ドビュッシーと並ぶ、印象派と呼ばれるひとたちの一人
モーリスラヴェル。
「オーケストラの魔術師」という異名を取る彼は、
非常にオーケストレーションのすぐれた作曲家として知られています。
「ボレロ」「水の戯れ」「夜ガスパール」などで知られるラヴェルは
ピアノ曲も数多くのこしました。
しかもそれらは技巧に満ち溢れてかなり演奏が難しいものもあります。
この「ラヴァルス」も、
実はラヴェル自身によるピアノ独奏版と、ピアノ連弾版が存在します。
自分のこの曲の魔力に取り付かれたひとりです。
ラヴェルは音の作り出す空間・・・
みたいなものを大事にしていた人・・・
だったのかも知れません。
とにかくラヴェルは「テンポや強弱の加減」にとやかくやかましく指導した、
というエピソードが残っているらしいです。
「ラヴァルス」は華やかな舞踏会が舞台におもわれがちですが、その背景にはやはり、ラヴェルの時代の世界大戦の不安の響きが印象的な曲で、
得にラストになると華やかな舞踏会の姿は消えて、ドス黒い重々しい
感じの荒れ狂う狂乱の場がクライマックスとして訪れます。
華やかだった曲は、戦争の不安に飲み込まれていくのです。
ラヴェルは曲に
「雲の間から、華やかな衣装をまとった人々がシャンデリアの華やかな舞踏会で踊っているのが見える」
とコメントしています。
最初はたしかにそんな雰囲気がありますよね。
やっと聞こえる再弱音pppから徐々に盛り上がっていく手法は、
ただただにくいばかりです。
いくつかの自由な変奏をとおり、
息の長いクレッシェンドで強烈な盛り上がりを見せて、
クライマックスへなだれこむのですが、
このときはすでにもう舞踏会の華やかさはすっかり消えて、
グロテスクな迫力でまくしたてます。
ただし、テンポは決して速すぎてはいけない・・・・のがミソです。
たしかに迫力があり、テンポもそれなりに速く聞こえます。
しかしあまり全体的に速すぎてはいけない・・・そう自分は感じます。
微妙な差はありますがあまりテンポを早くしすぎないほうが
この迫力ある最後の部分もグロテスクな迫力がよく出るような気がします。
この曲はもともとはバレエ曲用だったのですが、
「ボレロ」ほどのバレエの人気はなかったようで、
踊りにくいという理由から
今はすっかり踊ることはなくなっているそうです。
「ボレロ」も実はバレエ曲です。
こちらは舞台版のバレエが有名ですね。