殊更に黒き花などかざりしけるわが十六の涙の日記
白蓮は、生後7日目で柳原家に引き取られた為、実母の存在を知らぬまま、前光も正妻である初子を実の母と思って育った。
公家の子育ての習慣で、農家に里子に出された。
6歳になると、白蓮は柳原家に戻され、9歳で遠縁の北小路家に養女に出される。
資武は婚前から嫉妬深く、時には暴力をふるった。
ある時は怒りから白蓮に「妾の子のくせに」と罵倒し、白蓮はその時に初めて、自分の出生の秘密を知った。
白蓮に結婚を拒否する権利はなく、15歳で無理やり結婚を承諾されられ、間もなく妊娠した。
やがて両家の話し合いの末、長男を北小路家に残すという条件で、離婚が成立した。
白蓮は20歳で東京の柳原家へと戻った。
しかし、彼女を待っていたのは、「出戻り」という名のレッテルと、「家の名誉を汚した罪人」同様の幽閉生活だった。
姉である信子は白蓮に、「枕草子」や「源氏物語」などの書物を差し入れ、白蓮はそれを読みふけった。
一方で、両親は次々と見合いの話を進めていた。
白蓮は逃げたして品川の乳母の元へ走ったが、乳母すでに亡くなっていた。
生母であるりょうも、白蓮が3歳の時に既に亡くなっていた。



