短筒を調べてみる。 | todou455のブログ 火縄銃ときどき山登り

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短筒を調べてみる。

携帯性及び隠密性に優れているが,効果的な射撃を期待できない。

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口径1.2cm全長28.0cm 銃身長13.3cm  富山県登録

長さは30センチ程度のものを短筒とよんでいる。重量は,数百グラムが通常で、重くとも1キログラム以下である。銃身が短いため有効射程は10メートル以下と考えられ,室内戦や近距離戦闘で主に使用されたものだろう。
本品は,全長は28.0cmしかなく,片手射撃も可能だが,銃身や銃床の握り部分が短いため,正確な射撃を期待できないと思われる。実際,空砲射撃を行ったところ,銃自体が軽いため,上への跳ね返りが強く,落としそうになった。

安政二年の『藝術秘伝図會』には絵図があるが,砲術流派の伝書には,記載がみつからなかった。

江戸時代の砲術流派の伝書を調べても短筒の記録を見たことはなく,どのように用いられたのか明確にはできなかった。ただ,安政二年に出版の『藝術秘伝図會』には,馬上で射撃している様子や合図の鉄砲として用いられいる様子が描かれていた。

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     射程が短く正確な狙いを期待できないため,
     実際の戦で有効だったかは疑問が残る。

短筒は,携帯性及び隠密性に優れており,懐に隠したり、腰に差したりすることも可能だ。このことから,護身用や暗殺兵器としても用いられたと思われる。
腰に差して置けることから,緊急時における予備の銃としても利用されただろう。火縄銃は装填に時間がかかるが,あらかじめ弾薬を装填しておき,玉留の紙を詰めておけば,緊急時に役に立つはずである。

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    合図のための信号銃としては,役にたったと思われる。

はっきりとした記録を見つけられなかったため,銃器の特性から推定するしかなかったことを付言する。逆に,記録が見つからないということは,利用されることが少なかったか,特殊な兵器だったと考えられる。