ナマズの使い | ウルフオルフェノクが行く!

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春になりましたね。

福島県の昔話

 

 

 

 

大昔のこと、福島の磐梯山(ばんだいさん)の辺りには、火山がいくつもあった

 

 

そのため大変地震が多かった。そして、その磐梯山の頂には明神様が住んでおられた。

この明神様、かなりの昼寝好きでいつも昼寝をしていた。
山の頂から遠くの山や海を眺めて、のんびりと昼寝をするのが何よりも楽しみだった。

 

ところが度々地震が起きるものだから、昼寝をしていると、

注連縄(しめなわ)を押さえている石が頭の上に落ちてくる。

明神様はこちんと小石が頭に落ちては起こされ困っていたのだった。

 

 

困った明神様は、磐梯山のふもとの岩穴に住むナマズどんの所へ行った。

そして地震が起きる前に、自分に知らせに来てほしいと頼んだ。

ナマズどんはせっせと小さい地震でも、親切に明神のところに地震が起きることを報告し続けた

 

地震を察知したナマズどんは、

「明神さま~、明神さま~~、地震が来ま~す!!」

 

こんなこともあった。

 

ナマズどん

「あら?地震が・・・・」

 

明神様

「こりゃナマズどん!地震はこれだけか!」

ナマズどん

「えへへへ・・・・たいした地震ではなくて何よりでした・・・・(小さくなるナマズどん)(笑)」

 

ナマズどんが知らせてくれたおかげで、明神様は頭にこぶを作らずに済んだのだが・・・・

楽しているおかげでナマズどんのありがたさなどもなく頼んでおいてこの言い草な明神さまは
だんだんとその態度が大きくなっていった。
 

 

それからというもの、小さな地震が来るたびに、
ナマズどんは明神様のところに走った。

「教えてくれいうから行くんじゃけえ・・・・」

ナマズどんはしぶしぶと行く時もあった。

ところが、あんまりしょっちゅうナマズどんが

地震じゃ地震じゃといって走ってくる。

そのうち明神様は昼寝の邪魔をされてイライラしはじめた。

「お前と来たら、いつも大げさに地震じゃ地震じゃと知らせに来るが、うるさくて昼寝もろくにできん!!もっと大きい地震の時にだけ知らせれば良いんじゃ。もうあっち行ってくれ」


明神様に叱られてしまったナマズどんは、

泣いてすごすごと山をくだり、自分の家に帰った。

 

そんなある日のこと、ナマズどんはまたヒゲをピクピクと鳴らし地震を感知した。


明神様に知らせようとするも、前回明神様に叱られたことを思い出し、今回は思いとどまることにした。

「どうせまた怒られるんじゃ・・・・我慢我慢・・・・・」

ところが、今回ばかりはいつもと様子が違っていた。
なにか大変なことがおきようとしていたのだった。

ナマズどんが寝ている地面は熱くなり、

花を生けてある湧き水は枯れ、とうとう蒸気まで噴き出した。

 

「うわあー!」

 

ナマズはたまらず明神様の所へ知らせに走った。
「明神様!!大変だあ~!!えらいことが起きそうです!!大変ですー明神さまーー」

ところが、またナマズが昼寝の邪魔をしに来たと思った明神様は、

「うるさいのーーー!!昼寝の邪魔ばっかりしおって。もう二度と来るな!!」

こう言って、ナマズのヒゲをつまみ上げ、猪苗代湖に放り投げてしまった。

「みょーじんさーまーー地震がきまーすーー」ぴゅー・
遠くへ投げらてしまうナマズどん・・・・あららら。

 

ところがしばらくすると、明神様の寝ている地面がじわじわと熱くなり、

やがて地面が大きく揺れてはじめた。

 

そして、とうとう大音響と共に磐梯山が大噴火した。

 

明神様は激しく飛び散る溶岩の中、命からがらふもとに逃れた。

「あち あちちちち」

 

やがて磐梯山の噴火は収まり、このことに懲りた明神様は、

ナマズにもう一度山の寝所に戻ってくれと必死にせがんだ
 

しかし・・・

怒ったナマズどんは首を縦には振らなかったのだった。


ナマズどんを追い出した明神様は、大好きな昼寝もゆっくりとできず、いつもこぶだらけ。
しかし、コブを作りながらも磐梯山を守り続けなければならなかった。

一方、洞穴の寝所を追われたナマズどんは、広々とした猪苗代湖でのびのびと暮らしたそうな。