練習は大丈夫?と思ったけれど…本番で見たプロの凄さ|ヴァッロンブローザ | 人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

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フィレンツェ在住26年の、ジュエリークリエーターKaorukoが、物作りについて、イタリア子育て生活をまじえながらお伝えします。

ヴァッロンブローザ滞在二日目は


朝からトレッキングに参加するか?


主人が公演予定の

朗読とアンサンブルの練習を見に行くか?


で迷ったけれど、


この朝のトレッキングは結構なハードコースらしく

私の履いていたスニーカーが、トレッキング用ではなかったので、

自然の中の散策は諦めて


主人とミュージシャンたちの予行演習に同行することにした。



近くのヴァイオリン奏者の自宅へと場所を移すことに。


アンサンブルのメンバーのうち、フルートと第一第二ヴァイオリン奏者は集っていたが、

ヴィオラとチェロ奏者の姿はなかった。


すでに練習は始まっていたので、

挨拶もそこそこに、朗読の主人も加わり、


私は奥のスペースで、私と同じような待ち組の奥様と共に過ごす。


あまり体験したことのない練習風景は、私にとって興味深いものだった。


そして、この日の夕方が本番だというのに、

全くもって完璧には程遠い状態にも驚いた。


しかも二人の奏者はいない。


もちろん、イベント前に全員での合わせはあるのだろうが…




練習の後のランチの用意を

今回ご自宅に招いて下さった第二ヴァイオリンの奥様が始められたので、


途中から生ハムを盛り付けたり、椅子を動かしたりと

小さなお手伝いをする。


練習後の軽い昼食時間も、有意義な時間だった。



ミハエル(第一ヴァイオリン)はドイツ人で、ウィーンフィルで演奏していたこともあり、

有名奏者との共演や日本での公演についても語ってくれた。



ロベルト(第二ヴァイオリン)の奥様とは昼食用意をしながら、おしゃべりしていた時に

「毎週イタリア国内を移動ばかりなので、家が中々整頓できない。」

と聞いていて、


奥様も音楽家なのだろう。

と勝手に思い込んでいたら、


マックスマーラのスーパーバイザーだということがランチの時の会話で分かり、驚く


大忙しの毎日でありながら、こうして急なランチも、

手早く用意できる彼女のパワーと

ホスピタリティに脱帽〜


貴重な出会いに感謝しつつ、




さてさて本番の朗読演奏会へ。


まるでミサの時のように教会内には人が集っていた。




演目はフランチェスコ サベリオ ジェミニアーニ(1687-1762)作曲の

La Foresta Incantata (魅惑の森)


これはトルクァート タッソ(1544-1595)の叙事詩

La Gerusalemme Liberata (エルサレムの解放)

を元にしたパントマイムバレエのために作られた曲。


今回、主人の朗読するタッソの叙事詩との組み合わせで演奏された。






第一次十字軍がエルサレムを異教徒たちから奪還するというのがあらすじだが、

「十字軍側のタンクレディが異教徒の騎士を倒したと思いきや、

それは鎧を着た愛した女性だった。


タンクレディは森の中で悪魔に翻弄される。

糸杉を切り付けると、幹から血が吹き出し、

愛した女性の悲痛な声が聞こえてくる。」


などのメロドラマ要素もたっぷり。





この叙事詩は古典であり現代イタリア語とは大違いなので、難しいテキストではあるが、


音楽との組み合わせで、どんどんと森の中に引き込まれる。


タッソのこの叙事詩は、生前すでに有名であり、

これに影響された音楽や絵画もどんどん生み出されたという。




森の中にあるヴァッロンブローザ修道院の静謐の中、


美しい音色が響き、


朗読による幻想の騎士たちが目に浮かんでくる。




大きな拍手の渦に包まれた素晴らしい公演となった。






実を言うと

主人は前日の晩、ポルチーニの食べ過ぎたのか?

胃腸の調子が悪く、


また昼のアンサンブルの練習を見ていた私は


一抹の不安があった。



しかし、プロはすごい!


本番にはきっちりと合わせてくる。


再び脱帽‼️



海から山へと向かった週末は

こうして、エキサイティングな終わりを迎える。


素晴らしい音楽に触れ、

素晴らしい人たちに出会う。


そんな時間は、私自身の創作意欲も静かに刺激してくれる。



さあ9月の声を聞いて、

イタリアの街もそろそろヴァカンスも終わりである。






ハートリング 925シルバー サファイア



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