おかげさまで(?)、昨日のブログを書いたあとで、解答途中だった公立高校入試の数学の問題に正答することができ、すっきりとした気分のまま、以下のように、「学力」について思いを巡らせていました。
◎ 教科書に書かれていることを、そのまま鵜呑みにするごとく、棒暗記することは、長く記憶に残らないし、問題を解くことに対して有効な手段とは言えない。
◎ 例えば、小学生が「三角形の面積=底辺×高さ÷2」と覚えたとしても、実際に出題された三角形の求積問題の図を見て、どこが底辺でどこが高さかを発見できなければ、棒暗記した求積公式は役に立たないだろう。
ぼうあんき【棒暗記】
意味を考えないで、文章や事項などをそのまま暗記すること。
意味を考えないで、文章や事項などをそのまま暗記すること。
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988
まるあんき【丸暗記】
⇒ぼうあんき(棒暗記)
⇒ぼうあんき(棒暗記)
Progressive Japanese-English Dictionary, Second edition ゥ Shogakukan 1986,1993/プログレッシブ和英中辞典 第2版 ゥ小学館 1986,1993
◎ 昭和30~40年代の学生たち(素人学者はその末裔)の勉強が「知識偏重」と批判的に言われるようになって久しいが、「知識偏重」という言葉を批判的に言う場合、おそらく、次のようなことを指して使われるのだろう。
・棒暗記をするばかりで、役に立たない勉強。
⇒知識を詰め込んだだけで、思考力・表現力が育たない勉強。
・解いた問題は解けるが類題は解けない勉強。
⇒本質的な理解につながらないために筋道を立てて考える力が育たない勉強。
ちしき【知識・智識】
1 知恵と見識。ある事柄に対する、明確な意識と、それに対する判断。また、それを備えた人。
2 (―する)理解すること。認識すること。また、その内容や事物。*伝光録‐不如密多尊者「ここをもて知識しつべし」
3 知っている内容。知られていることがら。「法律については知識が豊富だ」
4 知っている人。親しくしている人。知人、友人。朋友。
5 (略)
6 (略)
1 知恵と見識。ある事柄に対する、明確な意識と、それに対する判断。また、それを備えた人。
2 (―する)理解すること。認識すること。また、その内容や事物。*伝光録‐不如密多尊者「ここをもて知識しつべし」
3 知っている内容。知られていることがら。「法律については知識が豊富だ」
4 知っている人。親しくしている人。知人、友人。朋友。
5 (略)
6 (略)
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988
へんちょう【偏重】
(形動)一方ばかりを重んずること。へんじゅう。「知育偏重」
(形動)一方ばかりを重んずること。へんじゅう。「知育偏重」
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988
◎ しかし、当時、マスコミによって「受験戦争」と表現された私たちの勉強及びその環境は、本当に「知識偏重」だったのだろうか。いや、決してそんなことはない、と、断言したい。ある程度まとまった量をこなす勉強の中で、本物の思考力や表現力は鍛えられるのだと声を大にして言いたい。
◎ 少なくとも、小・中・高校時代くらいは、ある程度まとまった勉強の量をこなす中で、知識は「使える知識」へと醸成され、筋道を立てて考え、結果を類推できるだけの思考力が身につくのではないか。
◎ 現在の小学校で、昔からある副教材「くりかえし漢字ドリル」「くりかえし計算ドリル」を買わせておいて、授業中にはまったく使わせず、ほとんどが宿題用の教材で終始する。「くりかえしドリル」が「くりかえさないドリル」になっている。その結果、一人一人の子どもがどの程度漢字が書けるようになったか、計算力が身についたかを把握しないまま次の学年に持ち越される。このへんの事情が、「学力低下の底なし沼」を作り出している元凶のような気がしてならない。
◎ 大学2年生のとき、「形式陶冶」「実質陶冶」ということを学んだ。
けいしき‐とうや(‥タウヤ)【形式陶冶】 教育学で、教科や教材の内容よりも、思考力、想像力、意志などの精神的諸能力の訓練に重点を置くべきだとする考え。
じっしつ‐とうや(‥タウヤ)【実質陶冶】 生活や生産に即した知識・理解・技能を授けて、精神の内容的側面を育成しようという教育的主張。
とうや(タウ‥)【陶冶】
1 陶物(すえもの)をつくることと鋳物(いもの)をつくること。転じて、物をつくること。
2 もって生まれた性質や才能を、円満に育てあげること。育成すること。養成すること。「人格を陶冶する」
1 陶物(すえもの)をつくることと鋳物(いもの)をつくること。転じて、物をつくること。
2 もって生まれた性質や才能を、円満に育てあげること。育成すること。養成すること。「人格を陶冶する」
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988
◎ 現在の小・中・高校の教育では、どちらの「陶冶」も成立していないように思われる。第一、こんなことを考えながら教壇に立つ教師などいないし、いなくてもよいと思う。もしかしたら「陶冶」という言葉自体を知らない教師が多くなったのかもしれない。知っている教師も、現実の授業実践と「陶冶」の理論を結び付ける人はいないだろう。
けれども、自分が教壇に立って子どもたちと向き合い、「この1時間、何をどのように教えようか」という思いだけは明確に持って授業に臨んでほしい。
こんなことを取り留めもなく考えながら、来週水曜日の合格発表を、生徒とともに冷や冷やしながら待つことにしましょう。