あのポケットに手を入れられた日から、寒い日はいつもそんな風に手を繋ぎながら彼のポケットに手を入れられる事になった。

 

中学生だからお小遣いには限度があるし、徒歩圏内にしか行けないわたし達はいつしか図書館をデート場所にするようになった。

 

でも

 

 

図書館

 

 

お喋りする事もなく、向かい合わせで本を読むデート。

 

今思えばおかしくなっちゃう。

 

 

 

そしていつしか季節は春になり、わたし達は3年生になった。

 

 

わたし達の中学のバスケチームは弱かったので5月には早々に引退となり、Syunのサッカーゲームを観戦に行けるようになった。

 

 

その日は朝から曇ってて、ゲーム中盤には雨が降り始めた。

 

 

サッカーは雨天でも続行される為、わたしは応援席で雨の中応援をしていた。

 

 

後半になると雨が次第に強くなり、Syunがベンチに下げられた時だった。

 

 

急いでわたしに駆け寄って来たSyunはわたしに

 

 

学ランをかぶせて

 

 

ベンチに戻って行った。

 

 

Syunは175㎝、わたしは156㎝であったから、その学生服は頭からかぶっても十分に雨をしのげるものだった。

 

 

わたしはそんなSyunの優しさに包まれてゲーム観戦を終えたのであった。