夢、どうや?⑥ | 余生庵 カラスの晴耕雨・読ぶろく…クンセイが肴

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残り少ない余生をテキトーにいきていくブログ
◇監修 左上野 老鶴 ◇GM 経田野 横鋤 ◇照明 当代元 蔵志
☆余生を送っている人間が書いている記事ですので、恐縮ですが
 「記事更新頑張りましょう」といったコメントにはお返事できま
  せん。

「空襲警報ーーー!!!」

・・・父(故人)は昭和20年、札幌の旧制・技術高等専門学校(現行の大学の
教養課程程度か専門課程の中間、といったところでしょうか?)の学生でした。
終戦まであともうちょっと・・・といった7月から、連合国機(主に米国)の空襲と
機銃掃射に、校舎はいいだけなぶりものにされておりました。

父を含めた同級の方々は、8月に終戦が迫っているとでも知っていればこそ
逃げ足にも「磨きがかかった?」のでしょうけれど、いつ果てるとも知れない、
連合国の航空攻撃に身をすくめる毎日で、そろそろその忍耐も限界に
刻一刻と近づいていくのでした。

特に、ヒトキワ運動神経が鈍かった父には、担任先生の
「来年、皇紀2606年<昭和21年>はいよいよ貴様たちの学年の
(学徒)出陣の番が廻って来る。
お国のために、また諸先輩に恥ずることのない、立派な敢闘を
相手に見せつけるようにな!
期待しているぞ!!」
という言葉がいつもずしりと胃のあたりにあったそうです。

「どーせ、おれなんか、イチバンに相手のタマにあたって名誉の戦死だ・・・
いやいや、それならまだいーさ!!
へたすりゃ、流れ弾に当たって、何もしないうちに、頭に風穴あいちゃったりしてな・・・
アハ・・・アハハ・・・アハハハ・・・・」


「おい!!こらそこ!!授業中に居眠りするばかりでことたらず
寝言を大声で叫ぶとは俺の授業を愚弄する気か?」

「おい、カラス、おい!」
「なんだよ!!」

周囲から失笑が起こります。

「おまえ、おれの、授業中居眠りし、寝言まで言うとは何事!!
もー一度言ってやる!
俺の授業をバカにしてるんだろう!!」

「そんなことありません。
私は先生の授業の物理的と申しますか・・・理路整然とした
ところが大好きなんです。
(ま、とにかく、オレにオヤジの魂でも乗り移ったのかな?
あんな夢見てしまってサ・・・)」

「ホー。それは、キョーシミョーリに尽きるな、カラス。
それほど好きな俺の授業であれば、教科書103-107ページ、
ここは、表現は無駄を省いている反面、勉強しているものにとっては
読みやすくできている。
しかし、内容は、やや高度なので、勉強不足の人間が読めば、
すぐわからなくなってしまうごまかしがきかないところだ。
カラス、さっそく読んでみろ、そして、言いづらいところがあれば、
自分なりの言いやすい表現に文章を変えることを許す!!」

「(なんだか大げさだな、たかが<漁業経済>の授業ぢゃないか・・・
・・・へッ ・・・)」


「どーした。最初から沈没か?」


二度目の失笑が起こります・・・


私は自分の目を疑いました。
「(イツから漁業経済の内容がこんなになったんだ?)?」
でも気を取り直して・・・・


「ナチス・ドイツ海軍<Z5型駆逐艦(*1)>について。
同艦艇はZ1という1934年型の改良版でありまして、1934A型とも
呼ばれております。

ヴェルサイユ条約下での技術的困難、周囲からの監視下
など多数の障害を乗り越えて誕生しました傑作艦であります。
性能諸元はPP104の右下の枠にある通り、基準排水量2240tonに対し
2軸タービン7万馬力で馬力重量比は31.24PS/ton。

船速38ノットの高速は
わが国では、吹雪型駆逐艦が38ノットですが、基準排水量1700ton-5万馬力と
馬力重量比29.4PS/tonとやや劣り、以後の駆逐艦は次第に重装備となり、
速度が落ちる一方でありました。

例外的に皇紀2601(昭和16,1941)年竣工の島風(*2)だけが基準排水量2570ton
7.5万PS、29.2PS/tonと欧米の一流駆逐艦並になりました。
速度は公試で40.37ノットを記録しました。


「よし!そこまで!!
オマエがよく勉強していることはわかった。

今日のところはこの辺にしておいてやる。
だが次はないと思えよ。

なんせ、お前らは今年9月からの、集団自衛権発令時の、海外派兵第一陣で
あるからな。
それまでの間、俺はお前らをいっちょ前に育てておかねばならん!!」

そういえば、やっとのーみそが昼寝から覚めたようです。
集団的自衛権でも、防衛権でもドチラでもいいことですが、
今年から同盟国・友好国の軍事力が足りなければ、我が国が
お手伝いすることが、法律で決まったのでした。

「これならオヤジになりかわって空襲を受けている夢を見続けて
いたほうが気楽だったかもしれないな・・・」

それにしても変な夢でした・・・
最後に笑ってしまっていたのは、明らかに私ののーみそが父に乗っ取られてようでしたが・・・?
正夢に近いような・・・

「あの・・・失礼ですが・・・先生の本当の御専門は何でしょうか?もし差支えなければ・・・」
「ノリテツだよ、しらなかったの?」
.

夢、どうや?⑥  了


<参考(図書)>
*1)Z5型駆逐艦:歴史群像、2014年8月号、23巻4号 N0 126 pp16-19  白石  光 氏 著 「Z5型駆逐艦」
*2)駆逐艦島風:Wikipedia、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%B6%E9%A2%A8_(%E5%B3%B6%E9%A2%A8%E5%9E%8B%E9%A7%86%E9%80%90%E8%89%A6)


戦争にタイトルを求めた「夢」の話をしますと<ガクヤ話>がどうしても多くなりますので
次回から戦争に関係ない話をしたいと思います。
ーどーせネタ切れだべさ?
あーあーそーだよ

 最後までおつきあいくださいましてありがとうございました。

 カラスのクンセイ 拝