書棚の整理をしていたら書棚の奥から発見した本。書棚の整理をほっぽり出して見入ってしまった。

 

ほっぽりだす
〔他サ五(四)〕勢いよく投げ出す。また、むぞうさに投げ出したままにする。

Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988

 

 

 

今、義務教育が危ない! ─ 国民のライフラインを守ろう ─
2007(平成19)年12月10日 初版発行
編者 日本の教育を考える10人委員会
発行所 株式会社 ぎょうせい
定価:本体1,800円+税

 

 

いつ購入したのか不明である。読まずに存在を忘れていた本である。

書名『今、義務教育が危ない!』の「今」から9年経った「現在」の日本の教育、特に公教育は、 義務教育に限らず、就学前の保育所問題から大学の文系学部改廃問題まで、 「危ない」を通り越して「瀕死の重傷」状態に陥っているのではないだろうか。

 

本書の目次を紹介して今回のブログを終わりにしようと思ったが、手に取ってページを繰っているうちに、「こいつは大変なことになっているな、少なくとも9年も前から!」という、焦燥と言ってもよいような気持ちが湧いてきてしまった。

 

執筆者のおひとりである佐和隆光氏の「はしがき」を読んだ。

本書は、その冒頭から衝撃的であった。

これまでは「--ここから」「--ここまで」という表記で括って書いていたが、新エディタに引用機能が付いていることを知ったので、引用機能を用いて、「はしがき」の一部を抜粋して紹介したい。(太字はブログ筆者による)

 

 一九九七年五月、イギリス首相に就任したトニー・ブレアは、就任直後の記者会見で、「優先すべき政策を三つ挙げてください」との記者の質問に答えて、「一にも、二にも、三にも教育だ」と答えた。

(ブログ筆者による省略)

プライバタイゼーション(民営化)という言葉が大好きなサッチャーは、国営企業の民営化と並んで、教育費や医療費の国庫負担を減額し、なおかつ学区間の格差を拡大し、子どもたちを私立学校に入学させることを督励しようとした。その結果、公立学校の教育の平均的な質は劣化の一途をたどった。劣位の公立学校しか選べない貧しい家庭の子どもたちは「良質」の教育から排除されることになり、一八歳人口の平均的学力は低下し、その揚げ句に、失業率は高止まりせざるを得なくなった。ブレアが公教育の改革の重要性を強調したのは、こうした社会的背景を反映してのことであった。

 

「これは、本当にイギリスの出来事か?! 今の日本だって・・・」と絶句してしまった。

そして、本書の副題「国民のライフラインを守ろう」という表現も気になった。本書では、「義務教育」を「国民のライフライン(生命線)」と位置付けている。気になる副題である。

 

本書の10人の執筆陣の論旨と読後感を、断続的にブログに書いていこうと考えている。