友達と会う約束がありました。会うのが久しぶりなので気持ちが急いたのか、随分早めに八王子駅に着きました。駅の周りには有志の方々がボランティアで鉢植えの花を植えて管理しています。真夏の強い日差しの中でも、真冬の冷え込む日でも、絶えることなくいろんな花を見ることができます。

 

いつものように写真を撮りました。

アネモネとパンジーです。

 

こちらは植えたばかりと思われるノースポール。

 

写真を撮っていると、60代前半の女性が私に声をかけてきました。

「この駅前広場、花がきれいよね。南口のもまた違った種類のがあるわよ」と。そして花を一つ一つ指さしながら名前を教えてくれました。

 

お話が好きそうな方のようです。私は「ごゆっくりご覧になって、私は南口からバスに乗るので」とお先に失礼しました。

 

彼女と別れ私は南口に向かって歩きました。構内を突っ切ると南口です。半分ほどの位置まで来た時、後ろから肩を叩かれたのです。とっさに思いました『あ。何か落としちゃったかな(写真撮るのに夢中で何か落としても気が付かないことはよくあることなので)』と。

 

振り向くとなんとさっきの女性でした。「私これから◯※△病院(聞き取れない)へ行くのよ」と言うのです。「あら、お元気そうに見えるけれど、ご病気ですか」というと、「ううん、私じゃなくてダンナ。転んで骨折したの。だから毎日様子見に行ってるのよ」「毎日?それは大変ね」「だからあそこの花見るのが毎日の楽しみなの、その事を言うの忘れたと思って、追いかけてきちゃったわ、じゃあね、私はこれから横浜線」と、改札口の前でバイバイ手を振っていなくなりました。毎日病院へご主人を見舞いに行くなんて・・・ きっと気晴らしに誰かと話したかったのでしょうね。

 

彼女を別れて、南口のバス乗り場へ。早く着いたのでまだ誰も並んでいません。

曇り空ですが雨は降っていません。風もないので暖かく感じます。バスを待つ人たちのためのベンチでのんびり過ごしていると、隣に50代後半に見える女性が座りました。「雨降らなくて良かったわね」と話しかけてきました。「風もないから助かるわね」と私が言うと、彼女は介護のお仕事をしていて、今日は遅番。傘は持ってこなかったという話をし始めました。え?また? 知らない人に話しかけられたのは二人目。よほど私、隙だらけなんだと思いました。同じバスかなと思っていたら、別の方向行きのバスに乗って行ってしまいました。初めて会った人なのに、友達みたいにお互いにバイバイと手を振りました。

 

仕事をしているといかに大変なのかを誰かに話したいんだろうなと思いました。私は最近大変だと思ったのはインフルエンザにかかったことですが、『私、12日前からインフルで寝込んでいたのよ』なんて話すと相手が警戒するだろうと思って、話しませんでした(もっともマスクはしていましたが)。それ以外に大変なこともないので、話すネタは何もありませんでした。相手の話を聞いていたら、彼女の乗るバスが先に来ました。「あ、これに乗るのよ、じゃあね」まるで友達と別れるみたいに、二人でバイバイと手を振って別れました。

 

本物の友達に会う前に、名前も知らない二人とお話しするという、変な日でした。

 

あっぽ