生徒のための参考書を探していたとき、偶然に発見したのが次の本です。(着色と太字はブログ筆者による)

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英文解釈(1)

思考訓練の場としての英文解釈(1)
1973(昭和48)年1月20日 第1刷
1991(平成3)年3月20日 第12刷
1992(平成4)年4月20日 第22刷
2002(平成14)年10月20日 第25刷
2005(平成17)年6月20日 第26刷
2007(平成19)年6月20日 第28刷
2008(平成20)年1月20日 第32刷
2009(平成21)年6月20日 第35刷
2011(平成23)年6月10日 第38刷
2014(平成26)年9月20日 第41刷
著者  多田正行(ただ・まさゆき)
発行者 山田克己(やまだ・かつみ)
発行所 株式会社 育文社
定価:本体1,700円+税
<帯>
おまたせしました。
幻の名著!と受験生に語り継がれた思考訓練、重版出来。
※本誌は第12刷以降、重版での修正・加筆はありません。
偏差値90が目標の諸君へ!
これで英文解釈の概念が基本から崩れるだろう。
さあ!思考訓練の場へ!
2015(平成27)年2月2日 購入
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 この本は生徒に使わせるためのものではなく、「思考訓練の場としての英文解釈」という書名に惹かれて、自分のために出版元から取り寄せました。
 パラパラとページをめくるに連れて、なんだか「懐かしさ」を感じてしまいました。私が高校生のときに大学受験のために使っていた問題集と、レベルの高さがとてもよく似ていたのです。

 「懐かしい」と感じたわけは、本書の初版が、私が高校2年の時と重なるからでしょう。

 今の中・高生が学ぶ、コミュニケーション重視の英語のカリキュラムとは、およそかけ離れています。

 「思考訓練の場としての英文解釈」という書名を、私の言葉に置き換えると、「頭脳を鍛えるための英語(言語学)」という表現になります。


 私は、本書が学力向上(頭脳を鍛えること)に役立つと考えています。このことについては別の日に考察することにして、今、私が気になっていることは、本書の発行年月日です。


 1991(平成3)年から1992(平成4)年にかけて、たった1年で10刷発行されています。


 なぜ、この年に爆発的に売れたのでしょう。非常に気になります。


 1991年に、大学入試の状況に大きな変化があったのかと想像しながら調べてみました。


◎
大学審議会は、それぞれの大学の創意工夫による柔軟なカリキュラム編成が可能となるよう大学設置基準を大綱化することを提言し、平成3(1991)年には一般教育科目や専門教育科目といった制度上の枠組みを外すなどの大学設置基準の改正が行われた。

◎
大学院の整備が進み、実際に、大学院の規模は急速に拡大した(9.8万人(平成3(1991)年)→20.5万人(平成12(2000)年))。

 ─ 「我が国の高等教育の将来像」(文科省HP)より


◎替え玉受験が事件として報道された。

 ─ 「替え玉受験」ウィキペディアより


 このくらいしか、ネット検索ではわかりませんでした。


 ただ、帯広告には、「本誌は第12刷以降、重版での修正・加筆はありません」と明記されています。つまり、本書は、長い年月、修正・加筆されずに売れ続けてきた、大学入試向けの英文解釈問題集であることがわかります。

 売れ続けていること自体は喜ばしいことだと思っているのですが、ゆとり教育に突入後も、なぜ、売れ続けているのか、不思議でなりません。

追記

 1991(平成3)年は、私の居住県では「学校週5日制」が試行され、毎月2回、隔週で土曜日が休業になった年度でした。つまり、本書が爆発的に売れた年は、まさに「ゆとり教育」実施への狼煙が上がったような気分になったことを覚えています。
 そして、翌年1992(平成4)年は、学習指導要領に「新しい学力観」が明記され、小学校低学年では、理科・社会科が統合されて「生活科」が生れた年でもあります。
 教育施策に対して「総論賛成・各論反対」の声が上がり始めた年でもありました。