リトルリーグ優勝決定戦はリーグ1位のオリオールズと2位の我がロイヤルズの間で行われた。3試合制の決定戦を1勝1敗で迎えた今夜、いよいよ決戦の時が来た。
監督の奥さんがダグアウトに「声を出そう」「君たちならできる」「集中」などと書いた紙を貼り付けて応援してくれた。
試合前のウォームアップを終えたが審判の姿がない。
15分ほどたったところで、リーグに電話をして問い合わせると、何と前の試合にロイヤルズが勝った事がリーグから審判団に連絡が行っておらず、審判側はもう優勝決定戦は終わったものと思っていたそうな。
結局、たまたま家にいた審判団の団長さんが駆け付けてくれて、30分遅れて試合開始。
「いいか、注意を怠るな。腰を落として、低い姿勢でボールが来る用意をするんだぞ。オリオールズには前回勝ったんだ。今日も勝てる!」
監督がチームにゲキを飛ばす。
先攻の我々はトップバッターの2塁打、2番打者のエラーによる出塁で勢いのある出だし。3番打者のリオが打席に入った。
初球、捕手がボールを取り損ねた隙に2塁走者が3盗を試みたがアウト。
カウント1-1からの3球目、リオの打った打球は高く上がり、1塁手のグラブに納まった。結局この回は無得点。
1回裏、オリオールズは3連続ヒットで攻撃の口火を切った。その後も2塁打を含むヒット2本が出て、一挙に4点を入れた。
ロイヤルズは相手ピッチャーの速球にタイミングが合わず、なかなかランナーが出ない。一方、オリオールズは毎回安打で、3回が終わった時点で7対0と大きくリード。
「いいか、諦めるな。今までだって逆転して勝ったことがあるんだ。今から試合をひっくり返すぞ」と監督が諦めムードの子供達に発破をかける。
皆でダグアウトの真ん中に集まり、こぶしを集める。
「1,2,3」と監督が掛声をかけ、
「ロイヤルズ!」と全員で叫んだ。
ロイヤルズの2番目の投手(投手は3回しか投げられない)はよく踏ん張り4回、5回と無得点に抑えた。
5回に1点を返し、1対7で迎えたロイヤルズ最終回の攻撃。
先頭打者が敵のエラーで出塁。打順はトップに回った。
しかし、彼は内野ゴロで1アウト。
2番打者は四球。
ランナー1,2塁でリオの今日3度目の打順が回って来た。彼の前の打席はショートゴロ。シーズン打率4割、プレーオフ打率5割7分のバットは火を吹くか?
初球、リオは思い切りよくバットを振った。
カキーンと快音が響く。
お、これは、と思わせる音だったが、飛んだ所は3塁手の目の前。アウト。しかし、3塁手が送球する間に3塁ランナーが帰って、2対7。その差、5点。
2アウト、ランナー2塁。シーズン打率6割の4番打者が打席に入った。願ってもない打順。しかし、彼は初球、ピッチャーゴロ。1塁手が送球を受けると、オリオールズはマウンドに集まり、全員が抱き崩れ人の山ができた。
歓喜する敵チームをうつろな目で見つめるロイヤルズの面々。3,4人の子供達が泣き出した。
リオの目にも涙が浮かんでいる。
「いいか、お前達はよく頑張ったんだ。準優勝だぞ」と監督が力づけようとするが、子供達の落胆は大き過ぎた。監督は続けた。
「ロッキーズは今どこにいる?家にいるんだ。フィリーズは?ブルージェイズは?みんなここにいないだろ?だが、ロイヤルズはここにいる。お前達は最後の最後まで戦ったんだ。本当によく頑張ったぞ。I'm proud of you!(君たちを誇りに思う)」
このスピーチに、不覚にも僕は涙が目に溜まった。
そう、4年生主体のこの子達は(リオは3年)5年生がほとんどのオリオールズに一歩も引けを取らなかった。本当によく頑張った。
4月に始まったリトルリーグのシーズンは終わった。
実に色々な事があり、半年は続いたような気がする。
今年コーチを務めた僕は、来年は監督になるつもりだ。
一回り大きくなったこの子達と来年こそは栄冠をつかみたい。
Takaya
今日もお越しいただき、ありがとうございました。
昨夜は打ち上げパーティーで更新が遅れてしまいました。
ロイヤルズへの暖かい応援、ありがとうございました。
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