「辞書の品格は序文に表れる。」を書く前に、高2の生徒Cさんから質問を受けたことを書きたいと思います。
 学校の漢文授業の予復習をするため、漢和辞典をどのように使ったらよいか教えてほしいというのです。

 Cさんの質問をまとめます。
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○ 漢文は現代文より難しいと感じている。
○ 
漢文の勉強には魅力を感じるが、学校の漢文授業は、先生の解説がほとんどなく、プリント記入型で、よくわからないまま進んでしまう。
 ※ Cさんの学校の授業で配られるプリントは、問題集の抜粋のようなもの。
○ 小説や論説文などの現代文を読むときに国語辞典を引く習慣がついた。漢文も、漢和辞典を使いながら、興味を持って(
ブログ筆者註/学ぶ喜びを感じながら)自学することはできないだろうか。
○ これまで漢和辞典は、漢字の読み方を知るために、その漢字1文字を引くだけの利用しかしてこなかった。「漢字1字」ではなく「漢文を読む」ためにも漢和辞典は使えるのだろうか。
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 下の漢文は、Cさんが示した高校2年の「古典B」(大修館書店)に登場する、司馬遷の『項王の最期』より「(一)四面皆楚歌す」にある本文の脚注です。
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 Cさんは、この漢文を漢和辞典を使って自力で読みたいというのです。
 いっしょに勉強を始めた高1の夏の頃のCさんとは比べものにならないほど、向学心が育ってきて嬉しい反面、Cさんの質問に自信をもって答えられない我が身を恥じました。

 私が指導できたことは次のレベルまでです。1文目を例に書きます。
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「漢兵已ニ略シレ地ヲ」
(Cさん)「漢兵」は漢の兵隊のことだろう。
(Cさん)「已ニ」は読みも意味もわからない。
(私)
「已ニ」
は「已」を漢和辞典で調べよう。よく似た漢字「巳」「己」があるはずだから併せて調べよう。
  ・(Cさん)漢和辞典には「
己」「巳」「已」の順で載っている。
  ・(Cさん/「
已」の項を読んで)「に」という送り仮名が付いているので「已に」は「すでに」と読むのではないかと考えた。
(私)「地ヲ略シ」は漢和辞典で「略」を引いて「
地ヲ略シ」が載っているかどうかを確認する。
  ・(Cさん/「略」の項を読んで)
「地ヲ略シ」そのものは載っていなかったが、「侵略」や「略奪」という熟語があるし、「攻めて取る」という意味があったので、「地を略し」は「漢兵がすでに土地を攻め取った」という意味だろう。
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 Cさんは「漢文の勉強に初めて漢和辞典を使った。面白い。」と言ってくれましたが、私は、上記のように、共に教科書を開いて、共に漢和辞典を引く、という指導しかできません。

 私は、教科書ガイドなどの参考書を読んで、なんとなくわかったつもりで終わるよりも、教科書と辞書とで自学を深めるほうが
「わかった!」という納得のいく理解が得られるのではないかと考えています。同時に、大学入試に向けて、限られた勉強時間の有効活用も考えなければならないとも考えています。

 適切な漢文指導とは、どうあるべきかを含めて、上記のCさんの質問にどう対処してあげればよいか、ご指導をお願いいたします。