先日、ブログでお世話になっている方からメールを頂き、半月以上もブログを書かなかったことに気が付きました。先月中旬に体調を崩して以来、ブログを書こうという気力までが萎えてしまっていたのです。
 体が不調になると心も不調に陥ることを身をもって知りました。
 「それを色心不二
しきしんふじと言うのじゃよ」という良寛和尚の声が聞こえたような気がしました。
 いつもブログで学ばせていただいている鵜崎巨石さんがお書きになった本日(12月5日)のブログを読ませていただいたら、その内容に深く感動し、さらに鵜崎さんからコメントの返信を頂戴し、ふつふつと「ブログを書こう」という元気が湧いてきた次第です。
 この半月の間の出来事は近日中にブログに書こうと考えています。

閑話休題

 ブログで交流させていただいている、アメリカ在住の大湾節子さんの著書『幻の旅路』の読後感を書かせていただきます。
 第1回の本日は、表紙から目次までとし、明日は「序 旅のはじめに」を、明後日は第1章の読後感を書かせていただきます。その後、『言志四録』と交替しながら、各章の読後感を書かせていただこうと考えています。
 

幻の旅路
幻の旅路 1978年~1984年ヨーロッパひとり旅
2010(平成22)年8月30日 初版第1刷発行
著者  大湾節子(おおわん・せつこ)
発行者 堀内明美
発行所 有限会社 茉莉花社(まつりかしゃ)
発売所 株式会社 本の泉社
定価:本体2,800円+税

2014(平成26)年11月18日 購入


 本書を手にして、まず、素晴らしい装幀に気づかされました。
 大湾さんは、高い芸術性をお持ちの方だな、と、敬服しました。

 表紙の帯には、短い言葉ですが、本書の内容を端的に語る文章があります。
--ここから
東京を旅立って40年、ついに彼女は日本に戻らなかった
遠い昔、遙かな道程
緑なす山々、幻の旅
まだ若く独身だった日々の、一人だけのヨーロッパ冒険旅行
それは彼女が異邦人として人生を作る、人間探しの旅だった

--ここまで

 私は「異邦人として人生を作る」、「人間探しの旅」という言葉に惹かれました。そして
、本書は単なる紀行文ではないようだ、ということを感じたのでした。

 帯の裏には次のような文章が続きます。
--ここから
1970年代にロス・アンジェルスに留学し
その後の人生を永遠の旅人として生きた
ある一人の日本人女性の人生遍歴の記録

「あのころ、私は世界のどこかに
幸せの場所があると信じていた」

--ここまで

 読後感をどのように書くか、迷いました。大湾さんの人生記録を「分析」したり「批評」したりすることは無意味であり、礼に欠ける行為だと考えましたので、本当に「読後の感想」にとどめることにしました。

 表紙をめくると、内表紙があり、ふつうは目次から本文へと続くのですが、本書は異なります。
 内表紙をめくると、「
追憶の場所、旅の記録」と題したカラー写真が、32ページにわたって、40枚掲載されています。すべての写真に撮影年月日と説明文が付いています。

 圧巻です。どの写真も落ち着いていて、高い芸術性と清潔感に溢れ、凛とした気高さを感じます。
 
大湾さんは、紀行文だけでなく、選びに選び抜いた1枚1枚の写真、それも32ページ40枚、に、確かに存在した「幻の旅路」を語らせることを意図したのではないか、と、推察しました。

 私は、6~7ページの「スイス アデルボーデン 1993.08.30」の写真が気に入りました。「山のあなたの空遠く 幸住むと人のいう・・・・・・」という言葉が添えられているところに、大湾さんの根っこは、やはり日本人ということなのだな、と、勝手に考えています。

 すべてが大湾さんの人生そのものの写真なのですが、私は、8ページの下段「
湖が目の前に見えるブリエンツ・ウェストのレストラン 1987.08.29」という写真の「野の花」に、大湾節子さんそのものを感じました。清楚で可憐です。
 つまり、
この写真が私にとっての大湾節子さんという女性の心象なのです。理屈ではなく、直観です。

 この「
追憶の場所、旅の記録」の写真集に続いて、目次があります。
 目次の最後に、「参考資料リスト」とありましたので、巻末の「参考資料 データ・リスト」を見ますと、驚きました。
主だった国々に関するウェブサイトのURLがまとめられていたのです。2010年というインターネット時代に出版された、ということも、大湾さんの先見性の賜物ではないかと感じ入りました。

つづく


追伸
 万一、この読後感が大湾さんにとって不愉快なものであったならば、即刻削除いたします。