先日、『慕われる生き方 良寛さん』(中経の文庫)を手にして考えました。「原書でなくても、原書と同等の内容構成の“明磧先生の著作本”ならば、原書の持ち味を継承しているのではないか」と。
 そこで、「日本の古本屋」「アマゾン・マーケットプレイス」で検索をし、柏樹社の『良寛さん 新装普及版』と現代教養文庫の『良寛さん』を、できるだけ状態のよい本を選んで買うことにしました。

 柏樹社の『良寛さん 新装普及版』を昨日入手しました。

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良寛さん 新装普及版

1983(昭和58)年3月15日 初版発行

1990(平成2)年5月30日 5刷発行

著者  植野明磧(うえの・めいせき)

発行者 中山信作(なかやま・しんさく)

発行所 柏樹社

定価:本体1,800円+税(古書価格980円)

<帯>

推せんの言葉

万人に贈る絵本=内山興正

 今の日本では天井知らずに物価は上昇してゆく。すべてが大量生産されているのに、それ以上に今の日本人の欲望が激烈にかき立てられているからだ。そのため不安であわれになっているのは、だれでもない今の日本人そのものなのだが、こんな時代にこそ、とぼしく、まずしい良寛さまの安らかな豊かさを思い出したい。これは良寛さまを語り、描くに最もふさわしい著者が、今の時代に喘ぐ大人たちに贈る絵本であり、また次の時代を荷う子供たちに贈る絵本である。

心温まる笑いを!=良寛画庵 植野明磧

 この良寛和尚の逸話集が、お互いの生活のなかに、いくらかでも、人間らしい本当の笑いを、人間にふさわしい笑いを呼び返させ、お互いの心を暖め、お互いの心を豊かにする奇縁ともなってくれるなら、私の喜びは、これに過ぎるものがありません。

2015(平成27)年3月15日 購入

※裏表紙に、別の古書店の値札(600円)が貼付されていた。

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 私は、この〔新装普及版〕を入手して、本当によかったと思いました。
 原書よりも判型が一回り小さいのですが、なんと!明磧先生の画の大きさと文字の大きさが原書と同じなのです。逸話本文の1行あたりの文字数と1ページあたりの行数も同じです。すなわち、原書そのままのレイアウトで判型だけを小さくした(余白を少なくした)本が〔新装普及版〕なのです。
 そのため、文字が大きく感じ、明磧先生の画も、ぐっと迫ってくるように感じられます。
 「普及版」なので、原書のように豪華装幀本ではありませんが、紙質は十分に上等なものです。
 原書は各務鑛三(かがみこうぞう)氏が装幀を担当し、表紙カバーには良寛和尚ゆかりの手鞠が描かれていますが、「普及版」は、明磧先生の画が表紙の表と裏に装幀されています。巻末の「良寛さんの生涯」と「良寛さんを求めて」も掲載されています。
 帯の裏表も、原書とほとんど変わりません。帯の表には良寛会の内山興正氏の推薦文(普及版は内山氏の肩書きを省略)、帯の裏には明磧先生の言葉があります。

 結論としては、〔新装普及版〕は、「1冊まるごと植野明磧先生本」と言ってもよい本なのです。
 これから明磧先生の『良寛さん』を入手して読みたいと思っている方がいましたら、古書店で手に入るうちに、この〔新装普及版〕を求めるのがよいでしょう。先日、原書は1万円を超える価格で、1冊しか検索できませんでした。(『良寛さん』の販売状況はこちら)

追伸
 今回入手した〔新装普及版〕の裏表紙には、購入先の古書店とは別の古書店の値札が貼付されていました。なるほど、古書は複数の古書店を経由して、縁のある人のところへ旅をしているのだなぁ・・・と、感じ入りました。

 『良寛さん』原書初版本(Atsukoさんからの贈呈本)の写真は、すべての逸話の読後感を書き終えたあと、植野明磧先生を顕彰するときに、ブログに載せたいと考えています。