この本を知ったのはメールマガジン「考える人」(新潮社)665号に書評が載ったからである。665号の表題「書物ある限り、人は死なぬ」に魅かれた。
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幕末明治 異能の日本人
2015(平成27)年12月18日 第1刷発行
著者 出久根達郎(でくね・たつろう)
発行者 藤田博
発行所 株式会社 草思社
定価:本体1,700円+税
<帯>
二宮金次郎、
幸田露伴、
天田愚庵、
清水次郎長、
丸山作楽・・・
埋もれた傑物たちの
生涯を
掘り起こす
傑作読み物!
2016(平成28)年3月6日 購入
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メールマガジンの書評には
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本書の元になったのは、5年にわたって新聞連載された「
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とあり、まさに読書欲を掻き立てられる文面だった。
本書の構成は次のとおり。
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目次
《Ⅰ》 無私の超人、二宮金次郎
《Ⅱ》 知の巨人、幸田露伴 ─ 近代文学再発掘
《Ⅲ》 巡礼の歌人、天田愚庵・他 ─ 幕末明治群雄伝
あとがき
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二宮金次郎のことは他の本を読んでいたので、《Ⅰ》章には当初、新鮮さを感じなかったが、読み進めるにしたがって知らなかった逸話が登場し、面白かった。
幸田露伴については、学生時代に「五重塔」を読んだことがあるくらいで、それ以外のことはほとんど知らなかった。本書の《Ⅱ》章には、幸田露伴が「知の巨人」と称され、「近代文学再発掘」という副題まで付いている。いやはやメールマガジンの書評にあったとおり、本書には「舌を巻くような薀蓄が凝縮され」ていた。
さて、本書の真骨頂は、といえば、《Ⅲ》章の表題「巡礼の歌人、天田愚庵・他 ─ 幕末明治群雄伝」の中の「他」の一文字にある、と、理解した。「他」の意味するものが副題の「幕末明治群雄伝」である。
本書の帯広告にもメールマガジンの書評にも書かれていた「清水次郎長」が面白い。
「清水次郎長」で思い出すのは、私が中学生か高校生の頃のテレビドラマである。次郎長を主演したのは竹脇無我だった。このドラマを観るまでは、清水次郎長については、森の石松が船上で「寿司喰いねぇ」とやる浪曲の一節くらいしか知らなかったが、このドラマを観て、次郎長と子分たちの心意気に感心したことを覚えている。ドラマのナレーターは芥川隆行だっただろうか。
天田愚庵あまだぐあんや丸山作楽まるやまさくらという人は、名前すら知らなかった。これらの人々と交流のあった様々な人たちが登場する本書は、まさに幕末明治の「異能の日本人」の発掘物語である。
が、待てよ、このような蘊蓄・含蓄のある本を書き上げた著者の出久根達郎こそが「異能の日本人」だったと思わされた。
歴史や読書の好きな人には絶対にお奨めの1冊である。
