2014年12月6日のリブログ。この記事はアメブロの管理トップ画面で見ると、ありがたいことに、もうすぐ10年経つのに多くの読者に読んでいただいているようだ。

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 先日、テレビのバラエティー番組で、ある食品を食べた人が「19こ(食べた)」と言ったときに、画面のテロップに「19ヶ」と表示されました。

 学校で習う漢字ですと「こ」は「個」と書くはずです。
 しかし、私は小学校低学年の頃、親に連れられて買い物に行くと、商店の店先で「3ヶ100円」などの貼紙を見て、「“3ヶ”は、“さんけ”じゃなくて“さんこ”じゃないのかなぁ?」と、いつも疑問に思っていたのですが、疑問は解消されないまま、半世紀(!)も経ってしまいました。

 半世紀ぶりに、「ヶ」の秘密を辞書で調べてみました。

 まず、国語辞書で「個」を調べてみました。

(三省堂国語辞典 七版)
こ[個] [一](名)〔文〕〔全体を形づくる〕ひとつ。(自分)ひとり。「 ─ としての自覚・ ─ と全〔=全体〕」(←→全)
[二](接尾)(かたまり/まとまり)をかぞえることば。「りんご三 ─ ・ニ ─ の金メダル・惑星(ワクセイ)一 ─ ・〔軍隊の〕一 ─ 師団・五 ─ の台風」〔俗に、年齢(ネンレイ)・学年などに用いる。「二 ─ 上の先輩(センパイ)」〕
[表記]「▽箇」とも書き、俗に「ヶ」「ケ」とも書く。⇒:一個。

 なるほど、「ヶ」は「箇」の俗字らしいですね。
 このへんをもう少し詳しく調べるために、中型辞書の「大辞林」を引きました。

(大辞林 三版)
か【箇・個▽・个▼】( 接尾 )
助数詞。漢語の数詞に付いて,物事を数えるのに用いる。普通,さらに漢語の名詞に続いて用いられる。 「三 ─ 月」 「五 ─ 条」 〔 「个」の代わりに片仮名「ケ」も用いられる〕

 「大辞林三版」では、「か」の項で、三つの漢字が表示されました。
 用例の「三 ─ 月」 「五 ─ 条」の「 ─ 」部分には、箇・個・个のどれを当てはめても良いのでしょうか。いずれにしても読みは「さんかげつ」と「ごかじょう」なのでしょうね。

 「か」の読みのうち、「个」は初めて見る漢字でしたので、2冊の漢字辞書で調べてみました。

(新明解現代漢和辞典)
个  丨 2  ( 3 )  [2] 4804  4E2A
カ(漢) コ(呉)  中国語の発音は省略
[意味]❶人やものを数えることば。(通)個 カ|コ・箇 カ|コ。
[例]一个条(イッカジョウ)。一个(イッコ)の臣(シン)。
❷正堂のわきにある部屋。[例]左个(サコ)。右个(ユウコ)。
[参考]「一ヶ所」「一ヶ」などの「ヶ」は、「个」の字の変形とも、「箇」の字の竹冠の片方を省略したものともいう。

(新潮日本語漢字辞典)
【 个 】 丨 2 3画 カ(漢)(呉)・コ(唐) 5024  4804  98A2
[意味]モノを数えるのに使う語。数詞と、序数を表すことの多い助数詞の間にはさんで、序数ではなく個数を表すことを示す。多く「个」のかわりに片仮名の「ヶ・ケ」を用いる。=箇。「三个月・六个条」
[参考]「箇」の略字とされる。


 4つの辞書を読んでわかったことを整理しますと

   ①「個」は「箇」とも書き、俗に「ヶ」「ケ」とも書く。
   ②「ヶ」は「箇」の字の竹冠の片方を省略したもの。
   ③「ヶ」は「个」の字の変形と考えられる。
   ④「个」は「箇」の略字とされる。
   ⑤「个」の代わりに片仮名「ケ」も用いられる。


となり、半世紀ぶりに「ヶ」の謎が解けて喜んでいます。