『猫を棄てる 父親について語るとき』村上春樹 文藝春秋
台湾出身のイラストレーターによる懐かしい匂いのするイラストとともに、絵本のような少し厚い紙質を使った頁で、ペーパーバックサイズの単行本。2020年2月に出版されている新しい本です。村上春樹さんの今の心境がわかるようです。
感想
💮
この作品が村上春樹さんの中で私は1番好き。
『海辺のカフカ』『ノルウェーの森』(3回挑戦し、気分が悪くなって断念)とは別物の作品。
この本のことを、『個人的な文章』『読者はこんな個人的なことに興味があるだろうか』と書かれていますが、むしろ、『そのまま、言葉にして』伝えたこの本、私はずっと他の作品より好きです。
この作品で、村上春樹さんの人となりがわかり、素直に率直に書いているこの作品、好感がもてました。
それではだめなのでしょうか。
難解で、「辻褄を合わせない、未回収の物語があってもいい」と朝日新聞のインタビューで読みましたが、どうしてそんなことをするのでしょう。私には理解できません。
この作品のようなら多分、今みたいに世界の村上春樹にはなれなかったでしょう。外国語に翻訳もされないでしょう。
でも、私はこの作品の方がすき。
こんな作品を書くためにあなたは生まれてきたのではないのですか?と言いたい。自分のために作品を書いてもいいのではないかと。
ここからネタバレあり
この作品では、
筆者自ら言うように
最も人間にとって大切なこと
存在の意味について 書いてあります。
猫を棄てたエピソード
戦争と人間、偶然から生まれるものとその存在のもつ使命
生まれた時から猫がいつも環境の中にいたことから、このタイトル、この文章を創りあげるところは、本当に流石だし、筆者の心根が現れていて嬉しかったですし、そのような出来事全てが、本当に、私たちを作り上げるのだなと改めて思いました。
