タイプじゃない!なのに、その人しつこくてさぁ・・・」 HIROはよく言っていた。




ある日、Kさんが1週間ぶりに店に現れた時、


何処からどう見てもかなりヤバイ!そんな感じだったそうだ。


と、いうのも、片手・・・確か右手、(煙草吸う手が右だったから)


白い布を巻きつけ、その上からビニール袋が被せてあって、


そのビニール袋の隅には・・・血・・・血液が溜まっていたのだそうだ。


注文を聞きに行ったHIROは


「どうしたんですか?病院行かなくていいんですか?」


「頼む・・・俺と付き合ってくれないか・・・?」


そう、言われたのだそうです。


その日の夜・・・HIROは帰って来ませんでした。



一人に出来なくて、一晩中ホテルで痛みと戦うKさんと一緒だったと後から聞きました。




Kさんは足を洗う儀式を済ませた直後、HIROの店に来たようでした。




その頃HIROは付き合っていた彼氏に貸してたお金も返してもらえないまま


彼氏は雲隠れで、落ち込んでいました。


男なんて!そう、言ってたのに・・・


何で、この人なの?何でKさんなの?


わたしは何度もKさんはダメ!絶対ダメ!説得しました。


第一、信用できない。何を考えているのか全く分からない・・・


と、言うより、バカじゃないの?と、そんな感じでしたから・・・


会話にならないのです・・・四六時中オドオドしてるし、質問に返ってくる答えは小学生並み。


KさんをめぐってわたしとHIROはよく喧嘩をしました。



その結果・・・返ってHIROの母性本能を開花させてしまったようでした。


この人にはアタシしかいないんだ!強くそう思わせてしまったようでした。



出逢いから1ヶ月・・・わたしとHIROのアパートにいつの間にか居座っていたKさん。


そしてあれは、二人で出て行ってから2ヶ月後の出来事でした。


すっかり、足を洗ったはずだったのに・・・です。





それからのHIROの人生は・・・悲惨な道を辿りますが、


HIROにも、ささやかな幸せな日々が訪れたのも事実です。


ほんの数年でしたが・・・一番輝いていたね、HIRO


忘れてないよ。


いつも思い出すよ、あの子のことは・・・


笑顔が可愛い子だったね。






今何処でどうしているのか行方不明のKさん・・・


たとえ、HIROが諦めて、心のどこかで許してても、わたしは絶対に許さない。