9月14日に新刊『子育ての「選択」大全』(KADOKAWA)が出ます。その始めにをここで公開します。
はじめに
ベビースイミングから難関大学受験塾まで、子育てや教育におけるさまざまな選択肢の意味を網羅的かつ簡潔に解説する本です。これまでに書いた70冊以上の書籍のおいしいところばかりを幕の内弁当的に詰め込んでいます。
私はカリスマ教育者ではありませんし、教育学の権威でもありません。『シートン動物記』のシートンや『ファーブル昆虫記』のファーブルが生き物たちの命の営みを観察するのが大好きだったように、私は、教育現場における命の営みを観察するのが大好きな、いわば「教育観察者」です。
教育者ではありませんが、その代わり、本書の内容は、ほぼすべて、私自身が現場に足を運んでこの目で客観的に見た幅広い情報をもとにしています。学者ではありませんが、その代わり、それをいいことに、観察者として得た確信を、この本ではある程度断定的に記述したいと思っています。
子育てや教育において、いつ、どんな選択肢があり、それぞれにどんな意味があるのかを説明することで、読者のみなさんが見通しを立てて、その都度慌てずに選択できるようにするのが本書の第一の目的です。
0歳から18歳まで、つまり誕生から成人までの主な教育的選択を網羅していますから、子育てや教育に関する重要語句の意味を知る事典のような役割も果たしてくれると思います。その意味ではどこでも好きなところから読んでください。
一方で、全体を通して読んでもらえれば、子育てや教育に対する視野が広がる効果もあると思います。わが子の教育に関して何らかの選択をする際に、より広い文脈で思考ができるようになるはずです。
序章では、昨今グローバルに展開されている新しい教育観に関するキーワードを説明しながら、これからの子育てや教育に関する選択をするうえで必要な7つのリテラシー(適切に理解・解釈・活用する力)を提示します。
第1章は、モンテッソーリ教育やシュタイナー教育など、世界の有名な教育法の理論と実践を紹介します。7つもの教育法をこれだけコンパクトにまとめて読める本はなかなかないはずです。またこの章は、子育ての視野を広げるのにも役立つと思います。第2章は、幼稚園、保育園、こども園、さらには民間学童も含めた保育施設について。第3章は、ベビースイミングからプログラミングまで、習い事について。第4章は、公文式などの学習教室や、通信教育教材を個別具体的に紹介します。第5章は、小学校受験から大学受験まで、日本の受験システムや塾業界の構造を説明します。
終章は、それでも迷いや不安が絶えない親御さんたちへのちょっとした処方箋です。
巻末の「愛と逆説の子育て論」は、諸説あって、保護者として判断に迷うであろう子育ての選択に対する私なりの考えを、かなり大胆に述べたものです。さまざまな専門家に見解を聞いた経験のほか、私自身の元心理カウンセラーおよび元小学校教員としての知識や経験、そして親としての数え切れないほどの失敗を踏まえています。ここに、私の教育観がいちばん顕著に表れているかもしれません。いわば「おおた節」。参考にするかしないかはみなさん次第です。
目的のページにたどり着きやすいように、巻頭には子育てや教育に関する選択の全体像を時系列で一覧できる折りたたみの表を用意しました。各見開きに対象学年がわかるツメをつけ、巻末には索引もつけました。
紹介した団体や企業については、できるだけそのホームページのQRコードを添えました。本書を読んでさらに詳細が知りたくなったときには、スマホをかざせば瞬時に詳細情報にアクセスできます。
一人でも多くの親御さんたちにとって、始まったばかりなのに結構残り少ない子育てライフを自分らしく歩んでいくためのガイドブック的な役割を、本書が果たせればうれしいなと思います。
