
このソナタはベートーヴェンの17番のソナタですが一般的に「テンペストソナタ」というタイトルで、
よくピアノ学習者さんが好んで弾かれている
人気のあるソナタです。
長さも適度で、難易度もソナタのなかでは
中級程度の比較的勉強しやすいソナタではないでしょうか。
「テンペスト」は一般的には「嵐」を意味するもので、
それを感じさせる描写がなされ、
「幻想曲風」なソナタとなっています。
ベートーヴェンの厚みのあるフォルテには誰もが驚かされる曲です。
一楽章 二短調、Largo~Allegro、2拍子
幻想的な雰囲気のする、神秘的で引き込まれるようなピアニッシモの和音に導かれて開始される序奏に始まる楽章です。
この神秘的な美しさの序奏のとりこになってしまった人も多いのではないでしょうか。
カデンツァ風な部分で、演奏者の解釈など、聞かせどころです。
このモチーフが二回繰り返され、激しい感じの主題が顔を見せ生き生きとした感じを与えます。ここの繰り返し記号は、演奏するかとないかでは判断が分かれるところですが、できる限りは「弾いたほうがいい」ことをお勧めしたいと思います。
カッコのなかで、はぶくと弾けない音があるので・・・・。
また、最初の神秘的なものがやってくると、気分が落ち着きますが、
突然凶暴的なAllegroが突き上げるような勢いでやってきます。
劇的なところです。手がせわしく交互します。
それがまた落ち着くと、RECITACIVO(レチタティーヴォ/即興風)部分
がやってきます。
ここで、二回目の神秘的な和音に導かれる序奏回想が再びやってきます。
単音のみで、演奏はたやすいですが、深い感情をたたえた聞かせ場所です。
そしてまた突き上げるような荒れ狂う激しいAllegroがやってきます。
この楽章では、穏→激→穏→激の繰り返しにすぎない曲なのですが、
聞いてみると意外に奥深い曲です。
最後はやや高潮したあとにあっけない感じで静かに落ち着いて終わります。
二楽章、3拍子、変ロ長調、 Adagio
いわゆるソナタの暖楽章。
一音一音の淡々とした美しさをたたえた曲ですが、
有名な二つのアレグロの楽章に挟まれて、影の薄い楽章と
なっている感じがします。中間部はやや動きのあるパッセージがやってくる程度です。極端にはゆっくりしすぎないほうがいいかも知れません。
じっくりと深い歌わせ方、響かせ方が必要な楽章です。
三楽章、八分の三拍子、二短調、Allegro
流れるようなモチーフが有名な最後の楽章。
「風」がふきすさぶイメージのする、非常に快活です。
意外と跳躍も多くて大変な部分も多いのですが、
テンポに追いつこうとして演奏の面がおろそかになり、
重くなりすぎないように注意が必要です。
スラーの最後にはスタッカートがある部分が多いので、
意外と軽く弾くようなイメージで十分かと思います。
フォルテシモのパッセージの部分は
思い切って弾いてみるとうまくいきます。