母の病気、脊髄小脳変性症について書いています。


医師にもよくわからない病気だと言えると思います。

明確な治療法がなく、症状を遅らせると言ってもリハビリをするだけ。

どんどん体の自由が利かなくなり、患者にとってつらい日々になります。

1日1日、動ける日が少なくなっていくのです。


そんな中、ボランティアでお世話になっていた方が

「電気治療というのがあるらしいよ」

と教えてくれました。

「連れて行ってあげるから一緒に行こう」

とまで言ってくださいました。

私はとてもありがたく思いました。

西洋医学で治せないなら、何にでもすがりたいです。

東洋医学である漢方などは既にやっていました。

電気で運動機能の神経を刺激して云々というものだそうです。


でも、患者本人である母は

「行かない」

という答えでした。

なぜ断る必要があるのか、理解できませんでした。自分自身のことなのに。

何か一つでも道が開けるのなら可能性に向かって行きたいと思うはずです、誰でも。

でも母は明確に行きたくないと言いました。

他人を重んじる性格の母が、自分の意思をきっぱり言うのは珍しいことでした。

何回か説得してみようと思いましたが、結局お断りしてしまいました。

何だか命をあきらめるみたいで、私には納得いきませんでした。


脊髄小脳変性症にかかる前にもう一つ難病にかかっていた母は、

病気になったということに対し、大きな罪悪感を持っていました。


規則正しい生活をしていたのに難病を二つも抱えてしまって、

私はむしろ母を被害者と思っていました。

当然、母本人もそう思っていると思ったんですが逆でした。

自分の病気のせいで、家族を犠牲にしてしまっている。。。申し訳ない。。。


これ以上わずらわしい事を増やしたくない、と思っているようなのでした。

特に、父には話したがらない様子でした。


不治の病をなんとかしようとするのに、反対する家族がいるでしょうか?

普通に考えたらいるわけがありません。

でも、その時の私達家族はどこかゆがんでいて、

素直にそう考える事が出来なくなっていたように思えます。


病気は、患者の身体だけでなく、患者とその家族の心まで蝕むようでした。