近鉄雑感・・・難読地名 <三重県の巻・2回目>の編④:半島部と沿岸部の街 | 余生庵 カラスの晴耕雨・読ぶろく…クンセイが肴

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 「記事更新頑張りましょう」といったコメントにはお返事できま
  せん。

今回は「三重県・難読地名2回目④、半島部(伊勢市、鳥羽市、志摩市)と沿岸部の街・南伊勢町」

と題しまして、難読地名シリーズの最終回(のつもり)であります。

 

本文を始める前にヒトコトお詫びを(またかよ)・・・

 

始め、「松阪市」よりこちらを先に記事にするつもりで考えておりましたので、

①県北

③松阪市

④今回(始めの計画では②)

という並びになっておりまして②は欠番となっております(始めの計画がガサツな建て方だったのね)

***<図ー1:今回ご紹介の街と字のラインナップ>***

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<半島部の街>

⑤伊勢市

 ⑤-19:#小木 :「こうぎ」 →おそらく出だしは「こぎ」だったのでしょう。それが「こうぎ」へ。

            確かに「う」を入れますと、全体の雰囲気が優しくなります。反面難読になってしまいました。

            発音ははじめから「こーぎ」だったと思われますが、「厚誼」「好誼」などに通じ、「親しさ、

            あたたかみ」など連想させる地名にしたいという方々が多かったと考えられます。

  ⑤-20:■宮後 :「みやしり」  →「後」を「しり」とよむ類例は、例えば北方四島の「国後くなしり」などに

             見ることができます。しかし、どのようなとき「しり」と読むべきなのかは検討できて

             いません。

  ⑤-21:■床ノ木 :「いすのき」 →「床」の字を見た瞬間からややもしますと、「ゆか」のイメージから離れなく 

              なってしまいますが、歴史的には、「ゆか」より「とこ」、あるいは、一段高くなっている

              場所、「腰かけ」のほうが、古くからある字義のようです。ex)一段高いところに座って

              髪を整えてもらうので「床屋」。ただ、「床」の字自体、あまり使われなくなってきつつ

              ありますので、(最近では「寝床」くらいでしょうか?」いきなり「いす」と言われると、

             かなり意表を突かれますね。

  ⑤-22:*神津佐 :「こんさ」→「かみ」の訓読みは「かみ・かん・こう」のみであります

             慣用的に認められております「かみ」の文字の読みは「神酒みき、神楽かぐら」、それに

             「神奈川」だけのようです。

             また

             人名事典からは

               あお、か、かむ、きよ、しの、しん、たる、みわ・・・

             地名辞典からは

             別表から

               神戸:かのと、かんべ、こうど、ごうど、こうべ、

               神威、神居:かむい

               こう:神海こうみ、神崎こうさき、

               かん:神吉かんきち

               ・・・・まだまだ「やまのよーに」よみがありまして、ひとつに「こん」があります。

               「津」は「黙音文字・・・発音しない文字」のようです

               ex)「和泉の国」というと「和」は発音していません。元明天皇プロデュースの”風土記”

                 713年「風土記編纂の官命」では、「国名を良字(美字、麗字)を使って2文字にせよ」

                 というお達しが盛り込まれておりました。

                 おそらく、日本で一番有名な「黙音文字」かと思われます。

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⑤-23:◇西垣内: 「にしかいと」→集落や特に「小さな商圏・豪族」が自分たちの縄張りを示すために、

              「垣かき」を巡らせていた時代がありました。武士の出はじめ鎌倉期あたりといわれて

              います。その内側を「かきうち」といったらしいのですが(そーだべ、ふつー)、

              いつの間にか、縄張りの内外の出入り口の扉に土地名の重点が集まり、

              垣内=垣扉ーまたはー垣戸ということになりました。

              内外を仕切る扉の頑丈さ、そこに張り付いている兵隊さんの数の多少が、その集落の

              勢力の強弱を表していることになりますので、いつしか、上に書きましたような、

              「垣内とかいて<かいと>」とよませる」ことになりました。

              ご参考までに、現在常総市の中心となった、茨城県・水海道市ですが、

              現在は

              平安時代の武将「坂上のオジャル丸・・・田村麻呂がこの地で馬に水を飲ませた

              (水飼戸:ミツカヘト)という故事に由来」する説が大勢を占めているようですが、

              私が高校生(昭和50,1975年)の頃までは、「水(オアシス)」が湧いて出ていたところを

              囲ってできた(垣内かいと)、<水+垣内かいとな街(水海道は後世の人の当て字>と

              教わりましたが・・・日本史もずいぶん変わりましたものねー

              

 

⑥鳥羽市

 ⑥-24:■畔蛸:「あだこ」→まず、先頭の文字は、「田を半分にわけている会意形声文字で<あぜ>いう

              字であります。同様の発想で「畦=田を土のかたまりごと分けている様子を表す

              <あぜ>」があります。

              一方で、この字のアトに文字がきて、熟語を作る場合は、お約束があるらしく?

              ①「ぜ」が脱落

              ②「アト」の文字が濁音となる       

             ex)人名ですが:「畔」+「蒜ひる・・・ニンニク類の総称です」

                       =畔蒜あびる(「あぜ」から「ぜ」がとれて、「ひる」に濁音が付きました)。

              そこで「畔」+「蛸たこ」=「畔蛸あだこ」となります。

              もっと、合理的説明があると思われますが、私が今までに見つけることができた説明は

              上記が一番かと考えております。

  ⑥-25:●国埼: 「くざき」→「くにさき」自体は志摩国の東端の位置にありこの名前になりました。

              「くにXX」といった地名から「に」が落ちた形と考えられますが、

              順番として「くに」→「くん」→「く」という過程が考えやすいと思われます。

              国くに→国縫くんぬい:北海道長万部町内→

                  →→国栖くす(古来朝廷内裏式典楽曲演奏を受け持った吉野の部族)

  ⑥-26●石鏡町:「いじか」→地元の古文書「志陽略誌」に「村の前に<石鏡>あり」と記載があるそうですが

               この時の読みは判明していません。

               ただ、「鏡かがみ」という読みが脱落する時は、最後の「み」から抜けていくのが

                   一般的な?時間的変化のようです。

                                          ex)美濃電氣鐡道→名鉄・鏡島線かがしません(大正13,1924年-昭和39,1964年)

                     こちらは「み」だけの脱落です。

  ⑥-27:#相差町:「おうさつ」→当地区は「あい・あう」→「おう」と変化することが多いようであります。

             「相可あいか→おうか」。

             そこに、「<あう>の長音便化した<おう>+<さ>+<連体格助詞・つ>」と

             連結したものと考えられます。

             <連体格助詞・つ>は、「まつげ=目の毛」の「つ」のごとく使われている

             品詞であります。

 

⑦志摩市

 ⑦-28:■迫間→「はざま」

            「迫」には「はざま・はざ」という読みはありません。「せま(る)」が唯一の訓読みです。

            大和言葉流には谷ー山、山―山が「迫ってくるところ」という意味から「はざま」という読みが

          後世慣用的に作られ「迫間はざま or さこま」と二通りの読み方があるようです。

           なお「ハザマ」の考え方については、

            「オケハザマ」2013.5.1.http://hama-sush-jp.pro/teinahoshi/day5-20130501.html

                         もご高覧頂ければ幸いに存じます。

 

⑧南伊勢町

 ⑧-29:*神津佐(⑤-4と振り仮名は同じです

  ⑧-30:●相賀浦:「おうかうら」→この地域は「相おう」とあるいは「相可おうか」とよむ地域が多い様です。

              この地域の「賀か」は「相可の」に良字を当てたとみるべきでしょうw

              また、よく見かける「海にちなんだサンズイの字ですが それぞれお約束事があります。

              そして、日本と中国で使い方が違う場合があります」」

             ・「浦」:川が海にそそぐところ(原義)→入江(大和言葉)

             ・「潟」:以前海であったところが、(地殻変動などの理由で現在陸地・・・新潟

             ・「灘」:操舵に難しい箇所(原義・・・海難)→以前陸地で現在水没(大和言葉・・・玄界灘

  ⑧-31:*飯満はんま→もちろん「はんまん」の詰まった形と思われます。

             最後の「ん」が落ちる時は、次に何かついて合成語を作ることが多いようです。

   

*********分類*****************

◇:本来の読みだが、なじみがない字(最近使われなくなった字)が地名に入って難読になってしまった

◆:「訓読み」がないので「音読み」から、ふさわしい「訓読み」を考えてみたものの

  肝心の「読み」が漢和辞典や国語辞典に載っていないので迷ってしまう

#: 字の脱落や調子を整えるために、余分な一文字の読みを加えたら俄然読みが難しくなった。

⇔: 読みの調子(発音重視)が良くなるよう、本来の読みから1文字脱落させたら難読化

→渡): 渡り音効果、二文字以上の地名で隣同士のひらがなが親戚筋の時一方が片方に吸収され①文字脱落

●:旧仮名遣いを現代発音化、または音便によって読みが複雑化

: 慣例的に古来より使われてきていたが、「死語」となり、難読化したと思われるもの。

 

▲: 2-3文字の地名で「セット」で意味を成す地名:下記の「治田」(2番目に登場いたします)

当): それらしき文字を並べて、オヤジギャグ風の物から古典落語風のものまで・・・「当て字」です

*: 上記の分類に分けられぬ「本来」の難読地名

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三重県・難読地名2回目は今回で最終回です。

さすがに、早くに大和文化が広がったところだけあって、難読地名が、それも

当用漢字表・人名漢字表にない読みの例が、ほかの地域より多かったように思います。

歴史の長さ・深さを感じました。

実は、ご紹介した2回分の2-3倍は難読地がありますが、自分でもさすがに「もーいー」と

思いましたし、どうしても、話がだんだん「近鉄」からはなれていきます。 

 

今回はこの辺で店じまいです。 ・・・「近鉄雑感」はまだまだ行くぞ!!」 

 

最後までおつきあいくださいました皆様、ありがとうございました。

 

また、三重県、難読地名、1回目(問題編は4/15)・2回目を通して

「異議あり!!」とお考えの方!!!御存知の方!!!!

是非、ご教示ください。ご意見お待ちしております。

 

 カラスのクンセイ 拝