
玄侑宗久さんの作品はいつも心に沁みます。穏やかにゆっくりとお話を聞いているような、決して諭されず、決して急ぐこともなく。
花壇と庭のあらゆる木々をのこぎりや鎌で幹のみを残し切ってしまった父親。その残骸が縁側から築山のようにみえ、その下に、龍が確かに生きていると感じる。
認知症を発症した父親の介護のために
経営していた喫茶店 を閉めて実家に戻った幹夫 龍が淵の公園を徘徊する父親の後を追う時に出会った女性佳代子。
父に寄り添い、父の心を感じようとする中で、変化していく家族と、佳代子。
人の心に棲む『龍』。龍が追い求める『珠』とは。
介護をする側とされる側、どちらが癒されるのか、どちらも癒されているのか。
入院中に、見当識障害になり、
私に、「ここは作られた映像の世界なのだろうから、真実を証明するために、ハンカチを濡らしていま、目の前で絞って見せて」といった母のことを思い出しました。
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