カブトガニを見ると思い出す。小学生の頃にクラスの男子に「カブドガニに似ている」と言われたことを。

小学4年生の国語の教科書に『カブトガニを守る』という文章が掲載されていた。そこには、カブトガニは2億年前からほとんど姿を変えずに生き続けたこと、そしてその理由は、敵に襲われにくい場所でひっそりと過ごしてきたからだということが書かれていた。
そんなカブトガニと、まだ9歳だった私の一体どこが似ていたのだろうか。

 

 

小学校では掃除は3班に分かれ、教室・トイレ・図書室前廊下のいずれかを掃除することになっていた。
1番人気は図書室前廊下。教室の様に机や椅子を動かす必要はないし、トイレのように汚くない。何より、先生が見に来ないのでさぼり放題だった。


男子は掃除道具をおもちゃに遊んでいたし、女子は……どうしていたのだろうか記憶にない。もしかしたら掃除場所に来てすらいなかったのかもしれない。

けれど私は、掃除時間に掃除しないのも気が引けるので1人で掃除をしていた。

掃除しない人に注意をするわけでもなく、どちらかというと遊んでいる男子に邪魔者扱いされないかヒヤヒヤしながら、粛々と掃除をしていたのだった。

 

 

小学校ではお菓子の持ち込みは禁止されていた。しかし、こっそり持ち込んで食べる人は少なくなかった。

クラスメイトが学校にお菓子を持ち込んでいたことは私も気付いていたが、私はわざわざ禁止されていることをしたくなかったので、クラスメイトがカバンからお菓子を出しそうな気配を察するとその場から離れるようにしていた。

 

ある時、ごみ箱にお菓子の袋が捨てられているのを先生が見付た。それで帰りのホームルームで先生は「学校でお菓子を食べたことがある人は残って下さい」と言った。

私は食べたことがなかったので帰ったが、次の日、私以外の全員が残っていたのだと聞かされた。

 

 

先生に怒られるようなことはせず、クラスメイトとも争わず。

そういうところが、クラスの男子にはカブトガニのように感じられたのだろう。

 

カブトガニは数億年も姿を変えていないらしいが、今は絶滅危惧種だ。

さて私は、静かに長生きできるのだろうか。

 

願わくば、多くの人の優しさに生かされて長生きしたいものだ。

 

 

 

 

↑この中に、教科書に載っていた話が入っているらしい。