殿様砲術と射撃練習 | todou455のブログ 火縄銃ときどき山登り

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 射撃名人のブロ友さんから,鉄砲の上手な人には,共通した特徴があると聞かされた。

①器用であること。 ②メンタルが頑強。 ③お金に余裕があること。この三つだそうだ。

 たしかに射撃は,練習にお金のかかるスポーツである。伊勢守流砲術を創始した佐伯藩主の毛利高政は,射撃練習で十反帆船一艘分の火薬を数年で使い果たしたというから,驚くしかない。十反帆船なら,おそらくドラム缶で12本分の積載量はあっただろし,当時火薬原料の硝石は輸入に頼っていたから,よほどお金がかかったことは間違いない。

 

伊勢守流の大鉄砲

上から順に,

        秋風の筒     全長201.0cm 口径1.8㎝    榎並屋勘左衛門 作

        焔魔王の筒   全長277.9cm  口径2.2㎝    芝 辻  清 衛 門  作

        四海波の筒   全長281,5cm  口径2.5㎝     榎並屋勘左衛門 作

     

 お金持ちと言えば江戸時代の大名の中には,自ら砲術流派を立ち上げた殿様が少なくない。盛岡藩主の南部行信は,心的妙化流砲術を創始し五代将軍徳川綱吉にその砲術を披露している。

南部藩の鉄砲

 

  寛政の改革を行った白川藩主の松平定信は,三田野部流砲術を創始し,幕末の丹波笹山藩主の青山忠良も御流儀砲術を創始した。水戸烈公と呼ばれた徳川斉昭に至っては,神発流砲術を創始し,早朝から薄暮まで1日実に1000 発の修練を行うなど,その総数は,数十万発におよんだといわれている。

徳川斉昭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

 今でも弾薬代や射場使用料,往復の足代などを含めれば,1回の射撃練習で,福沢諭吉先生一枚くらいは軽く吹っ飛んでしまうだろう。素質や才能もさることながら,猛練習失くしては,名人の域には達せないし,好きなことはやめられない。それでいいのである。