富山県
昔ある所に仲の良いじいさんとばあさんが住んでおりました。
ある日2人が縁側でうたた寝をしておりました。
ばあさんが、「上のほうからなにか音がする」というので、見てみたが
なにもなく、どうやら床の下からなにか出てくるようだった。
それは縁側の下から一本の竹の子が生えてきたのでした。
その竹の子は龍のようにどんどん伸びに伸び続け、家を突き破って天高く
伸びていったのでした。
それをみてじいさんとばあさんは大喜び。
竹の子は天まで見えて、ついに頭が見えないほどにまでなっていたのでした。
じいさんは、ばあさんと話しているうちに「どこまで伸びているんじゃろう」
という話になり、「それじゃあ確かめにゃあ」という話になりました。
まずはじめにじいさんだけが、弁当におにぎりを持って、
ずんずんと竹の子を登って行きました。
じいさんはどんどん登って行き、富士山の高さを超え、
ついには日本の国が豆粒まで見える高さまでに上り詰めた。
そして、じいさんはついにお星様だけしかないところまでたどり着いた。
そしてついに竹の子の頭までたどり着いた。
そこは、なんと月の国でした。
じいさんが月の世界を見回していると、遠くに大きな屋敷があり
そこから不思議な生き物に招待されて、じいさんは屋敷の中へ歓迎された。
そのお屋敷には、お月様のお姫様が住んでおられていて、じいさんは、楽しく
月の住人たちと食事や踊りでたのしく一夜を過ごすことができた。
そしてじいさんは無事下界へ戻ることができ、じいさんの帰りをいまかいまかとまっていたばあさんがそこにいた。
そしてじいさんはその夜ばあさんにこれでもかというほどの土産話を聞かせてあげたのでした
ばあさんはじいさんの話を聞いているうちに自分も行きたいとじいさんにお願いした。
じいさんは、ばあさんを月の世界へ連れて行ってあげることになりました。
しかしばあさんは重い。
ばあさんはとりあえず袋に入れて、じいさんは口に袋をくわえて登ることになった。
じいさんは約束した。
ばあさん、わしゃ袋をくわえているでぜったいに話しかけんでくれな。
ばあさんをおっことしてしまうでな。
はいはい、わかりましたよ。
それをきいてじいさんは安心したのでした。
そんなわけで・・・・じいさんは再び天に突き出た竹の子を登り始めた。
ばあさんは退屈でしょうがない。
「じいさん、いまどのあたりかのう?」と
きいてみた。
話しかけられないじいさんは無言で「うんうん」と首を横にフルが、
ばあさんは、うれしくなり
それをもう話しかけてもいいんだな、と勘違いしてしまった。
おしゃべりなばあさんは、いろいろじいさんにまだつかんのかえ、と
しつこく話しだしたものだからじいさんはだんだん焦りだした。
それでもなんとかじいさんはもくもくと登り続け
ようやく竹の子のてっぺんに近づき、宮殿が見えたその時だった。
じいさんは気が緩んだんじゃろう、つい口が広いてしもうた。
「ばあさま、とうとう着いたぞ!」
「あっ!!」
気がついたときには遅かった。
ばあさんの入れた袋は・・・・・
真っ逆さまに地上めがけて落下していった。
「ばあさん・・・・」
じいさんは・・・涙を流した。
そして、じいさんが地上へ戻ってみると
ばあさんの姿は無かった。
ただ畑の蕎麦の根元が真っ赤に真っ赤に染まっていただけでした。
「婆さん・・・・かわいそうなことをした・・・。
ばあさんの血で染まったんじゃろうか・・・」とじいさんはつぶやいた。
それからだそうな。
畑の蕎麦の根元が真っ赤に真っ赤に染まるようになったのは・・・・。